252話 豚汁完成と宰相夫婦との夕食
宰相のおじいちゃんと、おばあちゃんはママと雰囲気が似ている。だから、何となく初対面でもあまり躊躇わずに接することが出来た。けど、おばあちゃんはママによく似てるから寂しさは募る。
ママやアリに会いたいな。
さ、おセンチな気分はとりあえず胸にしまって、そういえば、なんだ?何か忘れてるー?
なんだっけ?あー、豚汁忘れていたよ。
まだ出来上がってない、すっかり忘れていた豚汁。
ボクは慌てて厨房に逆戻り。
そうだ、スン!厨房の入口まで瞬間移動。便利だよね、行きたいところに行けるんだもの。
ドアを開けて、豚汁用の深鍋を見るとめちゃくちゃお肉が柔らかくなっている。
「カイト坊っちゃま、お戻り頂いて良かったです。豚汁をどうすべきか悩んでました。」
「サラマン、ごめんね、すっかり忘れてたよ。今からもう少し手伝ってね、仕上げていくよ」
鍋の様子を見ると、おっとー、ナダンソウソウも薄く切っているから大丈夫、すぐ火が通って甘くなる。
「お肉の旨み、ナダンソウソウは熱を通すと甘くなるから、その甘みがあって、そこにミソを溶いていくよ」
すごいね、みんな勉強熱心だね。
ちゃんとメモ取ってる。
さ、味を見ると、やっぱり美味しい。
お肉がちょっと柔らかいけど、ま、それもいいかな?ちょっと味が無くなっているような?ま、仕方ないね。ここまでお肉が柔らかくならなくていいから、もう少し早めにできることも伝えていく。
さ、あとは、こんな物かな?
厨房も他のみんなは、ボクの教えた料理を作る人達、ほかの料理を作ったりと、夕食の準備に取り掛かる。
サラダも、色々な野菜があの肥料を使えば、もっと食文化も豊かになる。
あー、醤油、酢が欲しい。
ほしい物リストが増えてく。
「これが、ボクが作る味。食べてみて。」
「サラマン、心して頂きます」
ゴクッ。
どうした?目閉じて、上向いて、膝まづいて、祈りだしたよー。
「ありがとうございます。この感動を私は決して、生涯忘れることがないでしょう。」
ちょっとサラマン、大袈裟じゃない?
バン!勢いよくドアが開く。
ん?あ、パパだ!焦ってる?
「カイト、急にいなくなるなら、行く場所をちゃんと伝えてくれ」
パパが慌ててやってきたよ、今度はパパ忘れてたー。
「ごめんなさい。豚汁すっかり忘れてたからさ。」
「焦ったぞ、急にいなくなるから。どこかに行くならちゃんと伝えてくれ」
「はーい、ごめんなさい」
パパはボクの頭を撫でる。
「もういいのか?」
うん、ちゃんと出来上がったからね。
サラマンと厨房のみんなに後をよろしく頼んで厨房を後にした。
「うんまっ」「カイト坊っちゃま天才!」
「他にも教えて」「感動しました」
「やばい、美味い、なんだこれは、今までの料理はなんだったんだー」
さて、ボクたちは、パパと、宰相のおじいちゃんとおばあちゃんの4人でお茶会。
ボクはよくパパに似ているって言われることが多い。だけど、宰相のおじいちゃんはアマナの目に似てるって言ってる。ママと同じ目の色だからかな?
おばあちゃんは、ママの小さい頃の表情が今のボクに面影があるみたい。ふとした仕草が似てるんだって。一応パパにも「よく似てますね」なんてフォローしていたのが笑える。
そんな時に、陛下のおじいちゃんとおばあちゃんが来たことも伝えられ、合わせて夕食も出来たようだ。
先にパパとボク、宰相のおじいちゃんとおばあちゃんが席に立つ。その後、陛下のおじいちゃんとおばあちゃんが入ってきた。
「急なお呼びだてをしてしまい申し訳ありません。」
パパに続き、宰相のおじいちゃんもおばあちゃんも陛下のおじいちゃんとおばあちゃんに礼をする。
「いや、大歓迎だよ。こうして初めて息子の家に招かれて?」
おっとー、初めての招待なん?
パパダメじゃん。
「そして、食事を頂けるなんて、嬉しいな。《《長年の夢》》であったな」
うわー。嫌味だね。パパ、澄まし顔してていいの?ボクはちょっといたたまれない。
「大変失礼しました。」
もう、もう少し優しくしてあげてー。
「それよりも、早速頂きましょ、用意してちょうだい」
陛下のとこのおばあちゃん、強っ。
食事の方は、うん。美味しかったよ。




