219話 家族と黒糖を味わう&リゴーの実はドラゴンが守ってる
夕食時。
「さあ、黒砂糖とか言ったな。どんな料理が出るんだ?」
「まずは、黒糖のそのままの味を味わって欲しいです」
「ああ、そうか。どれ、食べてみるか」
あ、いっぺんにそんなに食べちゃだめ、1つづつって言う前にパパ、5、6個口に入れたよね。美味しそうだけど、口の中きっと唾液の洪水でしょ?
本当にいつも豪快なんだからっ。
「1つづつ口に入れながら溶かして食べてね。」
「甘いわね。これが本当の甘さなのかしら?今までリゴーの実が甘いとか聞いてたけど食べたことないわ。ナップルの実はカイくんの誕生日に食べたわね。あれが甘いって感覚だったけど、この間カイくんが出してくれた紅芋の甘さも違ったわ。甘さの違いなのかしら?それに比べたら、これはもの凄く凄ーく甘いわね」
「甘みには色々な甘さがあると思うよ」
え?リゴーの実?もしかしてリンゴ?
もしかしたらパンが作れちゃうんじゃない?よくある醗酵させるとか聞くじゃん。
試したいっ。
ナップルー、あれは酸っぱかったよー、あれを甘いって言うなら、黒糖は甘すぎるって感じかな?
「アリ、食べすぎると歯が痛くなるよ」
さっきからずーっとちまちまかじってる。
「痛いのやだー、今日はもうやめる。どれくらいなら食べていいの?2つ?3つ?」
「3つまでかな」
「ママも食べすぎちゃうと、太るよ」
あはは、黒糖を取ろうとした手を戻したね。
「食べすぎると、太るの?そうなの。それじゃ、程々にしとくわね」
そこは、食べないじゃなくて、《《ほどほど》》には食べるんだね。わかるよー、甘味を知ったら抜け出せないからねー。
パパ、さっきからお水をやたらと飲んでるね?落ち着いた?
「あー、美味かった。これは少しづつ食べるものだな。こんなに甘いのは癖になるな。」
保存出来きて、色々な料理にも、お菓子にも、飲み物にも使えると聞いて、商売の勝機を見逃さないってパパは息巻いている。
パパをここまで興奮させるって凄いね。
「ママ、リゴーの実はどこにあるの?1度取り寄せたりできないかな?」
「そうね、ママのところのおじい様に聞いてみるわ。なかなか難しいかもしれないけど、まずは聞いてみるわね」
ママのところのおじい様って、宰相のおじいちゃんだよね。
「ママ、難しいってどうして?」
「リゴーの実は、北の高い山に生るのよ。そこにはドラゴンがいてね。リゴーの実を守ってるの。ドラゴンが餌を取りに飛び立つ時にだけ採れるのよ。見つかったらドラゴンに食べられてしまうから命懸けなの」
え?ドラゴンいるの?いるよね?話聞いたことあまり無かったけど、いるんだー。
ごめんだけど、恐怖より、ワクワク感が半端ない、すごーい、すごーい。
けどさ、考えたらドラゴンは強いよね。
リゴーの実って採りにいくの危険じゃん。
もっと詳しく話を聞きたいっ。誰に聞いたらいいかな?
ナップルはエルフの里、セバスとマールに聞いた方がいいかな!?
「ああ、リゴーの実を取りに行くのはとても危ないからな。私は1度だけ小さい時に1切れ食べたことあったな。当時献上された物を分けて貰えた。あれも甘かったぞ。いつかはまた食べてみたいものだな」
「そうね」
ママも食べてみたいんだね。
「ボクもいつか食べたいな」
「アリも食べたい」
そっかー。そんなに危険なら、まだナップルの実を採りに行く方が楽そう。
だってエルフの里でしょ?セバス達に聞いたらいいはずだから。後で聞いてみよっ。
さ、こうしてるうちに食事が終わりそう。
油味噌は、楊枝でちまちま取りながらパパが美味しそうに食べている。
そのままだと塩味が強いから出来たらご飯の上で食べたいな。
「では次はね、ポーポーとチンピンを食べてみて」
「《《珍品》》は珍しいんだな」
あ、そう、そうね。そう言う事にしとけばいいかっ。トン汁の時と同じ勘違いだけど。
「ポーポーはなんだ?踊りか?踊ってしまうくらい美味いのか?ポーポポーってほら、踊りがあるだろ?」
え?そんな踊りある?しかも、頭の後ろに手のひらを出してさ。ウケる。パパ、ちょっと思考がズレてるよね?面白いからいいけど。




