256話 前世の記憶を打ち明ける
なんで、パパにボクが稀人だと言わなくちゃいけないの?
「なんで?なんで!それが大事なことなの?」
「そうだ。ちゃんと説明してくれ」
「カイト、あのな、今もしかすると戦争が起きるかもしれない。そうしたら多くの負傷兵が出る可能性があるんだ。話は聞いていると思うが、王家には祐仁さんが残した物がある。その中にペットボトルというのがあるんだ。それは稀人にしか使えないみたいでな。もしカイトが稀人ならペットボトルが使えるか試してみたい。もしカイトがペットボトルを使えるなら、カイトに託したい。」
「それだけじゃない。カイトがもし稀人ならよりカイトを守るために体制を整えなければならない」
「父上とも話しているんだ。カイトが大切なんだ。今、色々作り出していてマーシュ領は注目の的だ。それが全てカイトから始まっている。いずれそれは誰かが気づくのも時間の問題と思っているんだ。カイトが稀人なら大胆に公表してしまった方が、手出ししにくいのではないかと話になっている」
「なぜ、そんなに頑なに否定するのは分からない。尋ねると黙るところは、認めている事と同じだと、パパは思う。違うか?」
「カイト、何度も言うが、私たちはカイトを守りたいんだよ。どんな理由があったとしてもカイトの味方だ。それは安心して欲しい」
どうしよ、どうしよう。パパの言いたいことはわかるよ。ボクが恐れているのはそこじゃないんだよ。
《《どのタイミングで稀人になってこの世界に来たか》》
パパとママの子どもとボクは入れ替わったんだ。本当の子どもは死んじゃったんだよ。そこにボクの魂が入ったんだ。
それを知られたら、そこで拒絶されたら?それが怖いんだ。けど、もう話さなきゃ。
もう、隠しておけない。
「パパ、分かった。話すよ」
ボクは覚悟を決める。
「ボクが稀人だろうとパパが考えてるのは、正解」
「そうか。よく話してくれた。それなら疑問がひとつある。祐仁さんはいきなりこの世界に来たんだ。けど、カイトはパパとママの子として生まれたんだ。そこで不思議なんだが、カイトは自分が稀人だとどうして認識したんだ?」
「ボクには、前世の記憶があるの。それはママのお腹にいた時から記憶があるの。」
「前世の記憶…それは想定していなかったな。なるほど。カイトは前世の記憶を持ったまま生まれてきたんだな?」
「そうなの。」
あ、前世の記憶を持って生まれた、それで話を通したらいいんじゃないのかな?
「そうか。ただ前世の記憶があるだけだ。なんでそんなに怖がっていたんだ?」
「だって気味悪くない?変じゃない?普通じゃないでしょ?普通の子と違うんだよ。」
「なんで気味が悪いんだ。我が子だぞ。前世の記憶で今、カイトがこの世界を発展させているんだ。私たちがそれを否定したか?拒否したか?していないな。むしろ、ありがたいと思ってる、感動もしてる。誇りに思う。普通ってなんだ?カイトはカイトだろ。個性だ。いいじゃないか」
「……うん」
「何を怖がるんだ。パパ達はお前が大事だ。大切だ。いつも何度でも伝えるぞ。心配するな、何があっても見捨てることはしないぞ。心配することは何一つないんだ。」
「……うん」
「どう?話は終わった?」
キノセイ、空気読んでよ。
でもさ、この軽さが、空気を軽くしてくれてるかも。
「もう少しだけ。これから陛下に話をしにいく、カイトも一緒だ。その後は多分ペットボトルの使用の許可をお願いをするつもりだ。良いな」
「うん」
「さあ、涙はもう止まったな。泣かせてごめんな。カイト。パパはカイトが大好きだ、愛しているぞ」
「えへへ」
ありがとう、パパ。
「ボクもパパが大好き」
「ああ、知ってるぞ。」
いたずらっ子のようにウインクしてるパパ。ボクはパパとママの子どもに生まれて良かった。
これは、イカルダの女神様に一番に感謝しなきゃ、明日ちゃんとお礼をしなきゃ。
「さぁ、では、まずは陛下のとこに、その後はペットボトルを受け取る、そして忘れてはいけない、明日の衣装合わせ、そしてちゃんと覚えてるか?明日はいよいよイカルダの女神様の祝福を受けに行くぞ」
浣腸ポーズ、パパ、止めて、笑っちゃう。大丈夫、ちゃんと覚えてるよ。




