197話 カイトの転移魔法
シュン!
あれ、出来た。
「なぬ?」
「はえ?」
「はあ?」
みんな、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してるけど。
「カイト、お前、いつから転移魔法使えるようになっていたんだ?パパはきいてないぞ」
「え?ボクも今、おじい様の話を聞いて、出来るかな?って試してみたの。そうしたらできちゃってびっくりしたー」
「がはははっ、これは参った、もう笑うしかないな。いやいや、カイト、お前は転移魔法まで使えるのか。いやー、さすがわしの孫。もしかしたらカイトが1番わしに似ているのかもな」
「なんと、なんと、なんと素晴らしい。うちの娘は優秀な子を産んでくれた」
「我が家の血筋が良いのだな。」
「いや、私の血筋でしょう」
「まあまあ、お2人から立派な血筋をこの子は受け継いでますよ」
「ああ、そうだな。」
「カイト、体調は大丈夫か?無理はするな」
なにがあってもパパはボクを気遣ってくれる、嬉しい。
「パパ、大丈夫みたい。ありがとう」
「お前の息子は秘密がいっぱいだな。この子を大事に育てなさい。」
「はい、もちろんです。この子も、あと娘も私には大切な我が子です。大事に育てます」
「あい、わかった。」
「さて、わしらはそろそろ帰るとするか。あー、あとダウニー、城から料理人を寄越すから、お前たちのその料理を学ばせてはもらえぬか?お前の母や兄家族にも、この美味いものを食べさせてやりたい」
「構いませんよ。ただ持って行けない食材などありますので、出来たらこちらのコース料理をお召し上がりにいらして欲しいとは思ってます。」
「ああ、わかった。そう伝えよう」
「ダウニー様、私の方も屋敷から料理人を預けてもよろしいでしょうか?よろしければ妻にも食べさせたい」
「義兄上達はよろしいので?」
お、ママにはお兄ちゃんが何人かいるんだね。
「ああ、あいつらはアマナを溺愛しておるからな。アマナをさらったと言ってダウニー様のお顔は見たくないようですよ。全く困ったものですよ。最近やっとルンドが婚約しましてね、サルス侯爵家の婿に入ることを予定しております。しかし、あとはナンドですが、あやつは嫡男の自覚がなくて困りますよ。子をなさなければ内孫が出来ません。ナンドが結婚して跡取りが生まれなければ、ルンドはいつまでたっても結婚できないのが困ったものですよ。」
「ん?」
「ああ、カイトは理解できてないな。まず家を継ぐのは長男だ。長男に子どもが生まれ跡継ぎとなるんだ。」
「しかし長男に子どもがいない場合は、次男が跡継ぎになる。または次男の次男が跡を継ぐことになるな。」
「次男の長男ではなく?」
「ああ、次男の長男は、その次男の家を継がなきゃいけないからな。」
あー、なるほど。沖縄と一緒じゃん。
大変だねー。世継問題。
「王太子に最近子供が生まれたな。生まれるまでは、世継をどうするか問題だったぞ。」
そんなことがあったんだー。色々大変よね。ボクはのほほんと暮してたねー。
まあ、貴族の色々は5歳から学べばいいから、これからだね。
「さあ、話はこれまでだ。ダウニーもカイトも頑張りなさい」
「ありがとうございます」
「ダウニー様、カイト様、では失礼します」
「やっと行ったな」
あはは、パパ疲れちゃった?
なかなか面白いおじいちゃん達だった。
さあ、次は貴族側のグランドメゾンに挨拶だね。
「カイトはそこにいなさい。お前は貴族側に顔を出さなくて良い。この料理の発端がカイトだとはあまり知られたくないからな。」
パパはボクを残してグランドメゾンに向かった。代わりにルーク団長が居てくれる。
陛下と宰相が来たんだ、突然の事で驚いたよね。そして、2人がボクのおじいちゃん達だって事も驚いたよ。
今、なんだか少し息抜きできてるかな?
色々忙しかったもんね。
気が抜けたからかボクはいつの間にか寝ていたようだ。
「カイト、カイト、起きなさい。こんな所で寝ていたらダメだぞ。疲れたのか?屋敷に帰るか?」
「あ、パパ、おかえりなさい。大丈夫、少し寝れたから元気よ。そう、グランドメゾンはどうだったの?」




