205話 ママとの衣装合わせは大変です
「カイくん、昨日の疲れはない?大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
「あら、そう?ならいいけど、さっきから上の空じゃない?」
「そんなことないよ」
「あら、これもいいわね。金のラインが映えるわ。でも、カイくんには紺も、黒も似合うのよね?迷うわ。」
「ママが選んでくれたならどれでもいいよ」
はー、あと何時間かかるのー。
もう2時間はこうやって僕の5歳のイカルダの女神様への祝福を貰う時、そして誕生日パーティーの衣装を選ぶってママが悩んでる。
お洋服屋さんは、一生懸命おすすめ中。
ボクは、正真正銘、お疲れ中。
でも全部ボクのためだから、頑張らないと。ふーっ。
「カイト坊っちゃま、あの深緑の上下も良かったわね」
「ええ、お似合いだわ。けど奥様は、カイト坊っちゃまの紫の髪に緑の上下は「草花にしか見えない」って言ってたからダメね」
「奥様面白いこと仰るわ。だめ、次から緑の衣装は草木にしか見えないじゃない」
「そうね、茶色の衣装に緑の髪ならもう木にしか見えないわ。体の大きな人なら尚更よね。」
ちょっと、そこのメイドさんたち。
やめてー。可笑しい、笑える。
ママは衣装選びに夢中だから聞こえてないと思うけどさ。
「なんかこうやって見るとカイトお坊ちゃま、お兄ちゃんになったわね。おしゃぶりしたりしていた頃が懐かしいわ」
「オシメをしていらした時も懐かしいわよね。あのモコモコのお尻可愛かったわ」
ちょいちょい、そこのメイドさん達。
そこは思い出さなくていいの。
「アリアーナお嬢様とも仲が良くて。ほらいつだったか、カイトお坊ちゃまの顔にアリアーナお嬢様がお座りになって、その時アリアーナお嬢様がオナラをした時があったじゃない?あの時の《《無》》になっている時の顔が今の表情と一緒だわ」
「カイトお坊ちゃまは、たまにぼーっとしている時があったわね。今思えばきっと色々なこと考えてたんだわ。なんかよくわからないけど、カイトお坊ちゃまかなり賢いって聞いたから、きっと今もなにか考えているのだわ」
「あの顎を少しあげて、目を細める時があるじゃない?あの時の流し目?もう可愛いの。きっと旦那様の癖を引き継いだんだわ。旦那様がすると怖いけど、カイト坊っちゃまがすると、何故が可愛いのよね」
「毎日推しと共に、推しのそばにいられる幸せはありがたいわよね」
ちょっと、ボクがメイドさん達を咎めようとした視線にもキャーキャーしてるのどうにかならない?ま、害はないんだけど。
「カイくん、やっぱり髪色に合わせた紫のカラーを使った衣装にしましょ。赤紫のズボンに横に金のラインが入ってて。シャツも薄い赤紫ね。ベストとジャケットは青紫でどうかしら?あら、これも素敵ね」
ちょっと疲れたから終わりたい。
「ママ、ボクはこれがいい」
「わかったわ。自分が着たいのを着るのもいいわね。うん、ふふふ、素敵よ。」
良かったー、やっと終わるー。
「じゃあね、次はお誕生日パーティーの衣装を決めるわよ。」
えー、まだ続くのー!
「ママ、ボクねママに決めてもらいたいの。それを当日の楽しみにしたいのよ、だからあとはママに任せていい?」
「あら?いいの?」
「うん」
「わかったわ、ママが選んでおくわ。」
よしっ!さっさと逃げよう。
「じゃ、ボクはパパの執務室に行くね」
ママと仕立て屋さんやメイドさん達におまかせしてボクはパパの部屋に向かう。
「パパ、カイトです」
「ああ、入れ」
「何してるの?」
「ああ、今な、祭りの収支をまとめておるのだが、バラバラで時間がかかっているんだよ。まずは仕分けをだな」
「収入から支出を引けば利益になるよね?」
「ああ、そうなんだか、膨大な量でな」
「パパ、少し見せてくれる?」
あー、紙を1枚1枚、足して、引いてと繰り返しているのか?それだと、1つ間違えたら大変。
「ねぇ、パパ、表にまとめないの?」
「表、とはなんだ?」




