193話 アラカルト料理
いや、あの、違うのよー。
ボクを拝まないで、ねっ、ねっ。
「それなら納得だ。イカルダの女神様からの祝福を受けたことになるのか?さすがだ。だから見たことも、聞いたことも、食べたこともない、色々。そうか、カイトが、…そうか。」
陛下のおじいちゃん、考え始めちゃった。
隣で、宰相のおじいちゃんまで考えてしまった。
どーしよー。王都に連れていかれて、軟禁されて、死ぬまで働かされる、なんてないよね。
「カイトのこの事は、誰が知っているんだ?」
「家族、屋敷の一部のもの、騎士団もごく一部のものに限ります。あまり広く知られてカイトが攫われたり、……したら困ります。」
なに、パパ、一瞬の沈黙なに?
怖いんだけど。
「たしかに、こんなに可愛くて、天才で、イカルダの女神様からの祝福を受けている子は狙われますね。させませんけど。」
なんか宰相のおじいちゃん、顔が悪くて怖い顔になってるよ。
「ああ、わしの可愛い孫を拐うなんてあってはならん。そんなこと考えた時点で打首だ。」
え?そっち?
「素晴らしいぞ、カイト。この地を豊かにしなさい。いずれおまえが引き継ぐ事になるんだ。豊かにして、大きくして、王都にしてしまうか?そして、わしもここに引っ越してくるかな?」
あはは、陛下、ご冗談を!だよ。
「とにかくだ。今回の全てにおいて、これからこのマーシュ領は発展していくだろう。十分に注意しなさい。」
「はい、父上。父上、義父上、どうかカイトの事をよろしくお願いします」
パパありがとう。ボクからも
「陛下のおじい様、宰相のおじい様、ボクを守って下さい。よろしくお願いします」
「「はぅ」」
「うちの孫は可愛い」
「うちの孫でもありますよ、可愛いですねぇ~」
「とにかく、話はつもるがまたゆっくり話そう。それはそうとコースとやらは肉だけか?まだ腹に入るんだが、別のものはないか?」
ん?なんか忘れてる?ん?肉だけ?
あー、忘れてたー。ホッタテの味噌焼き、ポテイトゥーチップスあったー。
「アラカルトとしましてホッタテの味噌焼き、ポテイトゥーチップスがあります」
ボクはすっかり忘れていて、ボクの話しでパパも、あっ!ってなってたから、パパも忘れていたよね。
「なんだ、アラカルトとは?」
「追加のお料理です。コースでお腹を満たす方、特にご婦人方にはあれくらいで満足いただける内容ですが、もう少し食べたい方に追加で料理を選べるメニューです。」
「なるほどな、アラカルトか、よし、何があるのだ?この際だから、全部持ってきなさい」
全部?って程もないけど、あ、あのトン汁とイカルン味噌汁も出しちゃおうか?
あとは、ポテトフライ。
「ボクが注文してきます。お待ちください」
「なんだ、給仕に任せるのではないのか?」
「えっと、そう、ボク、お花摘みに行きたいから失礼してもよろしくですか?」
「ああ、そっちか、行ってきなさい」
「はい、では失礼します」
ボクは急いでゴードンの所へ行く。
厨房は、ビストロとグランドメゾンの忙しさで目が回る感じ。その中でゴードンを探し出す。
「ゴードン」
「いかがですかい?どうされましたので?」
ボクは小さい声で、お忍びで陛下と宰相が来ていること。コースは食べ終わり、別で追加の料理を全て出すように指示を受けたことを伝えた。ゴードンは驚きはしたもの追加の料理は最優先にすると言ってくれた。
トン汁、イカルンスミミソ汁、ホッタテの味噌焼き、ポテイトゥーのフライ、ポテイトゥーのチップスを出すことをお願いした。ミソを出すのは初めて、ミソ料理が3つになるし、ポテイトゥー料理も揚げ物で揚げ方や切り方が違うだけ。
今はそれしか………!! デリベリのフライがあるじゃないか。
その全部を作って、グランドメゾンの個室に持って来るように頼んでから、また個室に戻った。
「なんだ?カイト。長かったな。」
ん?違うよ。大きい方じゃないからねっ。
「ちょっと厨房《《も》》見に行って来ました。凄く忙しそうにしてました。」




