171話 セルジュが褒めてくれた
「カイトの誕生日パーティーはもう少し先だ。まずは、祭りがあるからな。祭りはあれは絶対に楽しいぞ。1回ならもったいないからこれからも続けていこうと思ってるぞ」
ってパパ、綱引き気に入ったんでしょ?
「パパ、さっきの綱引き、どうなったの?」
「ああ、あれは青が4勝、赤が1勝、圧倒的に青が勝ったな。だから、赤にはアスレチック50周をするように命じたぞ」
何気にあれから3回綱引きしてるー。
それはそうと負けた人達、気の毒ー。うあー、パパも案外鬼じゃん。ルーク団長お気の毒ー。
「よし、食事は済んだな。」
「ではカイト、少し話をしたいがパパの執務室にきてくれるか?」
ん?なんだろー?
「うん、わかった」
パパの執務室。なぜかルーク団長もいる。
「カイト、さっきセルジュから報告があったんだが」
え?
「カイトがセルジュに話した祭りの運営方法を聞いた」
そっかー、パパはこの領の領主だよな。
報告されちゃうよね?
「どうした、カイト。なんで泣きそうな顔をしているんだ?これからの話はお前を褒めるつもりなんだが?」
え?そうなの?パパ、ボクが何者とか怪しいとか思ったりしたんじゃないの?
「ボクを、褒める?」
「ああ、そうだ。セルジュが興奮していたぞ。お前が神童だと騒いでおった。」
え?なんで?ずっとカマかけてたじゃん?
ボクを疑っていたよね?
「なんかボクを本当に4才なのかって疑ってたから、怖かったよ。ボク4歳なのに、人と違うのはイカルダの女神様の知恵をもらったからなのに」
「そうか。そうか。悪かったな。カイトの話はまだ一部の人にしか教えてないからな、あいつにはカイトの事は教えてなかったから、「なぜ子どもがこんな事を思いつくんだ?」って思ったんだろ。悪いがカイト。これからは同じようにカイトの知恵を疑って来るものも出ると思う。本当はイカルダの女神様から知恵を授かったと言いたいのだが、言えない。それは前に説明したから理由は分かるな?」
「うん」
「あー、あと、あいつはなんでも直ぐ疑うんだ。疑い深くて厄介なやつなんだが、その疑い深いところから街中の不穏なところを次々に暴いていくんだ。実力があってな、だからあいつに街中を守る第5騎士団を任せたんだ」
「しかもな、カイチェアの詐欺事件で悪いやつの居所を見つけたのもあいつのお陰なんだ。」
そうなの?そうなんだ。
「あいつは、あの顔だから女にも、実は男にもモテる。よく狙われたそうだぞ。この事は内緒だけどな。だから近づいてくるものや、人の言動を疑うのが癖になったようだ。」
「カイト坊ちゃんは他とは違う考えをお持ちですからね。初めは戸惑いますよ。見た目は可愛らしい子ども、話すと大人顔負けの策士ですからね。」
「戦術の訓練にも色々な案を出していただいて、お陰で騎士団の体力や実力が上がりましたよ。そして祭りです。楽しみも与えてくれたんです。」
「坊ちゃんがイカルダの女神様から知恵を授からなかったら、そして魔法も授からなかったら今の幸せは無かったと思いますよ。今はまだ公表していませんが、ダウニー様の話では祭りとカイト坊ちゃんの誕生日パーティーに色々大々的にお披露目すると聞きました。私はそのお披露目の後、街が、人々がどう変わっていくのか、今から楽しみなんですよ」
「ああ、そういう事だ。だから、笑いなさい」
えー、ずるいよ。普段、どっか抜けててエッチなパパと、がに股ロープ飛びをする変なルーク団長が真面目な話でボクを褒めるなんてさー。泣けちゃうじゃん。わーん。
「ゔん、ゔん、ありがどー」
「なんだ、なぜ泣く?」
「なんか、安心したの」
パパはボクを抱っこして背中を撫でてくれた。
「少しは落ち着いたか?」
「うん」
「よし、では、話を始めるぞ。祭りの話だ。」




