15話 マーシュ領を豊かにするぞ!
「なんだ、カイトにはナップルはまだ早すぎたか?どうだ、ナップルは?これは凄ーく貴重なんだぞ。陛下から分けて頂いたんだ、それも3切れも、だ!」
えー?たった3切れ?
ケチくさくね?
って、陛下って王様だよね?
一国の王様が、3切れしかくれないなんてどんだけケチんぼなんだよ、気前良く1玉ちょーだーい!
「これはな、カイト。1玉でこの屋敷が建つほど値が張るんだ、どれだけ貴重なのか分かるな」
そーなのー?
「うんっ」
ナップルの価値にまでびっくりだけどさ、陛下がいるの?王様ーー!
ますますファンタジー!
テンション上がって手足をバタバタ。
ナップルの酸っぱさも忘れて大興奮。
けど、やっぱり酸っぱいから涙出ちゃったよね。あー、いや、お行儀が悪いってママに叱られちゃったから泣いたんじゃないぞ。
あまりの酸っぱさに耐えきれず、ボクは思わず吐き出しちゃった。
「あらあら、カイくん吐き出しちゃったらダメじゃない」またまたママに叱られちゃった。
そんな時だ。ボクがかじって、吐き出しちゃったナップルを摘むとパパは自分の口に放り込んだ。
うぇー、パパばっちー!嫌な顔したボクと目が合うパパ。
「なんだ、カイト。口に合わなかったか?パパが食べてやろう。折角陛下から賜ったんだからな、食べずに残すなんて不敬罪で、パパは首が飛ぶな」
なんだって?たったそれだけで首が飛んじゃうの?マジで?王様怖ぇー!!!
驚愕するボクの頭をパパは大きな手で撫でる。優しい目でパパは笑う。
「大丈夫だ。何があってもアマナと、カイト、そしてアリアーナはパパが守るからな」
パパが守るからな‥その一言でボクは幸せに満たされる。うん、ボクのパパは世界一カッコいい。
よし、いつかボクが家族のためにナップルを必ず採ってこよう。そしてもっと美味しくするんだ。前世のあの甘酸っぱいけど美味しいパイナップルのように品種改良していこう。
この世界の食事事情は決して良いとは言えない。
文明もまだまだ地球の足元にも及ばない。言葉はあっても文字を書けない人がいっぱいいるはず。
きっと文字を書けるのは貴族か、平民では商人か、大富豪とかほんの一握りの人がいるくらいだろ。
そこもなんとかしなくっちゃ。
きっとわかる人に、わからない人は搾取されているはずだから。
ボク達のマーシュ領を豊かにするんだ。




