184話 いざ、祭りへ。家族全員でお出かけ
おっはよー。
誰もいないのに、思わず声に出たよね。
ボクの物音にマールが部屋にきた。
「おはようございます、カイトお坊ちゃま。よくお休み出来ましたか?」
「おはよう、マール。今日は祭りだね、楽しみ過ぎて早く起きちゃったよ」
「そうですか?私も楽しみです。では、早めに準備しましょう」
マールが用意したボクの洋服は、初めて外出した時のように煌びやかなんだけどさ、派手よね。
今日アリは初めての外出。
白地に花柄のちりばめられたレースのフリルが可愛い。ピンクのリボンと靴でコーディネート。ツインテールも、うん、アリ可愛すぎる。
「アリちゃん、パパとママとお兄ちゃんから絶対に離れたらダメよ」
「ああ、カイトの言う通りだぞ。こんなに可愛いんだ、誰にもやらん」
ん?違うよパパ。
そしてママー。アリと同じ衣装じゃん。
なに、二人でお揃いなのー?ママの髪型は、長い髪を結い上げてお花が飾ってるね。後れ毛が色っぽいね。
ほらー、パパが興奮してんじゃん。
ママにピッタリ引っ付いてなんだかママの匂い嗅いでない?
朝からやめてよねっ。
「カイくん、かっこいいわ。パパとお揃いね。小さなパパみたいだわ。」
あー、本当だ。ママとアリの可愛さしか見えてなかった。ボクはパパとお揃いじゃん。シャツもベストもボタンも一緒、違うのはパパは長ズボンでボクは半ズボンだ。
「家族揃って、さぁ、祭り会場にいくぞ。今日は多くの観客が来るぞ。楽しみながらも、周りには十分気をつけなさい。」
「「うん」」
「アリ、たのちみなの。まちゅり、はじめてよ。お外も初めてよ。どんなとこかな?」
「アリ、楽しみね。いっぱい楽しもうね」
「うん」
「では、行こうか?」
パパがママをエスコートし、ボクはアリと手を繋いで馬車に乗り込む。
さぁ、出発!しゅっぱーつ、しんこー!
ゴー、ゴゴー!
重厚な門を2つくぐり、街に出た。アリは始めてみる外の世界に興奮気味だ。目をキラキラさせている。小窓の外には祭りに集まってきた多くの領民たちが馬車に向けて一礼して、顔を上げたらみんな笑顔だ。
会場も騎士団の訓練場だからすぐ近く。
歩いても行けるんだけど、みんながいるところでは馬車で行かなきゃいけないらしい。
賑やかな外の音や声がみんなの楽しみなテンションを伝えてくる。
ボクたちも自然に笑顔になる。
急にアリがボクの手をぎゅっと握ってきた。さっきまでの笑顔が不安げになってる。
ちょっと圧倒されたかな?
「アリ、大丈夫?」
「アリちゃん、どうした?パパのところに来るか?」
あー、今日はパパのところに行くんだね。
うんうん、甘えちゃいな。パパ、ニヤニヤし過ぎ。
会場ではパパがアリを抱いて馬車をおり、次にママ、最後にボク。
1人づつ馬車から降りるたびに大歓声だ。
アリはちょっとびっくりしてパパに抱きついて周りを見てる。パパが何がアリに囁いてる。アリは笑顔でみんなにお手振りだ。
「きゃー、かわいい。領主様のお嬢様よ。可愛い。小さなお姫様ねー」
「見てー、奥様に手を引かれてる?違うわね、お坊ちゃまが奥様をエスコートしてるんだわ。あーん、小さなナイトよ。可愛いわー、私もエスコートされたーい」
「領主様も今日は一段と素敵だわ。眼福。見てー、奥様のスタイル、あれこそ、妖艶な魅力バティなのね。憧れちゃうわ」
「領主様ー。今日は楽しみにしてましたー。ありがとうございまーす」
「祭り、ありがとうございまーす。楽しみまーす。」
あちらこちらからの声にパパは手を挙げ答えていく。ボク達と領民の間には、騎士団が両サイドに1列に並び警備をしてくれているから、花道のように会場に向かうだけだ。
会場は観客も、選手たちも、招いた貴族達も既に入場済み。
今回はパパより上の爵位の貴族は招いていないから、ここではパパが1番爵位が高い。だから、最後の入場だ。
ボクたち家族が会場に入ると一際大歓声に包まれた。貴族席は皆一礼をしたままだ。




