217話 黒糖完成現場にママとアリ参上
「待って、かき混ぜる手は止めていいよ。みんな味見は今はダメ。」
みんなの絶望的な顔は無視、無視。
「まずは平たい大きなバット容器に移し替えてから冷まします」
えーって視線はさらに無視をしてると諦めてスプーンを置くみんな。
ごめんねー!ひとまずパパに食べてもらいたいの。
バン!
でたー、ママー、あれ?アリも。
二人で仁王立ち。臭覚鋭すぎない?
「ちょっとあなた達、ここでなにをしているのかしら?」
「お兄ちゃま、何をしてるの?説明して。さっきは木を切るだけって言ったじゃない。こんなに甘い匂いって聞いてないよ」
おー、2人ともぷりぷり、お冠だねー。
「ママ、アリ、人生の大発見をしたんだ、まずは食べて食べて。すごいよ、甘いの」
わざとテンションあげちゃう。
ひと口づつ、固まりかけの黒糖を2人の前に差し出すと、茶色い固まりに2人も固まりつつ、恐る恐る見ている。
「アリ、食べる」
パクッ、1口目で目を見開き、踊り出した。
え?そんなに?
そんな踊り…あるな、カチャシー?
「なにこれ、おいちぃー、おいちぃー、おいちすぎるぅー」
アリちゃん、お口のものが入ってる時は喋ったらダメよ。
アリの喜びようにママも1口口に運ぶ。
いやー、ママ、くねくねダンスだよ。
だめよ、それは。
《《うぃーん。ゴードンとみんなの息子達がグッドモーニン!》》
だからー、鑑定眼君、なんかものすごーくテンション高くない?
それでっ、そんな情報いらないからさっ。
この黒糖を鑑定して!
《《かしこまりました、ご主人様。こちらを鑑定しました。》》
○カイトの肥料で生き返ったシュガー竹で作られた黒い砂糖の塊
特徴▷▶非常に甘い黒糖
応用▷▶クリーン魔法により、黒さが取り除かれ白糖になる。
え?白糖作れるの?クリーン誰が使えるの?知りたい知りたい。
《《ご主人様、シュガー竹も鑑定致しましょうか?》》
うん、頼むよ。
○カイトの肥料で生き返ったシュガー竹の、絞りカス
復活▷▶過去に生育していたが今は朽ち果て寸前なところをカイトの肥料にて蘇った
原型▷▶汁を絞ったあとの絞りカス、生き物の餌に混ぜて食べさせるの最適。肉質を上品に甘く、旨味が増す。超極上肉になる。
育成▷▶竹を30cmほどに切り、カイトの作り出した肥料が蒔かれた土に刺しておくだけでグングンのびる
本来の樹生地▷▶エルフの里や亜熱帯、熱帯地方にて生育。だが、味が桁違い。
葉っぱ▷▶食べられない
幹▷▶砂糖の原料、絞って煮詰めて、冷まして食べられる。汁は絞って飲むことも可能。
え?凄くない?
「カイくん?カイくん、ぼーっとしてどうしたの?」
あ、やば。鑑定はパパとの内緒だから話せない。そうだ!
「これの美味しさに感動しちゃったの。」
「そう、ならいいわ。これはそのまま食べるのかしら?他にどうやって食べるのかしら?」
「アリも、そこ知りたい、そこすっごく大事なの。お兄ちゃま、教えて」
「あ、えーっと、料理もおやつにも、飲み物にも使える万能調味料の一つだよ」
「なんですって?」
「ねー、ねー、何が作れるの?今すぐ食べたい、ねー、お兄ちゃま作って、お願いしますっ」
もー、アリ、どこでこんなポーズ覚えたの?お祈りポーズにコテッ。
ボク悩殺されてもいいですかー?
ママのくねくねダンスよりは、アリの可愛さの方がやばい。
でもさすがはママだね。
「アリちゃん、美味しいもの作って貰いましょ。けどね、このお屋敷で一番偉いのはパパなの。だから最初にいただくのはパパなの。わかるかしら?」
「うん、分かる。だからパパと一緒に食べるね」
ん?分かっているのかな?
それはそうと、パパに気に入って貰う食べ物、砂糖を使うもの、何があるかな?
悩みつつ、甘さに喉が渇いたボクは飲み物を頼む。
少し酸っぱい薄ーい果実水だ。
あー、スッキリ。さっきの甘さが無くなったよ、ずっと口の中に甘ったるさがあるのは辛いから、甘さが取れてよかったよ。
ん?果実水、果実。これは何?
「ね、この水は何で作ってるの?」
「これは酸っぱいミカンの果実を絞ってうすめてますよ。暑い国にはピッタリでしょう」
って、それだよ。




