211話 王妃おばあ様はめんどくさいかも
「それだけではないわ。その当時無かった《《図》》を書いて説明をしたの。無かった物を、生み出したの。すごいでしょ?」
うそ!それってもしかしたらボクみたいに転生者がいたってこと?
「どう?驚いたかしら?」
「はい、驚きました」
「当時《《無かった物》》を《《生み出した》》のよ。カイトちゃんに似てるわね」
「母上、なにが言いたいのです?」
え?パパどうしたの?険悪ムードよ。
「ダウニー大丈夫だ。心配せんで良い」
「しかしっ、父上にも申し上げました。私の大切な我が子をどうにかするおつもりなら、容赦しません。」
「あらやだ、ダウニー、怖いわね。あなたの〝孤高の大魔王〟の話の通りね、怖い、怖い」
「母上」
「あのね、ダウニー。昔からあなたは少し考えが先走り過ぎるわ。あなたは母を疑うの?あなたを愛している母を疑うのですか?」
待って、待って、急に話が怖いよ。
パパも怖いし。
「ほら、カイトちゃんが怖がってなにも言えなくなってるじゃないの」
「ああ、ごめん。カイト、パパは怒ってるわけじゃないぞ。心配しなくていい」
うん、大丈夫。そんな意味を込めてパパの手を握ると軽く握り返してくれる、安心するね。
「ダウニー、はっきり言うわ。この子を王家に預けなさい。」
「嫌です。そんな話をしにきたなら、もう話す事はありません。今直ぐお帰りください。」
ボクもやだ。この家がいい。
やだ、やだ、やだ。
「ああ、カイト、泣かなくていいぞ。パパは何があってもカイトを離しはしないぞ。カイトはずっとパパとママのそばから離さないからな。」
「うぐっ、ゔん、やだ。ボクはパパとママのそばがいい。離れるのやだ。やだよー、わーんっ、やだ、やだ、やだぁー」
「もう、帰ってくれ」
パパはすごく怒って、ボクを抱き上げ守るように抱きしめてくれて、そんなパパにボクは必死にしがみついた。
「全く、お前はいつも言葉が足らん。」
「違うぞ。心配ない。ダウニーからカイトを取り上げたいわけじゃない。ほら、さっきも言っておったじゃないか。みんなに孫自慢をされるとな。王妃もカイトを連れて孫自慢をしたいんだよ。うちの孫も可愛いでしょ?お利口で頭が良くてね、いいでしょうってな」
「だって、私だけいつも話を聞かされてばかりだもの。孫自慢したいわ。こんなに可愛いんですもの。みんなに見せびらかせたいじゃない。見てもらいたいのよ。」
「カイト、悪かったな。これは違う意味で驚かせちまったな」
「ごめんなさいね。カイトちゃん。パパとママのそばから離したい訳じゃないから、言い方が悪かったわ。おばあちゃんを許してね。あなたを守る事は全力だけど、あなたが嫌がる事はしないわ。ただ数日そばにいて欲しいだけなのよ。みんなにお披露目して自慢したいだけなの。だめかしら?」
「はー、母上は紛らわしい。最初からそう言えばよかったじゃないですか?それと、孫はカイトやアリアーナだけじゃない。兄上のとこにもいるではないですか?」
「ジルバートのところは生まれたばかりよ。連れて歩けないじゃない。」
「それに比べたら、カイトちゃんも、アリアーナちゃんもちゃんと歩けるわ。両手に孫を連れてお庭を散歩したいと言う母のささやかな願いを叶えてくれてもいいじゃないっ」
「母上、泣き真似はいけません」
なんかおばあちゃん、面倒いな
「カイトの誕生日には王都に行きますから、その時にお庭を歩いたらどうですか?」
「カイトちゃんの誕生日に合わせてイカルダの女神様の祝福受けても、その時王都にはアリアーナちゃんはまだ連れてこないのでしょ?」
え?そうなの?
「アリアーナは、アリアーナの5歳の誕生日に王都に連れて行きますからその時に、《《両手に孫連れてお庭でお散歩》》すればいいじゃないですかっ」
「ダウニー、母は孫に合うのに5年も待ったの。これ以上待てと言うの?」
うわー。めんどくさい。
しょうがないな。
「おばあ様、今日これからボク達のお庭に行きませんか?アリアーナとボクでおばあ様を案内します。もちろん、お手手繋いで」




