257話 稀人であることを陛下へ報告
今、ボクはパパと一緒に陛下のおじいちゃん、おばあちゃんのプライベートルームにお呼ばれ。
ボクは緊張してる。いくらパパに大丈夫、心配ないって言われても、やっぱり心配しちゃうよ。
「カイト、よく来たな」
「カイトちゃん、また会えて嬉しいわ」
ニコニコ笑顔のふたり。これからの話でこのふたりがどんな顔をするのか、どんな反応をするのか、気になる。
めちゃくちゃ心臓ドキドキ。
落ち着かなくて、キョロキョロしちゃうよね。おじいちゃん達のプライベートルームは、これまでと同じように白い壁に同じく白い蔦模様の装飾。ここは南国だから高温多湿。だからだと思う、見た感じその白い壁は珪藻土。これって余分な湿気を吸って、乾燥したら水分を放出するんだっけ?そんな感じだったはず。
南国特有な風土にはいい素材。これを全ての壁に使われているのだから、王家の財力ってやっぱりすごいよね。
天井には籠でカバーされた照明がいくつもあって、その籠の精巧な模様はすごく素晴らしくてより南国風な雰囲気を演じてる。
大きな窓もあってとても開放感があって、窓の向こうは青空だ。
壁には大きな絵画。これって長い廊下にも幾つか飾っていた絵に画風が似てる。
同じ人が書いたのかな?それよりも。
「おじい様、おばあ様、またお会いできて嬉しいです」
ボクは精一杯の笑顔で答える。
笑顔大事。これからなにがあったとしても。
「さて、ダウニー、お前から話があると聞いた。人払いは必要か?」
「はい、お願いします」
おじいちゃんが手を軽くあげると、メイド達が人払いされた。
「さあ、ダウニー、どんな話かしら?」
「聞かせてもらおうか」
「はい」
いよいよだ。緊張する、心臓痛いよ。
「はい、実はカイトと先程話をしました。私たちが感じていた通り、カイトは稀人でした」
ふたりが、息を飲むのがわかる。
「そうか」
おじいちゃんは黙ったまま考え込んでる。
「そんな、どうして?」
おばあちゃんは泣き出しちゃった。
やっぱりボクが怖いの?ボクは要らない?
「カイト、泣かないでいいぞ」
うん。頷いてパパの背に隠れちゃたよ。
「カイトちゃん、なんてこと。稀人だったの?どうしましょう」
「だから、お前は誤解されるんだ。」
おじいちゃんは、おばあちゃんの背を擦りながら話をボクに向ける。
「カイト、これからお前のことは国民に向けて稀人だと公表する。明日イカルダの女神様からの祝福の後だ。そうすればお前は有名になり、崇められるだろう。臆するな。誰もがお前に注目するから、逆に誰も手出しは出来なくなる。」
そうだよね。やっぱりそうなるよね。
「そしてお前の守りは固めるから安心しなさい。実はもうお前にはシャドーが付いておる。お前はこの国の、いや、この世界と言ってもいい。最高重要人物になるんだ。私たち王家の物もお前の臣下になる。」
え?なんでそうなるの?
「カイト、稀人はそれほど重要な人物なんだ。安心して守られていなさい。」
「そうだ、心配しなくていい。これまでより自由に好きな発想でこの国を豊かにしてくれたら嬉しい。ただ無理はしたらダメだ。お前はまだ子供だからな。面倒事は大人に任せたらいい」
「おじい様、ありがとうございます」
「カイトちゃん、あなたにこんな期待と責任を押し付けることになるわ。私の可愛い孫が、これから困難とか、狙われたりとか考えたら不安になるじゃない。心配するのは当たり前じゃないの。可愛い孫が心配なのよ」
そうだったんだね、おばあちゃんありがとう。
「おばあ様、ありがとうございます」
「ほら、カイト心配なんて要らなかっただろ?みんなカイトが心配で、みんなカイトが大好きなんだ、わかってくれるか?」
「はい、ありがとうございます。ボクを心配してくれて、ボクを大事にしてくれて嬉しいです。グスッ」
「なんだ。なぜ泣くんだ?」
「だって嬉しいんだもん。ありがとう。ボク、パパもおじい様、おばあ様が大好きです」
「私もだ」
「愛してるわ、カイトちゃん」
ありがとう、本当にありがとう。
「宰相にも伝えないとな、さて、カイト安心しなさい。お前を悪いようにはしない。」
「さあ、では、衣装合わせをしに行こう。」




