169話 ベリデリを頂くランチタイム
ボクは逃れるようにセルジュと別れ、部屋に入る。部屋にはマールがいて、ボクは食事前に風呂に入りたいと伝えて、風呂を済ませ、部屋で食事の準備が整うまで少しゆっくりしているところだ。
「カイト坊ちゃま、お昼の準備が整いました。さぁ、参りましょう」
マールを伴い、食堂へ行くと中ではママとアリが待っていた。
2人とも、食事が楽しみなんだねー。
「カイくん、パパと一緒じゃないの?」
「パパは祭りの綱引きに夢中だから置いて来ちゃったの。ボク、先に戻って来たのよ。その後にシャワーも入ったりしてたからもう屋敷に戻ってると思うんだけど」
「セバスいるの」
「はい、奥様、旦那様は今お風呂を終えております、まもなくこちらへ参るかと」
さすがセバス、ママの言いたいことわかってるじゃん。
「そう分かったわ、では、もう少し待ちましょう」
さっきからのいい匂いしてるもんね。待ちきれないのもわかるよ。ボクも早く食べたいっ。パパ遅いよ。
「すまない、待たせたな」
やっと来たー。パパなんだか機嫌良さそうだね。これは綱引き勝ったな!
「お腹すいたの」
アリ、お腹すいたよね、すぐご飯だよ。
「あ、悪いな。今から食べよう。」
パパの一言で料理が運ばれてくる。
昨日お願いをした通りのメニューだ。
「はぁ、今日も美味しそうじゃないか。では、いただくとしよう」
「「「「いただきます」」」」
「うまいっ」
「これは美味しいわ」
「いつものより、おいちー」
「うわっ、柔らかい、凄い肉汁が溢れてきて肉の味が濃いね」
日本の鶏肉より美味しいんじゃないか?
みんな止まらずに食べまくってるな。
「もも肉は塩だけ揉みこんだもの、塩とガリガリクゥーを揉みこんだもの2種類で作ったんだったな、どっちも美味しいぞ。」
「むね肉だったかしら?茹でてるから余分な油が落ちてさっぱりしていくらでも頂けるわっ。ガリガリグゥトマートゥソースとすごく合うわよ」
「スープおいしーい。このフワフワしたの、アリすきぃー」
「ボクは全部好きー。あー、唐揚げ食べたい、唐揚げにしたらもっと美味いよなー」
あ、つい!
「唐揚げとはなんだ?」
「そうよ、なあに?カイくん、新しい料理かしら?」
「う、うん。そうね」
「あら、じゃあ、早速今夜作ってもらいたいわ」
いや、もう肉ないでしょ?油も大量に使うし。
「大変申し訳ないのですが、ベリデリのお肉が足りないかと。」
だよね?さっきまであんなにあった料理もうないに近い。ほとんどはパパが食べちゃったけど。
「あら、残念ね。カイくん。ニコイチは最近どうなの?」
ってママ知ってるよね?
けど、ボクは察しがいいからねっ。
「分かった、あとで作っておくね。だけど、ビービーもダブルジーもあと2羽づつしかいないから、あと2回しか作れないよ」
みんなさ、そんなに顔になる?
悲壮感すぎじゃん。
「そうだ。それは足らん。おい、セバス、あの養鶏場の親子との契約魔法はどうなった?」
「はい、既に契約を結んでおります。それであの親子から言付けがございます。」
「なんだ?」
「はい「私たちは領主様の物です。好きにして下さい。いつまでもおそばに居ます」とのこと、ヒェッ」
あー、ママ、怖い顔してる。パパ、ママの顔見て、気づいてる?
「あなたっ、私という妻がありながら、浮気ですの?」
「ヒェッ」
いや、パパ驚いてないでさっ、早くママの誤解といて。
「アマナ、違うんだ。私は浮気などしていない。するはずがないだろ?アマナを誰よりも1番に愛しているんだからっ」
「私が1番、では、2番目と3番目が養鶏場の母娘なんて言うのかしら?」
あ、ママ、違うから。
「ママ、違うよ。養鶏場の親子はね男性だよ」
「なんですって。あなた、男性にも興味があったの?」
「だから違うんだ。話を聞いてくれ」




