212話 王妃おばあ様は両手に孫でご満悦
「カイトちゃん、なんて素敵なこと」
「ねぇ、アリアーナちゃんはまだかしら?」
「もう間も無く準備が整うかと思います。」
「そう」
メイドたちがおかわりの果実水を配り終わる頃。
コンコン
「マールでございます。アマナ様とアリアーナ様をお連れしました」
「ああ、入ってくれ。」
「陛下、王妃様、お久しぶりでございます。」
「お初にお目にかかります。アリアーナですっ」
「おぉ、アマナ元気にしていたか?久しいのー」
「御二方もお元気そうで何よりでございます。」
「まあまあまあ、可愛らしいお姫様だわ。アリアーナちゃんね」
「はい、アリアーナです」
アリ、ちゃんとご挨拶できてえらいね。
みんな、アリを見てデレってるー。うんうん、可愛いもんね。
あれ?陛下のおじいちゃんと、王妃のおばあちゃんが泣いちゃった?
「天使だわ。カイトちゃんも可愛い子だけど、アリアーナちゃんと並ぶともう天使だわ。男の子もいいけど、女の子もいいわね。2人とも可愛い過ぎるわ」
「ああ、そうだな。こんなに孫がかわいいなんてな。しかも2人だ。嬉しすぎだ。なんでこんなに幸せなんだ。」
「父上も、母上も、泣かなくたってよくないですか?」
「だってやっと会えたんですもの。抱きしめてもいいかしら?」
「「はい」」
祖父母に交互に抱きしめられ、アリとボクはなんだか照れ臭い。
「アリちゃん、紹介が遅れたな。パパの父上と母上だ。お前のおじい様とおばあ様だ。そして、この国の陛下と王妃だ。」
「ん?おじいちゃまと、おばあちゃま。アリの?」
「そうだ。」
「ふーん。」
いやいや、アリちゃん、もっと興味を持って。陛下よ、王妃よ。
「あのね、アリ。おばあ様が、アリとお兄ちゃんと一緒に散歩に行きたいんだって。ちゃんと手を繋いでお散歩行ける?うちのお庭を案内できる?」
「うん、できるの。おばあ様、お散歩いきまちゅか?」
「ええ、行くわ。連れて行ってくれるかしら?」
「はい、では、お兄ちゃまとアリが案内ちます。いきますよ」
人見知りしないんだなー。アリ、もうおばあちゃんと、手を繋いでる。
「カイトちゃんも、ほら」
「はい」
ボクはアリとおばあ様と3人でお庭にお散歩に行くことになった。
マールやルーク団長も見守り隊だ。
最初に行くところはヤシの木の並木道。柔らかな春の日差しが降り注いでお散歩には凄くいい。そこに両手にボク達と手を繋いだおばあ様は凄く幸せそうに笑ってる。
「お散歩いいわね。」
「「はい」」
ヤシの並木道の間にはハイビスカスが彩っていてとても綺麗だ。我が家の自慢の庭だね。ヤシの並木道から横に行くといつも歩いてる場所へ。
「あら、鳥ね、元気な鳴き声ね。鳥を飼っているの?」
「はい」
「カイトちゃんもアリアーナちゃんも敬語なんて使ってないで普通にお話しして。敬語だなんてよそよそしいわ」
「うん、いいの?」
ちょっと苦手な敬語を使わなくていいって言われたアリは嬉しそうだ。
「あのねー、鳥さん達いっぱいだよ。ビービーとダブルジーと、ベリデリなの。ひなちゃんもいっぱいいるの、かわいいよ」
「そうなの、名前がついているのね。アリアーナちゃん、教えてくれてありがとう」
その後はボクが説明をする。
「おじい様から、このマーシュ領のことはどんな風に聞いているの?」
「あの人は私には隠し事ができないから色々聞いてるわ」
ならとボクが鳥たちの説明をしている。
ベリデリも卵も美味しくてこれからの産業にしていく予定だと。そして畑に沢山実をつけた野菜に目を輝かせておばあ様はボクの話を聞いてくれた。アリはいつの間にか地面にしゃがんで何かを見ている。
ボクは話終わると、アリがみているのが気になった。
「アリ、何見てるのー?」
「えーっとね、虫さん達、いっぱい。ずっと向こうまで続いてるの」
虫?なんだろ?アリかな?アリが《《アリ》》を見つけたのかな?
「アリ、この虫たちが気になるのー?」




