182話 グランドメゾンとビストロ
会場の方は当日を待つばかり。
次に出向いたのは、レストラン。
もう何時でもオープンできるようになっているらしい。
ゴードンがいて、料理人たちと確認や指導をしている声が聞こえる。
特にいずれはここで料理長、そして料理を任せるために、今屋敷の副料理長のマースにはかなり厳しくしている様子。
カマチョが材料を運び込んでいるのも見える。
マールは我が家から連れてきた当日頑張ってくれるメイドさんと、他のスタッフと最終打ち合わせや、給仕の指導をしている。
特に貴族用レストランは貴族への給仕に慣れたメイドじゃないと礼儀作法を間違えたら大変だからね。ここは念入りに。
希望者はこちらへの転職をする事に許可を出している。
平民のレストランの方は、マージン商会イヌマ推薦の子達が頑張ってくれている。
こっちは、この祭りの働き次第では採用も検討する。みんな身元のしっかりとした人ばかりを採用して万全。
「そうだ、カイト。レストランの名前だが」
あーそうだよねっ、忘れていたよ。
「うん、なんて名前になったの?」
「いや、まだ決まってないんだ。なにがよいか?」
「うーん、なにがいいかな?」
「レストラン .........思い浮かばないな」
「もしかして貴族用と平民用と2つ考えないといけないの?」
「ああ、そうだな」
やっぱりね。ボク、ネーミングセンスないのよね、困ったな。
「うーん」
「平民向けはね、ビストロ マーシュってどう?」
「マーシュは我が家の名前だから分かるが、ビストロはなんだ?」
「ビストロはね、気軽に利用できる小レストランて意味なの、どうかな?」
「気軽に利用できる小レストランがビストロか、いいな。よしそうしよう」
「あとは、貴族向けよね、うーん」
「グランドメゾン マーシュ、もあるよ」
ビストロときたら、もう一つも同じフランス語がいいよね。
「グランドメゾンはなんだ?」
「高級レストランという意味なの」
メニュー次第は、元日本人としてのボクにとっては、全然高級なんかじゃなくて、普通の庶民的な料理ばかりだけど、こっちの世界では最高級だから、グランドメゾンって言ってもいいよね。
「そうか、ではそれに決まりだ。」
みんなにも受け入れてもらえた。明日には店の看板として店名が掲げられるみたいなのー。仕事早いねー。
コース料理はこんなふうに決まったって報告。
1.トマートゥのサラダ
2.鶏だし卵ふわふわスープ
3.卵焼きガリガリクゥートマートゥソース
4.ガリガリクゥーステーキ
5.紅芋の冷デザート
6.果実水
このコース一択でまずは勝負だね。
さあ、全ての準備が揃い、いよいよ明日、祭り開催日を迎える。
街には祭り出場者やその応援団、見学希望者が溢れかえってる。
入場券は、銀貨3枚。日本円で3,000円。
この世界の通貨はこんな感じ。
大白金貨=1,000,000イェン
白金貨= 100,000イェン
金 貨= 10,000イェン
銀 貨= 1,000イェン
銅 貨= 100イェン
青銅貨= 10イェン
読み方も《《円》》に近いから覚えやすい。
一般の平民の月収が金貨1枚~2枚程だから、入場料銀貨3枚は高いけど、なんとか出せなくもない金額にした。
プレミアム感も大事という事でこの金額になった。
予選参加者は銅貨1枚払って参加。優勝者へは開催地までの往復の交通費、宿代が無料になったらしい。
貴族は周辺の貴族たち。もちろん寄子の貴族も招待済み。さぁ、どんな反応になるかな?領内のイベントだから他の領地には祭りの詳細はあまり伝わってないかも。
応援旗も一本づつ色が統一されていて、レインボーカラーで会場を彩ってくれている。
打ち合わせの時に、なんか盛り上がりたいから音楽があったらいいなって軽く言ったら、小さめのオーケストラが演奏しているよね。太鼓、オカリナ、マラカス、竹の木琴、ホルン、おー、南国ぅ~。
明日が楽しみだ~。
屋敷では、ボクたち家族はコース料理をいただく。明日は沢山の人が来てくれたらいいな。




