199話 ビストロの用紙と祭りの終盤
「カイト、カイト、起きなさい。こんな所で寝ていたらダメだぞ。疲れたのか?屋敷に帰るか?」
「あ、パパ、おかえりなさい。大丈夫、少し寝れたから元気よ。そう、グランドメゾンはどうだったの?」
「ああ、みんな美味しいと好評だったぞ。オープンが待ち遠しいのだと言っていたな。」
アーシャの事は祭りのあとに伝える事にするか。
「良かった!ビストロは?ボク見に行きたい、ダメかな?」
「そうだな。では、店の外から様子を見てみようか?」
「うん」
ボクはパパと一緒に馬車でビストロが見える位置に移動した。店の入口も、テイクアウトの窓口も人が並んでいる。それぞれにスタッフが配置され、大声でちゃんと並ぶように案内を繰り返している。
ビストロから出てきた人達の顔は凄く笑顔で、テイクアウトの窓口にはメニューを選んでいる者、会計をしている者、買った食事を受け取って去る者、それを見ている者でごった返している。
みんな笑顔だ。
ボクらの馬車に気づいた人達は一礼をしながら、去っていく。
「領主様、トマートゥがこんなに甘いもの初めて食べました。凄くおいしいです。」
「領主様ー、ガリガリクゥー焼き鳥最高です、なんか元気になりましたー」
「領主様、わしはおかわりしましたぞー」
「領主様、美味しい料理出してくれてありがとうございます。これから毎日通いますねー」
「毎日ったってお前、お金足りるのか?」
「俺は焼き鳥の為なら1日働くぞ」
「トン汁って本当にとんでもなく美味いです。オラ、3杯目だ」
「イカルンスミミソ汁も濃厚だー」
「なんだ、おめえ。歯が真っ黒だ。がはははっ笑えるぜ」
「「「「「「あははははっ」」」」」」
沢山の声掛けに手を振り、頷きながらと返事をする。
良かった、ここも大繁盛だ。
さっきの声を聞いた人々が振り返り、また1人、また1人と列に並んでいく。
うんうん。みんなに喜んでもらえて良かった。
「さぁ、そろそろ祭り会場に戻るか」
「うん」
行き以上に混雑でかなりゆっくりペースだけど、パパと二人だから気が楽だ。ボクは窓の外を見ながら、祭りが成功したんだなー。みんな喜んでもらえて良かったーって思う。振り返りパパの顔を見ると満足そうに、微笑み返してくれた。
さぁ、祭り会場はどうなっているかな?
賑やかなというより、雄叫びにしか聞こえない。だいぶ盛り上がっているようだ。
「みんなー、今日は盛り上がったかー」
セバスだ。
「「「「「「「おーーーっ」」」」」」」
野太い声の大合唱だ。
「いよいよ、個人戦、団体戦の〝決勝戦〟の開幕でーす」
「「「「「「「「ウォー」」」」」」」」
凄いね。セバスも頑張ってるね。
ボクもパパも拍手で応援する。
貴族席もほぼ全員が戻ってきている様だ。
空いている席はご婦人方、グランドメゾンで食事中なんだろう。
決勝戦は白熱した戦いだった。
みんな真剣に応援し、選手達は誰もが力いっぱい頑張っている。
綱引きは、青チームがオレンジチームに僅差で優勝、ピンクが準優勝だ。
アスレチックは緑が余裕で優秀し、茶色が準優勝となっていた。
個人戦は、小柄だけど細マッチョのお兄さんが優勝。準優勝はゴリマッチョのお兄さんだけど、決勝戦で怪我をしたらしく救急隊に運ばれて行った。
優勝者には金額5枚に、副賞として3ヶ月分のビストロ食事無料券。
準優勝者には、金額1枚に、副賞として1ヶ月分のビストロ食事無料券。
受け取ったそれぞれの覇者たちはみんな笑顔で騒いでいた。
「みんな、祭りは終わりだー」
「「「「「「「「「ブーッ」」」」」」」」」
みんな笑いながら、親指下にNGサイン。
「みんなー、楽しかったかー」
「「「「「「「おーーーーっ」」」」」」」
「みんなー、また祭り、やりたいかー」
「「「「「「「「おーーーーっ」」」」」」」」
「では、次回、あると思うかー」
「「「「「「「おーーーーっ」」」」」」」
「ありがとうございます。初めての企画の祭りでしたがお楽しみ頂けたと思ってます。我が領主、ダウ二ー様に代わりまして皆様に御礼申し上げます。お貴族の皆様、またご来場の皆様、ありがとうございましたーっ」
大きな拍手と激励の中、祭りは終わりを告げた。




