191話 陛下の瞑想タイム。陛下の食事を狙う宰相
さて、今回のこの料理よ。どうやって作るのだ?これまで薄塩味しか食べてこなかったわしらのこれまでの食事はなんだったんだ?どんなに凄い料理人がいるんだ?ゴードンは王宮料理人から抜擢して、ダウニーの土地に遣わしたのはわしだ。
あやつにこんな美味い料理を作る腕があったのは驚きだ。なんか、もったいない事をした気もするが、これも息子家族が幸せなら、まあ、良いかとも思えてしまう。
さてと、あとはどんな料理が出てくるのだ?
さっきから王家の影たちが喉を鳴らしておるだろうな。悪いが、我慢だ。
さて、わしの孫だが。ものすごーく可愛い。抱きしめて頬擦りして、キスをしたい。なんて可愛さなんだ。
ダウニーの幼い頃も可愛かったがあやつはやんちゃ過ぎたし、どちらかと言うと男の子って顔をしておった。
けれども、カイトはなんだ、目はぱっちり、まつ毛はクルンと上向きに巻いておる。鼻筋通って、お口も可愛らしいピンク色、女の子のような顔立ちをしてるのう。まだ幼児のあの可愛らしさは、大人を虜をする、罪よのう。ただ可愛いだけではない。
頭も良い。見知らぬ私から声掛けした時の対応。わしのこんな格好なら自分より目下だと思って横柄な態度をとる貴族の奴らが多いのだが、そんな態度は一切見せずに敬語を使っておった。相手がどんな人かわかるまでは、子どもが大人に対する敬う態度は好感が持てる。
話し方も良いな。
よく教育されておるな。たしかマールだったな、あやつもいい教育をしおる。
王太子のところの孫にもあのような教育が出来たらいいのだがな。
ダウニーの周りでは、何が起きておるんだ。驚くことばかりだ。これまでダウニーの領を見守っておる影から、街の様子は特に変わらなかったが、ある時を境に騎士団の訓練がきつくなったと報告が上がって来たな。隣国がきな臭いからか訓練にも力が入ったかと思っておったが。
そこにだ、マーシュ領で何やら祭りとやらを開催すると聞いて気になり来てみれば、見るもの、聞くもの、食べるもの、どれも驚かされるものばかりだ。
これは、もう少し深く話を聞かなければならないな。いづれは我が国に大きな革命が起こるかもしれん。いや、もう賽は投げられたからな。これからどう発展していくのか?見物だな。
「次の料理がまいりました。陛下、起きていらっしゃいますか?」
「そうですぞ、陛下、寝ていては私が陛下の分までお料理食べてしまいますぞ、さあ、この料理はなんでしょうか?食欲を誘いますね。黄色に赤のソース。彩りもよろしい」
あー、次の料理が来たのはわかっておる。
匂いがするからな。今までわしが食べてきた料理はほとんど匂わなかった。しかし、このコースの料理はさっきのスープから《《匂いがする》》のだ。あー、これもいい匂いだなっ。
さて、いただくとするか?
は?わしの前に、ない。どこだ?
「おい、アルフィー、なぜお前のところに2つ料理があるのか、聞かせてもらえるか」
「陛下がお休みになっていらしたので、だから私が食べますよーと今さっさお断りをしましたよ」
「いや、寝てなどおらん。考えておっただけだ。お前、昔から食いじはってるな。わしのを戻すんだ。ほらこっちによこせ」
「仕方ないですね」
なんか、陛下と宰相って関係より近い関係に見えるよ?
「カイト、あの二人は乳母兄弟でな。小さい頃から一緒に育って来て今はアルフィー宰相が陛下の片腕だ。今はプライベートだからあんな感じだ。しかも親戚だしな」
そうだったんだね。道理でね。
「そのまま寝ていても良かったですのに」
残念そうに陛下に卵焼きを戻す、残念な宰相。笑える。なんだか仲がいいね。
「だから、寝とらん。」
「さあ、食べるとするか?その前に料理の説明だったか?聞かせてもらおう」
「先程お伝えしたように、こちらは鳥の卵を焼いたものです。そこにトマートゥとガリガクゥーを使ったソースを掛けました。」
「ガリガクゥーとな。なかなか匂いがきついが悪くない。早速頂こう」




