153話 スライムでコーティング
核が消えて、みるみるドロドロに溶けたスライムが木製の茶碗をコーティングしながら流れ落ちる。
「え?」
核が壊されているに、消えずに溶けて行くスライムに、セバスも、マールも、ハンスも驚いている。
ボクは固まりつつあるスライムを見ながら、テーブルから茶碗を引き上げるタイミングを見計らっている。
ボクがアリの話を聞いて、アリの部屋に駆けつけてスライムを見つけたのはだいたい5分くらいだった。それぐらい待ってみようかな?
ボクもパパたちも、実際にスライムが溶けていく様子は始めてみるからか、しばらく飽きずに見ていた。
よし、5分くらい経ったかな?
さっきスライムが乗っていた場所は、薄くコーティングされているようで、もう乾いているようだ。
触っても、スライムがボクの手に着くことは無い。スライムでコーティングされた茶碗を持ち上げた。
持ち上げたのいいけどさ、あれ?これって茶碗の縁をどう拭き取ればいいのー?そこまで考えてなかったよー。
「坊っちゃま、これを」
ハンカチを差し出すセバス、さすが!
丁寧に、滴り余分なスライムを拭き取ってくれた。
もう少しだけ待って、裏返す。
ボクの手には、外側が少しボコボコしているけど、初めてにしてはキレイにコーティングされたお茶碗がある、それを両手で持ってみる。
うん、木の感触はもうないね。ツルツルの食器だ。
「見て、パパ、これがコーティングだよ」
ボクから茶碗を受けとりパパはまじまじと見つめてる。そして、コンコンとノックをする、壊れることは無いようだ。
「これは、これは素晴らしいな。しかも、美しい。木製をこのスライムが見事に覆い木の感触が全くないぞ。カイト、中側もやってみてくれ。」
「うん」
茶碗の中にスライムを置いて、また核を壊す。ドロドロに溶けたスライムを、今度は回しながら全体にコーティングする。
渦を巻くように少しずつ固まっていく。
余分なスライムは、茶碗を回しながらこぼしてしまう。
また5分くらい待って乾いたのを確かめた。
うん、上出来じゃない?
茶碗の中も厚さは均等的ではないけれど、これも妥協点だ。
「どう?これなら彫刻を生かせたお茶碗じゃない?お皿とかもこんなふうにできたら凄くない?」
「確かにそうだが、熱に溶けたりはしないのか?」
「どうだろ?できた料理を乗せたり、汁物を入れてみても、変化を確かめなきゃね?あと、スライムで作ったこの液体、人が口にしても問題ないのかな?」
「ああ、口にするのは問題ないぞ。スライムは食べられる」
えー、パパー、初めて知ったんだけど。そーなの?どうやって食べるの?
「え?スライムって食べれるの??」
「ああ、ちゃんと洗ってからだけどな。スライムに苦い薬を食べさせて、その薬の部分をちぎってすぐ食べるんだ。苦い薬が苦くなくなるんだよ。小さい頃カイトが熱を出した時も食べさせたぞ、覚えてないか?」
いや、知らない、初耳ー!なんだけどっ。
「ああ食べた時は核は避けないとスライムは消滅してしまう。核を避けるんだ。」
そーなのー、びっくり。
「じゃあ、ちぎったところはどうなるの?」
「ああ、そのままだな。だから、ちぎっていくとだんだん小さくなる。ちぎるところがなくなったら核を壊すんだ」
「そうなんだね。パパ教えてくれてありがとう。物知りだね」
「カイト坊っちゃま、またひとつ、大人の階段登りましたねっ」
うん、そうだねー
「うん」
「そうだな、このお茶碗の耐熱はどれくらいか調べてみるか?」
「うん、️どうやるの?」
「なに、パパに任せなさい」




