183話 祭り前の領民と、騎士団の会話
「祭りやるってな、俺は行くぞ、お前行くのか?」
「あたりめーだ。俺の仕事仲間のチェズが出るんだ、応援しに行くさ」
「ねーねー、祭りがあるでしょ、私ね、ダウニー様、ルーク団長、セルジュ団長、あの美男子を見る為だけにチケット買ったわ」
「私もー、ハンス副団長も素敵だわ。あの方たちが並んだら叫んじゃうわね」
「なあ、ウルグの街でよ、領主様が祭りをやるって言ってるな。うちの町で予選とかなんか綱引きとかおもしれーもんをやっていただろ。あれの勝者が各地集まって決勝戦ってもんやるんだってよ、行きたいからチケット買いたかったんだけどよ、売り切れちまった」
「本当か?残念だな。俺は買えたぜ。なんでも美味い料理で今まで食べたことない料理が売り出されるらしいぜ、それ食べに行くだけでも楽しいんじゃねーか」
「ああ、それなら俺も行く、美味しいって一体どんなもんだか知りてーしな」
「ねぇ、貴方、ダウニー辺境伯様からの招待状には私も行くので宜しくて?」
「ああ、妻も同伴でいいと招待状には書いてある。私は祭りを見るつもりだ。街で噂になっているからな。その決勝戦は別の競技もあるらしい。それと、なんでも食事ができる場所を用意しているらしいから君はそちらで食事でもしてるといいぞ。他の貴族の奥方が揃うから社交を頼むな」
「いよいよ祭りね、楽しみだわ。なんかね、その祭り開催と同時に通りにお店ができるらしいわよ。美味しいのかしらね?」
「領主様が出するお店だから美味しいと思うわ。辺境伯邸のシェフが作るんでしょ?美味しいわよきっと。私、朝一番で並んで買うつもりよ。この街で1番よ」
「のう、ウルグにはあとどれ位で着くのだ?」「はっ、もう間もなくでございます。」
「あい、分かった。わしがウルグに行くのは初めてだが、どんな街か楽しみだ。祭りとやらのチケットは手に入れているんだろうな?これはお忍びだから招待状ももらっておらん、チケットがないと入れないぞ」
「はい、ご心配には及びません。こちらに」
「祭りに入場料を取るなんて誰が考えたかのー。しかもそんなに高くない。これで盛り上がれば次回にこのチケットの価値はあがるのー。考えたやつは策士よのー。会うのが楽しみだぞ」
「明日よ、明日楽しみね、美味しい料理だけでも食べに行きましょうよ」
「そうね、どんな料理が出るのかしら。私ね、祭りで新しい料理が出るって聞いて毎日お小遣いを少しづつ貯めてたの、全部食べるわよ」
「マーシュ辺境伯の祭りとやらに招待されたぞ。何があるのか分からん。しかし付き合いがあるから私も行かねばならないだろう。君も行くんだ。」
「もちろん行くわよ、貴族に情報は大事ですもの。流行には特に。珍しいものがあるようですわ、私は楽しみだわ。あなたは楽しみではないの?」
「んん、行ってみないとわからんな。」
「あのね、あたち、まちゅりに行くのよ、お父ちゃんが出るのよ」
「おれっちも、兄ちゃんが出るんだ。おれっちの兄ちゃんが1番とるぞ」
「違うもん、あたちのお父ちゃんが1番だもん」
「おい、警備は問題ないか?いつもより祭りで人が大勢詰めかけているんだ。犯罪が起こらないよう、細心に目を光らせて、怪しいヤツは声をかけろ。逃げる奴は必ずしょっぴけ。遠慮は要らねぇぞ。悪いやつには針千本のーますだ、いいな」
「「「「セルジュ団長、了解です」」」」
「あーあー、今日は良い天気、祭り日和です、皆様ごきげんよう。祭りを楽しんでいただきます」
「ちょっとゴードン、硬いって。もっとテンション上げて行かなきゃダメだよ」
「坊ちゃん、私にはちょっとハードルが高いかもしれません、あー、引き受けなければよかったですねー。坊ちゃん変わってくれません?」
「やだよ、セバス、頑張ってねっ、ねっ、ねっ」
「はうぅ、坊ちゃんが可愛すぎる。相変わらずにきゅんってしますな」
いや、キモイからね、セバス目がハート。
そうやってそれぞれの夜を迎え、そして数時間後、コケコッコー!一際大きな雄鶏の鳴き声が、祭りの朝を告げた。




