248話 コショウは料理に使う、けど戦にも使えそう
「ちょっと待って、とりあえず味を覚えて欲しいから、作ってくれた料理人たちには一口づつ味見をしてもらうね。そしたら残りをパパ食べていいよ。あとは同じものを夕食に作ってもらうから」
「みんな、一口づつ、食べてみて。」
まず最初はサラマンから。
「なんてことだ、濃厚な味わい。ミソとはこんなに美味しいものなのですね。辛くない。これは?」
「ああ、黒砂糖が甘いんだよ」
「黒砂糖?さっきの焦茶色の粉のことでしょうか?」
「そう、甘いの。まず食べてみて」
固形タイプの黒砂糖を差し出すと、一粒口に運んだ。大丈夫?どう?泣いてるのー?
「私は、グスッ、私は薄い果物水を甘いと思っていましたが、あれとは桁違いに甘いです。何でしょう、深みもあって。どうしましょう、感動に打ち震えております。」
一気に語り出したねー、そんなに美味しいんだ?そうだよね、これまでなかったからね、本物の甘さ、感じてくれたんだね。
「美味しいでしょ?ボク達領の特産の一つだよ」
「はいぃぃぃー、虜になりました」
大袈裟じゃないかっ。そうだよね。
「これは、美味しいよ、おやつにもなるし。ポーポーとチンピンも作り方を教えるね」
「その前に、さっきの赤い実出して欲しいの」
「はい、これですね。これはどう使うのですか?名前もわからないですし。」
よし、じゃ、名前をつけよう。
「これはコショウと言います」
「ん?食べたらどこか故障するのか?それはいかんな、食べないほうが良くないか?」
あー、そっちで聞いたの?パパー。
あのね、違うからね。
「違うよ。これをすり潰して粉にして、食べ物に振りかけると美味しさがアップするんだよ。」
「そうなのか?」
パパもみんなも良くわからないって顔しているよね?
思い出したけど、たしか赤い実はホワイトペッパーだよね?
これは水で柔らかして皮をむいて、乾燥させてからじゃないと使えない。だから緑の方が良かったかも。
赤い実は水に浸してもらいながら、さっきの木から緑の実を摘んできてもらう。
できるだけ多く。
摘まれた緑の実。よし!
「これだけでは、食べることができないの。乾燥させて、木の実をつぶしさないといけないから。この中に、風魔法できる人いる?」
「はい、私ができます」
手を上げた料理人に緑のコショウの実に風を当ててもらう。
「カイト、パパも風魔法使えるぞ」
待ってました、知ってるよ、前にパパを鑑定した時風魔法ってあったしね。パパから言ってくれて助かるー。
「そうなの?ありがとう。パパ、コショウに風を当ててくれる?やさしーく」
ふーって、風を当ててるけど、なかなか乾燥しない。あれ、できないかな?
そうだ!
「パパ、温風出せる?」
「ああ、出せるよ。こうか?」
「そうそう、その方が実の乾燥が早くなるから」
熱を加えたら、熱風でどんどん水分が抜けてカラカラに乾燥したコショウの実が出来上がった。
やったー、これを今度は粉々にしなきゃ。
「じゃ、今度は、パパにお願いしたい。これを粉にし」
あ、まって、やばー。
ハッハッ、ハックショーン。
出たよ。くしゃみ。
みんなくしゃみし出したじゃよ。
「ごめ、ん、な、な、ん、だ、ハッハッ、ハックショーン。」
「先に、言えばよか、った、ハッハッ、ハックシュン」
鼻が痛いよ、もう、先に言わなかったボクも悪いけど、最後まで聞かずに粉にしていくパパも悪い。もー、しんどい。
みて、みんな、鼻水、涙目じゃん。
ん?パパ、鼻水垂れそうよ、鼻水啜りながらなんか考えてる?
「あー、やばかった。辛いな、けど、いい収穫ができた。これは戦に使える」
え?使うのは料理よ、今から食べるのよ?
「確かに、戦いにあったらいいかもね。相手の目や喉、鼻を刺激するからいっ時は使えるんじゃないかな?」
「よし、採用!」パパ、親指立ててるー。
「とりあえず、この胡椒はまず料理に使うからね。さっきみたいになるからいきなりすり潰したらダメよ。すり鉢とかない?」
「ございます、こちらを」
「じゃ、ゆっくり、粉が舞わないようにすり潰して」
担当した人ごめんね。何回も何回も人を交代しながら、やっと必要な分をすり潰した。みんな涙拭いてね。
「さあ、今度は、料理に使うよ」




