235話 ニライカナイ庭での祖父母と散歩
ニライカナイ庭に着いたけど、なんというか、例えて言うならゴルフ場に種類の違うヤシをふんだんに植えて、数十種類の色とりどりのハイビスカス、白、紫、赤紫、黄色のブーゲンビリア、大きく横広がりでオレンジの花をいっぱい咲かせたホウオウボク、クワズイモの大きな葉っぱ、ピンクや黄色のアラマンダが咲き誇っているって感じ。向こうには、ヒスイカズラとカエンカズラのコラボだね。棚に連なってる。
大きな池もあって橋がかかっていて、それもブーゲンビリアがアーチを作ってる。
南国~、めちゃくちゃ南国~♪
アロハー、めんそーれって言ってるくらいな南国だった。
東屋は赤瓦ぽいし、これ多分祐仁さんの趣味だな、きっと。
東南植物が気分を上げてくれる。
いっぱいの草木に花々だけど、ごちゃごちゃしてる訳じゃなく、すごく綺麗にディスプレイされてる感じだ。
「おーー、キレイ」
思わず発した声に
「そうだろ?ここは祐仁さん、初代王だな。彼が力を入れた庭だな。彼は良くここに来て東屋で茶を飲みながらくつろいでいたようだぞ」
「そーなんだね」
分かるよ、分かる。沖縄ぽいもの。
ボクもなんだか懐かしい気がした。
「なんだカイト。泣くほど感動したか?」
「あらあら、どうしたの?ほら、おばあちゃんが涙を拭いてあげるわ」
おじいちゃんとおばあちゃんと手を繋いでいたから、涙を拭けなかった。
感動、そうだね。
「うん、すごくキレイで感動したよ」
「そうかそうか」
そう言ってボクの頭を撫でてくれたおじいちゃんの大きな手は、パパが撫でてくれる時と同じように優しくて温かな手だ。
「少し落ち着きましょ。あの東屋でお茶でもしましょうか」
おばあちゃんの提案で東屋に行く。
そこでおじいちゃんとおばあちゃんが、ボクを誰の膝に乗せるのかを争っている。
結果、泣き真似で勝利したおばあちゃんのひざの上に座ってるボク。
ボクは出来たら向かいにある空いてる席に座りたい。けど、ボクを膝に乗せて嬉しそうにしているおばあちゃんには、何も言えなくて…夏?違った。
つい懐かしい懐メロが浮かんだよ。そうだよ、あの歌、父さんの18番だったね。父さん歌が上手かったな。可哀想に「目を閉じてお父さんの歌を聞くと最高なのよ」って母さんと妹に言われていたなー。
「カイトちゃん、なにか飲む?何がいいかしら?果実水あるわよ」
「あ、あのボク、おじい様とおばあ様に飲んで欲しいものがあって、お出ししてもいいですか?」
実は持って来ているんだよねー、シーレモンジュース。これもお土産のひとつなんだ。
「おお、カイトからの飲んで欲しいものとは何かな?」
「実はこれです。」
蓋の着いた入れ物。こぼれないように持ってきてもらった、メイドさん、お疲れ様。
氷は用意してもらった。コップに入っている、味の調整も済んでいるからあとはコップに注ぐだけ。
蓋を開けるとシーレモンの甘酸っぱい香りが辺りに満ちる。
「あー、なんか爽やかないい香りだな。」
「本当だわ。何をいただけるのかしら?楽しみだわ」
「さあ、どうぞ!我が領に最近出来たジュースです。」
「ジュースとはなんだ?」
「果実水は、絞った果汁を水で薄めますが、ジュースは絞ったままの果実そのままだったり、果汁の割合が多い飲み物です。このシーレモンはそのままだと酸っぱいので、黒糖を混ぜました」
「黒糖?って何かしら?」
「黒糖、砂糖はうちで発見した甘い調味料です。まずは味わって下さい」
「香りはよさそうね」
クンクン嗅ぐのー?大丈夫だよー。
うんうん、確かに未知のものには匂い嗅いじゃうよね!
「私はいただくぞ。」
ゴクッ 「ぱはぁー、こりゃ美味いっ」
「え?そんなにですの?では、私もいただくわ」
ゴクッ「美味しすぎるわ」
ふたりともクワーッ目を見開いてるよ
そのまま、一気飲み?美味しかったんだね?
「これは、これはうますぎる。甘い、酸っぱい、なんていい表せばいいのだ?」




