152話 セバスとマールのコソコソ話
トントン、トン!
セバスの入室の合図。
「セバス、入って」
「お坊っちゃま、言われた物が用意できました。今、ハンスが旦那様をお呼びしてお庭にご案内をしています。お坊ちゃまも準備がよろしければ参りましょうか」
「あれ?マール。マールが持っている棒はなんです?」
マールが返事をする前にボクが答える。
「あ、セバス、これは後で教えるね、ひみつ」
ボクはみんなにいっぺんで説明した方が楽なので秘密ってことにする。
「そうですか?では、後でセバスにも教えて下さいね、楽しみにしてますよ」
ボクは庭に向かってテクテク歩く。
その後ろからセバスとマール。
何やらコソコソ話しているけど、ボクは庭へと急ぎたいから早足で、だから2人の話はよく聞こえない。
「セバス、この棒にはとんでもない秘密が隠されているわ。さっきカイト坊っちゃまの指示で私が作ったの。後でカイト坊っちゃまが説明して下さるはずだからその時ビックリするわよ」
「そうなのか?これはなんだ?線がいっぱい書かれているな。しかも等間隔。数字が1~5」
「そうね、良く気づいたわね。これの意味を知って私は驚いたわ。」
「セバスは忙しくなるわよ。今も忙しいけど、カイト坊っちゃまの《《せい》》で更に忙しくなるわ」
「そうだな。今、色々な事が同時進行で動いているからなー。でも、お陰様でマーシュ領はこれからますます発展していく事は間違いないな、マールもきっと忙しくなって痩せるぞ。」
「あら、失礼ね。私はこれくらいがちょうどいいのよ」
「はいはい」 バシッ!
「痛いぞ、マール。ちょっと加減しろよ」
「あら、セバス、いつもの敬語はどうしたのかしら?」
「そうでしたね。失礼しました。長年一緒に働いているせいで油断しますね。」
「まぁ、私的には敬語はお仕事中だけにして欲しいわ。家では普通に話してね。」
「了解しました。我が愛しの奥様」
そん話なんて聞いてなくて。
さぁ、お庭に到着。
「パパー」
ボクはパパを見つけ走ってパパの足にしがみついた。
「お、カイト、元気だな」
またボクの頭を撫でてるー。
「さぁ、カイト、準備はいいらしいぞ」
「うん」
「では、実験を開始しよう。さぁ、どうするんだ?」
「まずねー、さっき捕まえてきたスライムを出してくれる?」
ハンスが木箱の中から1匹のスライムを出してくれた。
ボクはスライムの核を壊すようにお願いをする。まずはハンスが剣で核を壊すとすぐにスライムは消滅した。
そして、スライムを取り出す度に棒、ナイフ、フォーク、あらゆるもので試してみた結果、普通に捕まえてきたスライムは核を壊すと、直ぐに消滅した。
あ、やっぱり、核を壊すと死んじゃうんだね。
「ん?カイト、今はどういう事だ?」
「あのねー、普通に捕まえてきたスライムって、どんなものを使っても、核を壊されると消えちゃうことがわかったのー。」
「ああ、そうだな。」
「坊っちゃま、スライムは核が壊れると消えますよ。これはね常識ですよ。お勉強になりましたねー」
ハンス、ボクは今それを確かめたんだよー。全くの子ども扱いだね。まあ、確かに普通はそうだねー。
「うん、分かった。覚えとくね」
パパたちも、ボクの事を全くの子ども扱いをするハンスに苦笑いだよ。
いや、実際ボクは子どもらしくないけど、子どもよ?
「イカルンスミミソ汁を飲んだスライムで実験を始めまーす」
テーブルには用意しておいた木彫りのお茶碗をひっくり返して置いてある。
そこにイカルンスミミソ汁を飲んでいるスライムを載せる。
「では、核を壊します」
プチッ。




