223話 マール、セバスの昔話③
「祐仁さんの話によると、祐仁さん達は、最近森がおかしいので原因を調査して欲しいとマーシュ領主に頼まれて森に入っていたようですよ。そこで倒れたセバスを見つけたようですね。セバスはかなりの痛手を負い、意識がないところを祐仁さんが見つけここに連れてきたとの事でした。」
「私と兄はセバスと暮らしており、帰って来ないから心配になり森の奥まで探しに来たと伝えました。祐仁さんが私たちが仲間だと聞いて驚いたようでした。そうですよね?見た目が違いますもの。」
「祐仁さんは私の話を信じてくれました。後から知りましたが、祐仁さんは鑑定の能力があり、私とグローが兄妹で、セバスが親代わりであることも、これまでの事など鑑定で知っていたようです。初めての相手に鑑定が使えることはあまり知られたくないので、私たちが仲間ということは鑑定で知りながらも、わざと驚いていたようです。」
鑑定できるの?ボクと一緒?
「祐仁さんは、今、セバスも兄も意識がないのは、それは体が回復するための休息だと教えてくれました。じきに目覚めるとも言ってくれました。ふたりが回復するまではここにいてもいいとも言ってくれたのです」
「セバスも兄も意識がありません。と心配する私に祐仁さんはある不思議な容器を見せてくれました。それは透明で軽くて丈夫な容器でした。確かペットボトルとか言ってましたね。」
ペットボトル??!おう、同郷確定じゃん。
「ペットボトル?」
「カイト坊ちゃんはペットボトルをご存知なんですか?」
やばい。知ってるのバレたらまずい…
「へ?知らないよ。そのペットボトルって何に使うの?」
「なんでも、このペットボトルに入れた水は聖水になるようで傷をあっという間に治すって事でした。傷を治すんです。ただ完全に修復するためには意識を失う期間がある一定の期間があるそうで、その期間は傷の具合によるようでした。セバスも兄もこの聖水を使ったから、必ず起きるから心配しないようにと言われたのです」
「そんな凄いペットボトルがあったんなら、今傷を負う人がたくさん助かってるんじゃない?そしてそのペットボトルを争奪するために戦争が起きたりとかもありえるよね?そんな話は聞いたことないけど」
「そう思いますよね。どんな仕組みかは分かりませんが、祐仁さんにしか使えず、祐仁さんがこの世を去ってからは誰にも使うことが出来なかったと言われてます。祐仁さんが持っている時に何度が盗まれたことがあったようですが、直ぐに手元に戻って来たようですね。」
「けどさ、悪いやつなら祐仁さんを攫って、奴隷じゃないけどそのペットボトルを使って祐仁さんをこき使う事も悪い金儲けも出来たんじゃない?」
「それが祐仁さん、転移魔法も持ってまして、どんなに捕まっても、縛り付けられても抜け出して、転移で戻って来れたようです」
マジで、それってマジシャンじゃないの?
「しばらくすると兄が起き、セバスが起きました。体はなんともなく傷もキレイになり傷があったなんて思えない回復でした。」
「生活苦の私たちに、祐仁さんは身の回りの世話をする仕事を与えてくれたのです。私たちの新たな生活がスタートしました。幼かった私たちに祐仁さんは武術、護身術、ありとあらゆる技を教えてくれました。セバスからも魔法や、体躯術、影の仕事も教わりました。私たちは祐仁さんに命を救われただけではなく、生活も学びもおしみなく与えられてばかりで返すものがありませんでした。だから祐仁さんとその子孫に生涯仕えることにしたのです。」
「祐仁さんは人とは違う知識も持ってました。祐仁さんは川の氾濫で苦しむマーシュ領を開拓し、後にマーシュ領の領主の娘と結婚したあと、祐仁さんの他にない知識でマーシュ領は豊かになって行きました。」
「当時の王家は、マーシュ領の豊かさに恐怖を覚えたんでしょう。王家を筆頭に、王家派閥の貴族達により内乱が起きたのです。」




