185話 祭り開催。セバスのノリノリアナウンス
一礼から顔を上げた貴族たち、ほとんど分からない。けど、見た事のある顔もいる。前にママのお茶会で見た顔だ。
あっ、イーダ子爵夫人もいる。んー、相変わらずの無表情だね。隣はイーダ子爵かな?人の良さそうな人だね、夫人とは年が離れてるみたい。
「さぁ、皆様、マーシュ辺境伯当主、ダウニー様、辺境伯夫人のアメラ様、嫡男のカイト様、お嬢様のアリアーナ様が入場されました。盛大な拍手でお迎え下さい。」
ボクたちはみんなを見渡しながらお手振り。あちらこちらから野太い声や、黄色い歓声が上がる。かなりのボルテージだ。
その声たちの振動か、応援旗がはためいている。その先の空はまさに晴天。
試合が始まる前から絶好調だ。
貴族席の1番後ろ、1段高いところに並ぶコーティングされたカイチェアにボクたちが席に着く。
「さぁ、皆様、これから祭りが始まります。さぁ、盛り上がっていきますよ」
「お貴族の皆様、また皆の衆、本日司会を務めるのは、マーシュ辺境伯マーシュ家、筆頭執事のセバス。よろしくお願いします」
あはは、また行儀良さが抜けてないな。
「今日は祭りということで、んんん」
シーンと静まりかえる会場に風魔法でセバスの声がこだまする。
「では、みんなよいかー、盛り上がる準備は出来ているかー、勝つ準備はいいかー、祭だー祭だー、楽しむぞー」
「「「「「「「「「うおー」」」」」」」」」
セバスの煽りで、会場のボルテージが上がる。あちこちから歓声や雄叫びが上がる。
おーっ、セバス、やるやん。
貴族の皆様圧倒されながらも手を叩いている。
さぁ、祭りが始まるよ。
セバスはこの大会のルールを説明していく。こんな歓声の中でもちゃんとセバスの声が届く。
「まず最初の競技は、こちらのS字ロープ飛びが始まろうとしています」
「ご覧下さい。アスレチックでは、色々な競技がありますよ。団体戦です。」
「男たち、用意はいいかー」
「「「「「おおおー」」」」」
なんかね、なんかね、すごいよ
「さあ、個人競技のロープ飛びが始まりましたー、おっとー、緑のハチマキがさっそく転びましたぁー、からのー、すぐ飛び起きて追いかけます。ぐんぐん追いかけます。しかーし、残念、はい、青ゴール。黄色ゴール、茶色ゴール。緑健闘してます、オレンジを抜きましたー。緑ゴール、オレンジゴーーールッ」
「さて、あちらアスレチック競技ですが、競技がスタートしまーす。はい、始まりました。みんな同時に走り出しましたー。最初はバランス丸太。細ーい丸太を渡ります。揺れますねー、揺れますよー、おっとー、赤落ちたー、緑、黄色も落ちたー、ほかも落ちましたねー。おー、ピンク健闘してます。さあ、次の選手に繋ぎます。これは網の下をほふく前進で潜ります。皆、続いてきてます。あ、黄色が網に絡まりました。騎士団助けに行きましたー。その間にどんどん差がついていきますよー、黄色、焦ってまーす」
セバス、上手いじゃないか?
実況中継もしちゃって。ボクは司会って言ったけど、ま、いっか。
セバスの実況中継でみんな歓声上げてテンション上げてるしね。
貴族の方たちは、売り子の騎士団から買い上げてる。初めてのものだから、1つ1つ説明してるみたい。トマートゥは、え?って顔する人が多い。確かに薬だよねー。でも大丈夫。初めは躊躇うはずだからって試食してもらうようにしてあるからねっ。
あ、食べたら美味しかったみたい、お買い上げありがとうございます。
ひとりが買うと、買う人が増えていくよねー。ガリガクゥー焼き鳥も、塩鳥も順調ー!
一般の方の中には、トマートゥや焼き鳥を食べた貴族達の顔が緩んでいるのを見て、羨ましそうに見ている。待ってて、じきにそっちにも売り子が行くからね。
「おっとー、塀越えから落ちましたー。さぁ、立つんだ、立つんだ、青。おっとー、おっとー。審査員から白旗上がりましたー。救助班出勤でーす。さあ、青は代わりの選手があとを継ぎます。」




