156話 ミソとお茶碗蒸しと、定規を陛下に献上しよう
「長さや厚みを測る?なんだ。カイト。これはとんでもないぞ、また、とんでもないことを。スライムのコーティングに、なんだ?えっとジェ?ジョ?」
「これはね、定規っていうの」
「そうだ、その定規とやら。定規を使えばより精巧に精密に長さを測ったり、厚みを測ったりできるんだな。これはあらゆる所で使えるぞ。」
「坊っちゃま、なんですか?これは!素晴らしい、素晴らしい過ぎますっ。隠れる隙間を測ったり、飛び越える高さを測ったり、落とし穴の深さを測ったり、色々使えますねっ、素晴らしい」
いやいや、セバス。測りたいものやばくない?
「カイト坊っちゃま、すごいですね。」
キミねー、ちゃんと価値を分かってる?分かってないよねー、みんなに合わせただけじゃないのー?ハンス副団長、大丈夫?
「そうなんだー。すごいんだね、ボクえらい?」
「あー、偉いな」
思わず頭を撫でたけどな。ふぅー。これからどうなる事やら、想像つかんぞ。
「カイチェアのテーブルはどうなったんだ?」
そうだ!
「見て、かなり綺麗な仕上がりだよ」
よし!やったー。
「ではあれだな。この技術はモントルー兄弟に任せよ。また契約を結ばなければな。まぁ、まさかイカルンスミミソ汁を飲んだスライムだなんて誰も想像できるはずがないな。あと、このジ!ジャ!ジョーリ?」
「ジョーギね」
「ああ、定規も作ってもらおうか。」
「カイチェアに、お茶碗に、定規に、モントルーでは仕事が回らなくなりますね。ではモントルーが信頼できる弟子も契約魔法を結びましょう。」
「そうだな。そうしてくれ」
「承知しました」
「それとだ、セバス。モントルーにはいくつか試しにこのコーティングしたものを試作して、最高傑作は陛下に献上するからと伝えてくれ。カイチェア、ミソの容器の木箱、お茶碗、定規、全て最高のもの、そして最短で仕上げるようにしてくれ。祭りのあと、カイトの5才の誕生日に王都に向かう。その時に献上する予定だ」
「承知しました」 スン!
え?話がおおきくなってない?
なに、なあに?カイチェア?ミソと、お茶碗と、定規を陛下に献上ー!
え?5才の誕生日は、ここでするんじゃないの?
「パパ?話、聞いていたんだけど、陛下に献上しちゃうの?いいの?」
「ああ、大丈夫だ。ただな、本当はトマートゥだけは持って行けないのが残念だ」
「え?ガラス細工があるなら瓶があるんじゃない?」
「いや、あるにはあるが、王都に着くまでには腐ってしまうからな」
そうかー、密閉が必要なんだよね?
そうしたら腐らずに長期保存が可能だよなー。ゴム素材とか?
あー、ドライだよ、乾燥。
ドライフルーツあるじゃん。
ドライトマトもあったよね?
塩ドライトマト。
「パパ、トマートゥも何とかなるかも」
「なんだと?もしかして、土ごととか?もしかして、魚骨肥料も持っていくのか?」
「ソレもあるね。王都で畑なんてあるの?」
「我が家の王都の別荘の庭に畑を作るといいぞ」
「じゃ、早めに行かなきゃダメ?」
「いや、祭りもあるし、これから色々と詰めんといかんしな。あー、今日はベリデリのニコイチもあるな、色々間に合わんな。間に合わんぞ。どうするか?」
「ねー、パパ、ボクの誕生日に出してさー、その後すぐアリの誕生日でしょー。その時と分けて献上してもいいんじゃない?」
「そうか!その手があるな。よし、吟味しようか?さぁ、忙しいぞ。カイト、お前のせいだぞっ」
笑いながら、パパ、ボクをこずくのやめて。パパの手加減はちっとも手加減じゃないからね。
さ、そろそろ夕食。
夕食食べて、お風呂に入ったら、ベリデリのオスを作らなきゃ。




