241話 謎の正体はキノセイ
「それは、パパが決めること。だからパパを起こして」
「分かった、パパってこの男の人だよね?大丈夫だよ、今、目が覚めたはず」
「うううんっ」
横たわるパパがうめき声を上げながら頭を振って起き上がる。
「はっ、カイト。無事か?」
「うん、パパ大丈夫?」
「さっきの奴は誰だ、ここはカイトの部屋だな?図書室からどうやってここに来たんだ?」
「ボクの瞬間魔法だよ」
「そうか、ありがとうな、カイト。お前は無事か?怪我してないか?」
ボクの体の隅々まで見て行くパパ。
「大丈夫だよ、パパは平気?」
「ああ」ハッ!
「なんなんだ、なんでネコがいるんだ?いつの間に紛れ込んだんだ。この屋敷はネズミ1匹通さない屋敷の守りなんだぞ」
「やあ、目覚めてから元気だね」
あはは、パパの驚いた顔。
「ネコが喋った?ってあれ、さっきの声?なんだ、お前はさっき図書室にいたやつだな?」
「パパッ、落ち着いて。ボクたちに危害は加えないって、さっきからボクとお話してるけど、攻撃はしてこないよ」
「カイトが言う通りさ、そうだよ。ボクは君たちに危害を加えないから安心して」
パパの警戒心はそのまま、けど少しは余裕が出来たみたい。
「もし、私たちに危害を加えるようなら容赦しないからな」
「うん、わかったよ。」
「ねぇ、パパなんかこの子、ボクを助ける事で、この子も助かるんだって。よく分からないけど」
「カイトを助けることがこの子が助かる?よく分からんけど?」
「そういう事だよ。君たちに危害を加えたらボクはダメなんだ。それはボクにとって死活問題だからね。助ける事があっても傷つけたりはしないから安心して」
「そんな都合のいい話を信じろと?」
「そうだね、信じられないよね。では、どうすればいいかな?難しい」
「パパ、様子をみない?」
「うーん、しかしだな」
「あ、そうだ、君たちに僕のこと話してなかったね。ボクはキノセイ」
「ん?なにが気のせいなんだ?」
「ん?木の精?」
「ちがうよ、気のせいじゃない。木の妖精でもないよ、名前がキノセイ」
「「あー、そっち」」
「キノセイは何者?」
「ボクは幻獣だね。前は神の使いとも言われたね。カイトはあいつの加護持ち」
え?あいつって、もしかしてイカルダの女神様のこと?
「え!?キノセイはイカルダの女神様の使いなの?」
「そうだね」
えー、そうなの!?あれ、パパ拝み出した。
「イカルダの女神様に何をしたんだよ」
ボクは構わずに話しかける。
「いや、イカルダ様って、ほら、ちっぱいだろ?それをからかっていたら怒られた」
「え?それだけで?」
たしかに、ちっぱいだったけれども。
「イカルダの女神様がちっぱい?なんだ?ちっぱいってなんだ?板か?板なのか?」
思わずパパのお腹をグーパンチ。
「痛っ」
いや、さっきから漫才じゃないんだからさ。
「まあね、ざっと100年からかっていたら怒られちゃった。んで、この通り閉じ込められたってわけ。誰にも気づかれず。君たちみたいにボクの声を聞こえる人が来るまで、それと稀、ツッ」
稀人って言いかけてる口を押さえる。
「稀人の話はしちゃダメ」
キノセイだけに聞こえる声で伝える。
コクコク頷くキノセイを離す。
「まれ?なんだ」
「稀にボクの声が聞こえる人がいて、その人が来るまでずーっと待っていたってこと。」
「イカルダの女神様の使いのキノセイ様の声が聞こえるのは私と息子だけですか?」
「そうだね。少なくともこの300年にボクの声が聞こえる人は居なかったよ。イカルダ様の加護がないとボクの声はきこえない」
え?それじゃ、パパもイカルダの女神様の加護持ちなの?
「え?私にもイカルダの女神様の加護があると言うのですか?」
「ああ、カイト程じゃないけど、ちょっとだけあるよ。10年前くらいかな?ここで戦があったしょ?その時に大勝利したよね?それ、イカルダ様の加護も働いてるよ。だからこの辺りの被害も少なかったはず」
「そうだったんですね。私にイカルダの女神様からの加護が、ありがたき幸せ」
「さ、ボクの話はこんな感じ。これからよろしく頼むよ。今ボクに掛けられてる魔法を解いて」




