146話 スライムが溶けた
「アマナ、明日、カイトにオスのビービーとダブルビーを合体してベリデリのオスを誕生させてもらう予定だ。そうすれば、オスメス揃うから、卵を孵して、成長して、その鳥たちが卵を産むようになれば、卵料理がもっと食べられるようになるかもしれん」
「もしかして、あれでしょ?カイくんが昨日倒れたのって、合体そのせいでしょ?またあんなふうに倒れたら、どうしますの?ママは合体なんて反対だわ」
「え?」
「アマナ、カイトに訓練をさせる意味もあるんだ。私が付いている。あとグローもカイトの魔力欠乏症には訓練が必要だって言っていたから、明日は合体を許すつもりだ」
ママの不安そうな顔。そして色々考えてる。
「そう、そうなのね」
お!ママが理解してくれたみたい。
「では、分かりました。私も立ち会います。それでよろしいですね」
「あい、分かった」
「それで、オスメスから卵が生まれて、成長して、その子達が卵を産み始めるまでってどれくらい先のことですの?」
「うーん、分からんな」
「なんかね、卵から孵った雛が卵を産むまでに成長するには5ヶ月くらいかかるって。」
「そ、そんなに」
あからさまなショックを受けてるママに申し訳なく思う。
ごめーん、そんなに落ち込まないでー。
ボク、ちゃんと考えてるから。
そんな風に思いながら、ご飯を終えた。
明日、でも、ボクは楽しみだ。
ニコイチ、練習だもん。
絶対に数こなしていくよー。
もしかしたら色々便利なもの作れるかもしれないって、期待の方が大きい。
そう考えを巡らしながら、今日も睡魔に誘われて深い眠りについた。
朝から、大きな泣き声で起きた。
アリ?どうしたっ?
バン!
アリちゃん、扉はノックして、ボクが許可してから部屋に入ってきてね。
なんて言えないくらい、泣きまくりなアリ。
「お兄ちゃまー、エッグ、エッグ、うぁーーん、イム…くん、死んじゃったのー、うわぁーん、死んじゃっだー、ウグッ」
泣きながら抱きつくアリを受け止める。
アリの後をついてきたマアヤが困った顔をして立ち尽くしている。
その間もアリはずっと泣いたまま。
「どうしたの?何があったの?」
「実は、朝ごはんを食べるためにカイチェアに座ったお嬢様のテーブルのところにイムくんがよじ登ってきたんです。」
「そうしたら、間違えてイム君の核をフォークで《《私が》》刺しちゃったんです」
え?それって死んじゃうんじゃない?
「えー、じゃイム君は、死んじゃったんだねぇ、そっかー。」
「違うもん。マアヤが刺したんじゃないもん。アリが…アリが…刺しちゃったのー」
「マアヤは…えぐっ、わ、るくないっ……アリが、えぐっ、わりゅいのー、わーんっ」
「え?なんでまた?触っちゃダメだって言われていたでしょ?」
「………うん。」
アリ、目を逸らしちゃダメ。
「どうして、フォークで刺したの?」
「刺しちゃダメって……えぐっ、言われ、て、ガマンちたの……えぐっ」
んで?
「が、まん、…できなくでぇ、うわぁーん」
あ、ダメって言われたから、がまんできなかったのねー。どうなるか分からなかったんだね。なんか、気持ちわかるぅー。
ダメよ、ダメよ、いいってことよっ!
ん?あれ?どっかで聞いたことあるフレーズ。
「そうか、もうそんなことしたらダメだよ。分かった?」
「ゔん、うぐっ、うぐっ」
「あのー、カイトお坊ちゃま。あのイム君の核が壊れたあとちょっと不思議な事が起きまして」
ん?不思議なこと?
「不思議なこと?」
「はい、イム君の核が壊れたあと、イム君の体がドロッって溶けてしまって」
え?溶けた?どーいうことー?




