213話 虫がいた、シュガー竹発見!
アリは虫が気になるんだね。
ボクはマールとセバスがエルフだった事が気になるよー。本当は屋敷に戻ってマールとセバスに色々聞きたい。そんな雰囲気じゃなかったからね。ボクの聞きたいことは後回し。ガマン、ガマン。
ん?エルフは本で知ったよね。本は日本語で書かれていた。日本語の本は2冊あって。
そうよ、2冊目だ。忘れてたよ。
《求めるものはすぐ近くにある。見落とすでない。見間違うな。目を凝らして見よ。虫が列をなしているだろう。》
虫だ!
《虫に問いなさい。「この草は甘いか?」そうすると虫はこう答えるだろう。「この草は甘くないさ」虫が言うのは事実である。》
草だ、そうだ。この虫たちはどこに続いてるの?
「坊っちゃま、どこに行かれるのですか?」
「カイトちゃん、急におばあ様と離れたらだめよ、危ないわ」
目が届くところでボクが止まったし、その先にはカマチョがいるからか、ルーク団長たちは慌ててない。
「大丈夫よぉ、ちょっと確かめたいことがあったから」
ボクは虫の列を確認しながら虫たちの先頭を探す。それは畑の端の方にあって、カマチョがその枝を切り落としているところだった。
もしかして、これってサトウキビじゃないの?
「カマチョ、何をしているの?」
「ああ、坊っちゃん、久しぶりですな。なんかあの肥料を撒いてからこの雑草が生え始めて、すぐに伸びるんですわ。なんか虫がよく寄ってくるからこうやって切り落としてましてね。放置してるとこの有様でさ。」
今切り落としたばかりのようで、その先はうっそうと生えている、なんならそよ風にサワサワなびいている。
ボクの頭の中にはあの言葉が蘇る。
よし確かめるよ、虫さん返事して。
「この草は甘いか?」
虫に聞いても無視される。なんで?
「この草は甘くないさ」って返事が帰ってくるんじゃないの?
あれ?なに?何が違うの?
本には、あ!《《日本語で書かれてた》》よね。日本語じゃなきゃダメとか?
ボクはこの世界に来て初めて日本語を使う。
「《《この草は甘いか?》》」
「《《この草は甘くはないさ》》」
きたー。返事きたー。やばいやばい。
しかも日本語ー!!!
後、次なんだっけ?えーっと、えーっと、そうだ。
「《《幹は甘いか》》」
あの本に書いてあった通りだ。
《《そうすると虫は返事をしない。無視だ、虫だけに!!》》だったよー。
なんなのー?虫たちに無視されたよ。
さっきは返事してくれたのにっ。
多分、見た目はサトウキビ。こっちではシュガー竹。シュガーだから砂糖だよね。
姿形は幻だって言ったのは、雑草に見えてるって事じゃないかな?
うそ。今まで無かったよ?どうして急に生えてきた?
そんな事より、砂糖が手に入ったかもー。
「カマチョ、これね、絶対に捨てないで。ボクが使うから、綺麗に洗ったらこれくらいの長さに切ってゴードンに預けてて」
「はあ、いいんですか?虫が寄ってくるばかりの雑草でさ」
「うん、いいんだ。とりあえず、全部だよ。これから生えてくるのは多分刈り取らずにカマチョの背の2倍くらいになったらボクに教えて。」
そんなやり取りをした頃。
「どうしたの、カイトちゃん。この雑草使うの?」
「おばあ様、今は内緒です」
「そう?分かったわ。虫がいるから私は遠慮するわね」
おばあちゃん忘れてたよ。とにかく一応はおばあちゃんのお世話は終わりたい。
「おばあ様、お腹すきませんか?おじい様に食べていただいた料理をぜひおばあ様にも味わって頂きたいです。すごくオススメです。」
「そうね、そういえばお腹も空いたわ。では一旦は屋敷に戻りましょ。ここは臭いも気になるから、早めに屋敷に戻りましょう」
あー、鶏糞からなんからあるからね。おばあ様は苦手かも。いいじゃん。よし、屋敷に戻ろう。
鳥小屋では賑やにピヨピヨ、コケココの大合唱が聞こえて賑やかだ。
「では、戻るわよ」
と両手にボク達と手を繋いだおばあ様は少し急ぎ足で歩いてる。よっぽど臭かった?
それよりも、砂糖かもしれない物を見つけた。ボクも気が早るよ。さあ、屋敷に戻ったら実験しなきゃ。




