147話 溶けたスライムを使ってみよう
スライムは核を壊されたら、核だけ残して消えるんじゃなかった?
たしか、前世で読んだ異世界ものでは、スライムは弱くて、あれ?《《ここ》》は違うのかな?
「スライムは、死んじゃったらどうなるの?」
「はい、核を壊されたらスライムは核だけ残して消えてしまいます」
だよねー、ボクの認識もそうだよ。
溶ける?そんなことある?
気になるな、確認しなきゃ。
「マアヤ、今からボクはアリの部屋に行くよ、だから、アリをお願いっ」
アリはマアヤに抱っこされて、少し落ち着いたみたい。
ボクは急ぎ足でアリの部屋へ向かう。
「おじゃましまーす」
僕の部屋は寒色のパステルカラーのお部屋だけど、それとは違って、アリの部屋は暖色のパステルカラーのお部屋。
アリの部屋にある食事ができるテーブルがあり、そのそばにはカイチェアがあり、そのテーブルには、ドロドロの物体が広がっていた。それの中心部分は液体のままだけど、端の方は少し固まりつつあるようだ。
ボクは、端っこを摘んで、引っ張って見る。伸びる伸びる。
両手で広げるように引っ張ってみるとやっぱり伸びる。
広くひっぱりすぎたのか、そこからは形が固定されて、これ以上、伸びたり縮んだりしなくなった。
「カイト」
「カイくん?」
「アリの泣き声が大きくて心配して来てみれば、アリの部屋にはアリはいないし、カイトがいるし、どうしたんだ?」
「あらあら、カイくん、アリちゃんと兄妹喧嘩したのかしら?」
「違うの」
ボクは泣いている理由がイム君が死んじゃった事、それはアリが核をフォークで刺してしまったからってこと。多分、死んじゃうなんて思わずにいたこと。
「あらら、アリびっくりしたんでしょうね。そういえばアリには《《なぜスライムの核を壊してはいけないか》》話してなかったのかしら?」
「ああ、それは私たちがちゃんと教えてなかったのが悪かったな。アメラ、アリを見てくれるか?」
「わかったわ」
ちょうど部屋にたどり着いたアリをアマナから受け取るとママはアリとお話をしながらどっかに歩いていった。多分ママの部屋かな?
「カイト、それで?カイトは何をしてるんだ?その手に持ってるヘンテコな物はなんだ?」
「パパ、これ、イムちゃんだよ」
ん?イムちゃん?イム君じゃなくて?
あ、ま、どっちでもいいんだが。
「なんだ?スライム、生きてるのか?」
「マアヤの話だと、核が壊れたら消えるはずのスライムが溶けたんだって」
「は?そんなの初耳だが?」
「ボクは話を聞いて、すぐにアリの部屋に来たの。多分5分もかかってないよ」
「それで、これを見つけたの。さっきはカイチェアの半分くらいの形だったんだけど、ボクが引っ張ってみたら、この通り伸びたんだ」
「溶けた?伸びた?」
「うん、そして今固まってるの。パパこれ、使えるかも!」
「まてまて。スライムが消えずに、溶けて、伸びて、固まっただと?」
「うん」
「ちょっとパパにも触らせてもらえるか?」
「うん」
ボクが掴んでたスライムをパパに渡そうとするとパリンと割れて一部が粉々になった。特に薄かったところだ。
「カイト大丈夫か?」
「大丈夫だよ、長ズボンのパジャマだったからケガはしてないよ」
「そうか、良かった」
ん?あれ?かなり薄かったところは割れた、って事はガラス?
けど、割れたところより厚みのあるところは割れてない。
もしかして!
「パパ、怪我に気をつけてこの少し厚めのところを軽く叩いてもらえるかな?」
「こうか?」
コンコン!
「なかなか硬いな、割れたりする様子はないな」
やっぱり!それじゃ、あれに使えるじゃん。アレ、アレ!あれ?名前出てこなーい。




