189話 宰相はママのお父さんで、ボクのおじいちゃん
会場が盛り上がりを見せる中、ボクたちは会場を後にした。
歩いても行ける場所だけど、馬車で行く。
表通りはかなり賑わっており、近いのに中々進まない。少しずつ少しずつ進んでる感じ。前にいる騎士団が人並みをかき分け、ボク達の乗る馬車を進めているかんじ。
歩いた方が早いんだけどねー。
ってボクは考えている。出来るだけ無になりたくて。
だって、右には陛下。左には宰相。
間にボク。向かいにはパパ。
《《おじいちゃん達》》は、誰がボクの隣に座るのかちょっと揉めて、パパがボクを2人の間に座らせた事でやっと馬車は出発。
2人はボクのおじいちゃんだけど、まだ認識が薄いから、どちらかと言えば陛下に宰相に挟まれている感じしかない、非常に緊張する。
「カイトはダウニーに似て、マーシュ家というよりも王家の髪色だな。」
「ですが、陛下、目は私と同じですよ、ほら、私とアマナと、カイトは同じです」
いや、2人して何をしているのかな?
なんかな?大丈夫?
「カイトはおふたりによく似てますよ」
ナイスフォローだね。パパさすが。
ボクをみてパパはウインク。
無駄に顔がいいからかっこいいな、もー。
「さぁ、お待たせしました。グランドメゾン・マーシュに到着致しました」
ルーク団長の声掛けで、馬車の扉が開き、先に宰相、次に陛下、そしてボク、最後がパパだ。
本来はボク、パパ、宰相、そして陛下の順だけど、陛下と宰相はお忍びで着ていてラフな格好をしているから先に降りるんだそう。貴族社会大変ね。
パパが案内をしながら中にお通しする。
個室は別階段からだ。お忍びにも対応できるようにね。
個室の中でも、一際広く、落ち着きのある調度品達。だけど決して質素って訳でもなくて、上品な感じの豪華絢爛だ。
ここでは陛下が上座。ボクが下座。
「さて、何を食べさせてもらうのかな?」
ワクワクしている陛下はなんだか可愛い。
「ああ、楽しみですね。ここが新しいレストラン。」
「はい、高級なレストランという意味でグランドメゾンとして、マーシュの家名は私たちのお抱えである事を表しております。」
「さて、メニューはどこだ?」
「メニューはございません。今回はコース料理となります。コースとはこれまで食べてきた食べ方とは異なります。どのように違うのか?これは1品頂き、終われば次の1品が出てきます。食事をゆっくりいただく事になっています。」
「ほー、料理を1品ずつ出すなんて、時間の贅沢ってやつかな?」
陛下、鋭いねー。やっぱり国のトップに君臨するだけあるなー。
「時と食事の贅沢ですかね。流石ですね」
宰相も気づいたみたい。おじいちゃん達さすが国の上層部。
「分かった、では何が出てくるかは教えてもらえるのかのー」
「一品づつ出てくるのを楽しんでいただきたいです。出てきた時に説明させていただきますがよろしいですか?」
うん、全部パパにお任せだ。
「あい、わかった。」
「楽しみですね」
メイドさん達、やっぱり陛下と宰相に気づいているらしく、手が震えてるよ、大丈夫かな?
「では、料理を出してくれ」
料理が出てくるまでの間、今回の祭りについていくつか質問された。
「あのアスレチックというのは中々楽しそうだな。あれは今回用意したのか?」
「いえ、違います。実は騎士団の訓練で使われています。しかし、あれはまだ優しい部類ですよ」
アスレチック中には石が飛んでくることを説明すると、えげつないと言いながら、このアスレチックは国技にするかとか話がいってびっくり。
たしかに俊敏性はかなり上がったし、動体視力もかなり向上したって言ってたな。
魔物との戦いがかなり楽になったようだ。
あとは、隣国の兵士の牽制にも役にたっているようで、なんなら追跡にも役に立っているらしい。
ボクは初めて聞く話に、驚いた。
平和に暮らしてばかりで、魔物との戦いや、隣国との小競り合いもあるなんて知らなかった。
ほふく前進で敵に見つからずに背後に迫り、足の腱を切り、動けなくしたとか、ちょっとビビる。
塀越えも楽になり、敵の屋敷に潜り込んだとか、もうなにー。ちょっと怖い。




