188話 陛下はボクのおじいちゃんでした
「2週間もかかっとらん。転移魔法ですぐだからな。近くの街まで転移して、あとは馬車で数時間だ。」
え?転移魔法で?気になる、楽しそう。
「ここには初めて来たから、ここには転移出来なかったが、今回やっと来たからな。次からはすぐ来れるぞ、ダウニー、喜べ」
え?そんなに来たいの?緊張するから来ないでー。パパとの会話、パパが不敬すぎてこわーい。
「お忙しいところわざわざお越しいただきありがとうございます。しかし、そう頻繁に来られたら国務が怠りますよ」
え?パパ、陛下に来るなって言ってるの?
大丈夫?怖い、怖い。
「ま、そう言うな。いつもお前ばかり顔を見せるだけだ。わしだってお前の家族に会いたいぞ。この子も、娘も、生まれたと報告だけで1度たりとも会わせたりしないだろ?もうすぐ5年だぞ。この子はもうすぐ5歳だ。」
「陛下、貴族が子どもを陛下の前にお連れするのは子どもが5歳になったイカルダの女神様から祝福を頂いた後のお披露目の時と決まっているではありませんか?私はその決まりに従っているだけですから何にも問題はありません」
「いや、ある。問題だぞ。わしが孫に会いたいと言って何が悪い?」
ん?孫?誰が?え?ボク?陛下の孫?なぜ?いつから?あ、産まれた時から?
「孫って?ボクのこと?」
「あ、カイト。カイトのことをちゃんと紹介していなかったな。こちらは陛下。そして私は陛下の次男だ。10年前の戦争で辺境伯の爵位を得てるから今ここにいる。という事は陛下はカイトの祖父にあたるな」
もー、だからパパはそんな感じなの?さっきから不敬ばかりでどうしようかと思ったよ。ボクのおじいちゃんが陛下って頭が追いつかないんだけど。パパも王族じゃん。
「カイト、遅れたがまずは挨拶だ」
「申し遅れました。お初にお目にかかります。ダウニー·ブラウン·マーシュ辺境伯が嫡男カイト·ブラウン·マーシュです」
「ああ、わしはデュラン·ブラウン·イスカダル、この国の陛下だ。そして、お前の祖父だ。初めましてだな」
ブラウン、親子に引き継がれる名前じゃん。うん、親子なんだね。
あー、笑うとパパに似てる。なんで気づかなかったんだろー。変装してるしー。ちょっと裕福かな?くらいな格好してるじゃん。ていってもよ、誰が想像するかなー。パパ、前情報ちょうだいよ。
「さて、カイトから色々聞いた。素晴らしいな10年でよくここまで立派にしたな、ダウニーよくやった。セバスも元気そうで良かった」
「ありがとうございます」
「な、ダウニーよ。色々積もる話もある。聞きたいこともある。どこかで話ができぬか?あの売り歩いてる物も食たいぞ?」
「今日、臨時で開店させた貴族向けのお店に個室がありますが、そちらで食事しながらお話でもよろしいですか?あちらにも今から挨拶に行くところなんです。」
「ああ、そちらに案内してくれ」
「アルフィー宰相も来てくれ」
あれ?さっきパパが向こうで挨拶していた人だよね?宰相だったの?そっちも偉いじゃん。さっきは向こうにいたよね?なのに今、もうすぐそばにいるよね?なに?
「カイト、アルフィー宰相だ。陛下のそばで国の政を補佐する重要な仕事をしている人だな。ご挨拶しなさい。」
「お初にお目にかかります。ダウニー·ブラウン·マーシュ辺境伯が嫡男カイト·ブラウン·マーシュです」
「おー、これはこれは、立派なご挨拶ですね。初めまして。アルフィー·ラウラド·ホーネルですよ」
「カイト、アルフィー宰相は、ホーネル公爵の前当主で、お前のもう1人の祖父だ」
「え?」
「アマナは私の娘だよ」
えー、こっちはママのパパ?いきなりおじいちゃん2人もでてきたよー。
「どうした?私をおじいちゃんと呼んでくれないのか?」
「ずるいぞ、アルフィー。カイト、わしをおじいちゃんと呼んでくれ」
って無理ー。むり、むり。
「お二人共その辺にしてまずは食事に参りましょう」
ボクの頭がちょっと疲れたところ、《《おじいちゃん》》2人とパパとボクは馬車でグランドメゾンへ向かった。




