167話 綱引きに盛り上がるパパと騎士団
「いやー、これは楽しいな。久しぶりに全力出したぜ」
みんな、汗かきながらめちゃくちゃ笑顔だねー。
「セルジュ、団体戦はこんな感じでどう?」
「ありがとうございます。これはいいですね。早速この案で行きましょう。トーナメントなんて案をありがとうございます。1ヶ月後の決勝戦?でしたか。素晴らしいものになりますよ、約束します。」
そんな話を終えた頃。
「セルジュ団長、お話しても宜しいですか?」
ん?さっき負けた青チームの人だね?
「我々は負けたままでは嫌です。もうひと勝負させて下さい。今度は絶対勝ちます。セルジュ団長も参加して下さいよ」
あはは、闘争心に火がついたね。
「カイト坊ちゃん、どうしますか?」
「いいんじゃないかな?もうルールはわかるよね?みんなで楽しんでよ」
ってパパも青だった。顔に青筋立ててるよ、悔しかったんだね?
「くそっ、今度の勝利は私たちのものだ」
ん?パパもリベンジしちゃうの?
するんだ。しかもさー、張り切って声上げて、気合い入れて闘士丸出し。
「頑張ってー、じゃ、もーいっかいいくよー。」
「「「「「「「「「「「うおーっ」」」」」」」」」」」
「「「「「「「よっしゃー」」」」」」」
白熱する大人のみんな、今、童心に戻ってる感じ?
「じゃ、準備はいい?……では、よーい、はじめっ」
お、パパ、フェイントじゃん。一瞬力弱めて、赤が後ろにつんのめったとこを一気に引いたね。
今度は完全に青の勝ちー!
「青の勝ちー!!」
パチパチパチ
私は、私は、はぁはぁ…久しぶりに全力出したな、きつかったけど、いいな。
こんなに楽しんだのは初めてかもしれない。チーム一丸となって、真っ向勝負。清くていいぞ。
盛り上がるな。カイト坊ちゃん、これはあなたへの考えを改めるべきか?神童なのか?
「ありがとうございました。では、絶対に大会盛り上げていきましょう」
「うん、よろしくね。ボクも楽しみにしてるからっ」
「父上」
「屋敷内だ、敬語も父上もいらん。」
「わかったよ。」
「パパ、勝ってよかったね」
「ああ、最後は作戦勝ちだ。これはいいな。仲間と一緒に相手を欺くのも楽しいな。単純な競技だけど実に面白い。カイトよく思いついたぞ。」
「あはは、ね、楽しそうでよかった。でも《《引き分け》》だね」
「なんだ、その引き分けとは?」
引き分けって言わないの?
「青も赤も1勝づつしているから、同じでしょ?そのことを引き分けって言うのよ」
「ああそうか?綱《《引き》》だから、《《引きを分けた》》って言うんだな、なるほど」
ん?違くない?ん?あってるのかな?
ま、いいや、そういう事にしとこう。
「まて、カイト。引き分けってことは、どっちも1勝してるってことは、あと1回やらないと勝ったことにはならないってことじゃないのか?」
「そうだよ」
「なんてことだ!ダメだ、引き分けでは。勝ってないと意味がないぞ、もう1回。」
あ、待ってパパ、もうやめよ。お昼ー。
ベリデリ食べたいよ、お腹空いたー。
「パパ、今日の昼食はベリデリだよ。ボクお腹すいたし。早く食堂に行きたい。」
「待てカイト、あと1回だけ。このままではスッキリせん」
パパが綱引きにハマってどうするのさー。
「えー、やだぁ。」
「分かった、では、アイツらの誰かをつけるからお前は先に屋敷に戻ってなさい。パパはあとから合流する」
「おい、誰かカイトを屋敷まで同行してやってくれ。私はあとひと勝負するぞ」
「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」」
なんか体育会系だな、やっぱり騎士団だね。では、ボクは誰がついてくれるの?
「カイト坊ちゃん、私がお屋敷までお送りしましょう」
「セルジュ、よろしくね」
ボクはセルジュと一緒に屋敷へと向かう。ボクたちの後ろからは、すごく盛りあがった男たちの歓声が上がっている。
そして一際パパの雄叫びが響いている。
みんなを引っ張っているところはやっぱりパパは統括力があるんだなーなんて考えていた。
「カイト坊ちゃん、お話をしても宜しいですか?」
不意に声をかけられてセルジュを見上げる。
「いいよ、なあに?」




