178話 ボッチャン、紅芋、ホッタテの味噌焼きと
「うんうん」
もうー、なんてことなのっ!
日本のフライドポテトより美味しいんじゃない?もしかして動物性油が旨味を増してるんじゃ?そうか?もっと早く気づけばよかったー。油の匂いばかり気にして、前回は触らずにいたんだよねー。あー、ちょい悔しい。
「パパやアリにも食べさせたいわね」
「うん、今日の夕食に出そうね」
「あと、ボッチャンのスープを作るし、さっきの紫のおイモでスイーツも作るよ」
「まあ、なんて素敵。ちょっと今までとは違う夕食になりそうね。楽しみだわ。」
「ボッチャンも倉庫から持ってきて。」
調理人数名がボッチャンを取りに行った。
では、紅芋の方は、フォークで潰したらすぐ潰れたから、どっちも火を止め、残った水気は捨ててもらう。冷めるまで放置だ。
あ、今度ボッチャンもあの土で改良した方が多分美味しいね。次に試そうかな?
でも、美味しいのは食べたいし。
やっぱり美味しいのが食べたいぞ。
もう1人をさっきボッチャンを取りに行った料理人たちの所へ向かわせ、そのままカマチョのところにボッチャンを持っていくように伝えてもらう。
カマチョに渡したら【さっきの要領でやってみて、終わったらボクのところに持ってくるように】って伝えて《《君たちはすぐ厨房に戻るように》》とも伝えた。
なぜすぐに厨房に戻すかは、あの肥料の効果はまだ極秘だからだ。疑問を持つ前に新しい料理を作る事に気持ちを向かせたところもある。
さあ、2種類の紅芋は1つづつ味を見ると、こちらも明らかにあの肥料で改良した紅芋の方が甘さ、もったり感、滑らかさも美味しさも格段に上だった。
「紅芋の甘さに驚きますね!?」
「これが紅芋っていうのね?なんて甘いの、ねっとり、もったりしておいしいわね、これがスイーツになるの?」
このままじゃなくて、潰して、こして、なめらかにして冷やすよ。本当は牛乳やバター、砂糖とか入れたいけど、材料がないし。食べ物の甘さを知らないこの世界の人たちにこれでも十分に甘いだろう。
少しだけ塩を入れて甘さを引き出した。
さあ、次はホタテだ。ホッタテは貝の皿と皿の間をナイフでこじ開け、黒い部分を取り除く。綺麗に洗って、ざっくり賽の目に切りフライパンに投入。
味噌を適量入れて、くつくつ煮て火が通ったら終わりだ。
「さあ、食べてみて」
「あら、これは美味しいわね。ホッタテ自体の旨味にミソが加わって美味しいわ。」
「はい、奥様、噛めば噛むほど旨味が広がりますね」
「うあー、これは美味しいねー。」
「あらっ?カイくん、初めて食べたような感想をいうわねっ」
「うん、食べるのは初めてだよっ」
ん?おや?あれ?って顔してみんなどーしたの?
「だって、みんなイカルダの女神様のレシピだもの」
「そうね、あなたにイカルダの女神様が知恵を授けて頂いて本当に感謝だわ。」
あれ?試食しだしたみんなもピタリと止まって祈りだしたよー。
さて、ボッチャンはまだかな?
「お待たせしやした」
ボッチャン、大きくない?
ボッチャンを調理人に任せて、皮を向き小さめに切り、これも鍋に入れ、水を加え煮ていくよう指示を出した。
落ち着いたところで、カマチョから
「あの、奥様と、坊ちゃん、報告がありますだ。」
と小声で声をかけられた。
「実は魚の骨に、ベリデリのフンを混ぜた肥料の畑でボッチャンの種を植えたらあっという間にこんなにでっかくなっちまっただ。あの魚骨だけのはいまさっき芽が出てまだ成長してるところっす」
おっとー、ここでも驚きの相乗効果が出ちゃいましたかー。
「あら、これは極秘ね。そう、また調べなきゃ行けないわね」
「ね、卵のカラも肥料になるし、色々調べなきゃ」
「なんですって。卵のカラ、カマチョ、大変だけど調べてちょうだい」
「なんと、卵のカラも肥料に。こうしちゃおられないですら。坊ちゃん、オラ、やる気元気勇気ですら。ありがとうございます」
なんだか、めちゃくちゃやる気になったカマチョに今後も引き続きお願いをした。




