190話 おじいちゃん達のグランドメゾン初めての食事
「お待たせ致しました。コースの1番初めにお出ししますのは、こちらでございます。トマートゥのサラダでございます」
「これは、これは、こんなものを出すのか?なにか?嫌味か?」
お?パパと陛下がバチバチなっちゃう?
「違いますよ。実は、品質改良されたトマートゥです。甘くて美味しんですよ。まずは食べてから文句を言っていただけますか?《《父上》》」
おわわわ、パパが陛下に文句は後でいえって。ちょいちょい、もっと優しくできない?
あとー、父上っ言ったー、やっぱり親子で間違いないんだー。なんか不思議。
「あい、分かった、分かった。食べてみようじゃないか…うぐぅ?」
「なんじゃー、この美味しさは?えぐみもなく、生臭くもなく。甘い、甘いぞ」
「陛下?美味しいのですね。私も、私もいただきます。…んぐぅ」
「なんと、なんと、なんてこと」
なんかなー?2人の反応すごいんだけど。
あっという間に無くなったよね?
パパそれを見越していたのね。
「続いては、スープでございます。まずは先にお召し上がりください。」
「うーん、これまた美味しそうな匂いだな。なんだ?いつものスープより匂いが強いな」
「はい、私も早く食べたくて仕方ありません。」
「では、頂こう。ゴクッ…ん、ゴクッゴクッ、なんだこれは?うまいっ。濃い、これはなんだ?ふわふわしたものも美味すぎる。薄くないぞ、薄ーい塩味なんてもう食べたくないぞ」
「陛下、すみません。待ちきれません。私もすぐにいただきますよ。ゴクッ、はぁー、口から抜ける美味さも逃がしたくない。そんな美味しさに相まって、心に沁みる」
あはは、もうおかしい。宰相のじいちゃん、なんか詩人ぽくなってる。
陛下のじいちゃんはガツガツワイルダーな感じ。
「2つめのスープは、鶏だし卵ふわふわスープです。料理法を変え、その前に鳥まで変えました。そのフワフワしたものは鳥の卵でございます。」
「なんだ?鳥まで変えた?どういうことだ?しかも卵だと?腹壊したり、体調不良になっていずれは死に至るものではないか!お前はわしを殺す気か?」
「まさか?それはありえません。あなたに生涯忠誠を誓った家臣でございます。」
「まずは味わって頂きたい。ここだけの秘密です。ある鳥を手に入れましてね。この鳥は特徴がありまして。」
「オスと交わってないメスが産んだ卵は食べても大丈夫な事が分かりまして、その鳥自体もかなり美味しいこともわかりました。」
「その卵を主に作る料理が次のメニューでございます。」
「このスープは実にうまい。濃厚な味わい、塩だけの薄いスープとは雲泥の差だ。なんというスープなんだ?」
毒が入ってないと知っての変わりよう、なんか俳優みたいだな。
「私も気になってました。このスープにぜひ溺れたいものです」
もー、面白いよ。ウケる。
「先程も申しました《《鳥出汁ふわふわ卵スープ》》でございます」
「そうか、美味いもんだな」
「さあ、次からは楽しむとしよう。次はその鳥の卵料理だったな。」
「はい、しばしお待ちを。」
久しぶりに会った息子はどうやらしっかり領主を務めているようだ。あの不毛の地とも言われ、10年前は酷い戦の後で見るも無惨な土地だったな。その時は民家がほとんどない地域だったから我が国の人的被害はほとんどなかったが、敵国の輩の屍がいくつもできていたというな。それに私の息子がかなり関わっていたのは驚いたものだ。
そんな場所に爵位を与え、土地を与えたのはこいつの統治力を養うためだった。
ある程度の街には出来るだろうとは思っていたがこんなに立派で平和な土地になるとはな。それだけではない。
あの祭り会場のカイチェアの整列、ロープ飛びの棒の間隔、旗を使ったあの飾りもキレイに等間隔に揃っていた。あれはどうやった?カイチェアなんて椅子の整列はあんなにキレイに並べるなんてかなり難しいぞ。
かと思えば、あの競技はなんだ?今までこんなものなかったぞ。誰が考えた?
ダウニーだけではないはず。1人でこんなに色々思いつくのは、きっと優秀な家臣《《達》》がいるのだな。あいつは家臣にも恵まれておるのだな。




