249話 ママんとこのサンディおばあちゃん
「お肉を用意したね、牛、豚、鳥はベリデリだね、よしっ!では、食べやすいように切って行くよ」
牛肉は厚めに。豚肉はスライスに。鶏肉は2口位で食べられる大きさに。
それぞる切り分けて、軽く塩を振って馴染ませて。そこに指でつまんでコショウを振っていく。そして一緒にガリガリクゥーのスライスを置いて馴染ませておいた。
その間に、ちょっと風変わりな物を試したくて、ベリデリを塩コショウだけのを用意する。
それに、鍋に敷いた油にガリガリクゥーの刻みを入れて油に香りをつけていく。
ガリガリクゥーの爆弾な香りが厨房に立ち上りあちこちでゴクッて唾を飲み込む音が聞こえるね。1番大きな音は、本当の味を知っているパパだ。
そこに新たにコショウが加わる。
さあ、焼いていこう。
それぞれを焼いている間に、焼ける肉の三重奏。蔓延するお肉の香り、どれをとっても、味を知らない料理人たちも期待に満ちているよね。
思わず語っちゃった。うん、それくらい美味しそうな匂いなのよ。
その間に、ボクは実はさっき用意してもらった油を大量に入れた鍋を用意してもらう。油が高い事はわかっているけど、我が家は買えるからお願いして用意してもらったもの。
塩コショウを効かせたベリデリの肉。
こちらも高値の小麦粉をまぶして少し寝かせるの。粉を油に落としたら、粉がいい感じに浮上してきたから、多分温度的にはいいと思う。
小麦粉をはたき、余分な小麦粉を落としてから、鍋の中へ次々に投入。そう、唐揚げ作っちゃお。
あ、そうだ、次、牛カツもいいね、とんカツも作ろう。卵が手に入ったからね。
ある程度に上がったら、一旦引き上げて余熱で中まで火を通す。
「少し切って見て」
まだちょっと赤みがあるね。
「では、2度揚げしまーす」
なんだか、みんなボクの指示を黙々と忠実に再現してるよね。本当に無駄がない。
すごいねー。
「みんな、手際がいいね」
「それは、カイトお坊ちゃまの指示が的確ですからね、もう、味を想像してみんな早く作ろうと頑張ってますよ」
今回は作り方を教えてるからいいんだけどね、味見大事よね。作り方覚えて今日の夕食はよろしくね!
なんて思ってましたよ。
バン!だれ?ママじゃないし。
「ダウニー様も、カイト様もここにいらしたんですね。なんですか?この爆発的な、美味しそうな、思わずヨダレが出そうな、美味しそうな匂いは?」
あちゃー、宰相のおじいちゃん。
ママは宰相のおじいちゃんに似たんだね。
「失礼しました。ダウニー様。ご案内にまいりました。」
「どうした?」
「いえ、私の妻が、カイト様にお会いしたいと申しまして、お時間をいただけないかとご相談に来たのですが、どちらにもいらっしゃらず、厨房からいい匂いに誘われて来てみれば!ダウニー様カイト様は貴族であらせますよ。厨房で何をなさってるのでしょうか?」
「カイトが料理指導をな」
「なるほどでしたか」
「おじい様、お久しぶりです」
「おー、カイト様、お元気ですか?少し大きくなりましたかな?」
いや、会ったの最近だから、ねっ!
「サンディ様はお元気ですか?」
サンディ様っておばあちゃんのことかな?
「はい、最近は少しイライラしたり、落ち着きがなかったのですが」
それって、更年期特有の症状じゃない?
「カイト様にお会いできると聞いて、元気になりました。私だけお会いしたと知れるとかなりいじけてましてね、仕事も忙しくマーシュ領に連れて行けませんでしたから。ずっと会いたかったのにあなただけずるいって、ははは」
「宰相のおじい様、ボクもおばあ様にお会いしたいです」
「カイト様、ありがとうございます。実は…ついてきてまして。」
「え?サンディ様が我が家に?」
「はい、突然すみません。お願いをしに来たつもりが、ついてきてしまって」
「いいですよ、分かりました。では、応接間でお待ちください。この後夕食がありますからご一緒しませんか?」
「カイトは、どうだ?」
「うん、構わないよ。」
「よし、では、夕食を共にしよう。それまでお茶を用意させる、セバスチャン。聞いていたな。お茶と夕食を宰相夫妻の分も、あともう2つ用意してくれ」
ん?あとふたつ?
「私の両親も呼ばねば、あっちも拗ねるだろ?」
「あー、なるほどね。パパ、気がつくね」
なんだか、賑やかになりそうな予感。




