215話 黒糖を作ろう!エルフの里にはシュガー竹がいっぱい
「ゴードンいるー?」
「坊ちゃん、いらっしゃい。カマチョから木の枝を大量に預かってますです。あれをどうするんですかい?虫が寄ってくるって聞きやした」
「あ、あれね、きっと砂糖、どっちかっていうと、黒砂糖だと思うの」
「砂糖に、黒砂糖ですかい?なんです?」
「あのね、砂糖は甘いの、美味しいの、ボクを信じて」
「坊ちゃんの美味しいは、嘘がねぇから大丈夫ですよ、さてこれをどうするんですかい?」
ボクはあの本の内容を思い出しながら指示を出す。
《《シュガー竹は潰しながら汁を取りなさい。》》
潰すのは今度考えるとして、別の方法でやってみよう。
「まずは、洗って、表面の皮をむいて欲しいの」
「わかりやした。」
「おい、お前たちも手伝ってくれ」
みんな、率先して作業に取り掛かってくれた。山ほど積まれたサトウキビ、ここではシュガー竹を料理人たちが皮を剥いていく。初めは苦戦していたけど、だんだん慣れてきた様子。
匂いもサトウキビで間違いない。
早る気持ちでワクワクする。
甘いの欲しかったんだよねー。
嬉しーい!
ほぼ皮を向き終わりそうになって、手が空いてきた料理人達に今度は細かく切ってもらう。その間に、セバスを呼び出した。
「カイト坊っちゃま、お呼びだと聞きましたが、どのような話でしょうか?」
セバスと言えば、エルフ。
「ちょっとセバス、セバスとマールが夫婦で、2人ともエルフだったのー?知らなかったのー、教えてくれても良かったじゃないの?」
「申し訳ありません。黙っていた訳ではなくて、伝えるタイミングがなかったのですよ。」
「そう言われたらそうよね。責めてる訳じゃなくてね。なんか知らなかったのが、なんか残念だったの」
「そうでしたか?今度時間があればゆっくり話してみましょう。」
「うん、ぜひお話ししたいな。その時はよろしくねっ。あとマールと夫婦で愛を囁いてるってとこも、もうちょっと詳しく!」
ボクはちょっと揶揄いたくなったよ。
「え?よろしいのですか?私たちの惚気を話せば長くなりますよ?軽く1ヶ月は寝ずに語れますけど?」
やー、やめてー、それはしんどい。
「うん、やめておこうかな」
「そうですか、残念ですねー。ま、いいでしょう。さて、今私が呼ばれた理由を聞いても?」
「あ、そうだ。あの、今、小さく切ってくれてるあの小枝を、魚骨みたいに細かく砕いて欲しいの、お願いしていい?」
「さっき、ここに入ってきた時から甘い匂いがしていましたが、もしかしてシュガー竹でしょうか?」
「え?このシュガー竹を知っているの?」
「はい、エルフの里にはたくさんありますよ。お腹が空いて食べるものが無かった時にそれを齧りながら過ごしました。けど、これはエグ味も強いし、青臭くてあまり美味しいものではありませんでした。」
ちょっと遠い目をしたセバス。
なんだか少し寂しそうだ。
「なんかあったの?大丈夫?ボク、なんか悪いこと聞いちゃったらごめんね」
「大丈夫ですよ。坊ちゃんは何も悪いことは聞いていません。そんな顔をしないでください、ねっ」
「わかった。」
ボクは話を変える。
「じゃあね、これ粉々に砕いて」
「わかりました。では、いきますよ」
よかった、いつものセバスだ。
ガガガガガ、キュルキュル、ザーザー
ガガガガガ、キュルキュル、ザーザー
本当にあっという間に粉々だよ、すごいね、セバスすごい。
残りのシュガー竹もあんなにあったのにセバスの風魔法で粉々なっていく。
その間に、キレイない布と、 漉し器と円錐形で底が丸い大型の鍋を用意してもらう。
粉々になったシュガー竹を布に包み、両側から絞ってもらうと、甘い香りのトロッとした緑の汁が鍋に落ちていく。
何回か繰り返し、全く汁が絞れなくなったところで、粉は別容器に移し、また布にシュガー竹を包み、絞って貰うことを繰り返した。
絞ったカスは鳥たちのエサに混ぜてあげよう。たしか肉質があがったはず。




