136話 合体魔法をもう一度使いたい
「気になることとは、どんなことだ?」
「気になったことは全部で3つ。まずひとつはお肉は凄く美味しいってこと。」
「だな、食べるのが楽しみだ。」
「だめ、今は食べないで。」
「なぜだ?」
「だって、まだ1羽しかいない。卵が食べられるんだよ。だから、卵を産んでもらわないと。」
「卵を食べる、うーん。まだ孵ってない雛を食べるのはなー、抵抗があるな」
いや、パパ雛じゃない
「パパ、ひなじゃないよ。黄身と白身だよ。だから、大丈夫。それとね、あのベリデリはこの世界に1羽しかいないの。だからオスが居ないの。オスがいないなら卵が雛にならないでしょ?」
うむ、確かにそうだな。
「ね、卵を食べてみようよ。絶対に美味しいからさ。イカルダの女神様からも卵は美味しいから食べてみなさいって言っていたよ」
「なんと!また夢でお告げがあったのか?そうか?それはぜひ食べてみなければな。イカルダの女神様のレシピなんだろ?」
「そーだよ、イカルダの女神様のレシピだから美味しいよね?食べてみたくない?イカルダの女神様からいくつかレシピもらったからボクが作ってあげる、美味しい卵料理っ」
そうか、そうか。なんだか楽しみだな。
「じゃ、卵を産むのが楽しみだな」
「あのね、パパ、もしかしたらこの子、卵産んでるかもしれない。それがボクの気になるふたつ目のことだよ。だって経産鳥って事は、すでに卵を産んでるはずだから。」
たしかに、そうだな。なんてことだ。カイトは難しい言葉も知っているな。マール、教育が高度すぎないか?
計算と読み書きは始めた方がいいか。ん?4歳だよな。あまりに頭がいいのも大変だな。普通は5歳の魔法が使えるようになってから、魔法の練習や読み書き、計算学習が始まるんだがな。カイトは早めに始めた方がいいな。アメラと相談するか。
「そうか?では、卵があるか調べてみよう。あとでパパと一緒に鳥小屋を見に行こう。」
「セバス。鳥の名前は決まった。これからはあの鳥たちをカイトが付けた名前で呼ぶように統一しよう。養鶏場の者たちや肉屋あちこちにお触れを出してくれ。我がマーシュ領はそれで統一だ。」
え?そんなに広めちゃうの?パパ、それ大丈夫?
「パパ、大丈夫なの?確かに鳥の名前無かったけど、ちょっと様子見ようよ、我が家にいる鳥たちだけに名前をつけたらいいんじゃないかな?」
「うむ、それはそうか?では、まずは我が家で飼っている鳥たちだけにするか。」
「うん、ボクもそう思うよ」
「あと、気になってること3つ目だけど、卵も、鳥も美味しいんだよ。けど、メス1羽しかいないのよ。オスのベリデリも欲しい。だから、ボク、ニコイチさせていい?」
「いや、だめだ。また、倒れたらどうするんだ?」
「大丈夫だと思うよ、だってニコイチした後ボクは寝ちゃったけど、次の日にはちゃんと普通に元気だったよ。」
「いや、しかしな」
ボクは畳み掛ける。
「パパ、グロー先生はなんて言っていたの?同じようにボクが魔法を使ったらダメだって言っていたの?」
「いや、それは言ってなかったぞ」
「じゃ、1回だけ。あと1回、オス鳥が居ないとあの鳥増えないから」
「卵と鶏肉を食べるなら絶対に繁殖必要だから、ね、お願い、パパ」
「うむ」
カイトが話してることは納得できるし、確かにそうなんだ。でも、顔色悪くして倒れていたカイトを見て、また同じような事があって。昨日は運が良かっただけで、万が一目覚めなかったらどうするんだ。
「ボクちゃんと練習もしなきゃ。鑑定も練習必要でしょ?ニコイチも練習したい。練習してちゃんと使いこなせるようになりたいの。無茶はしない。必ずパパのそばでニコイチさせるから、だからもしボクがまた倒れたらパパがボクをベッドに運んで」
「うーん」
グローはたしか、カイトの魔法は《《鍛えれば》》と言っていたな。確かに練習しなければ魔法も上達はしない。
魔力酔いはするが、メスを1羽合体させたことでは、命には別状はないと言っていたしな。大丈夫なのかもしれない。私もついていればすぐにベッドに運べるしな。
「分かった。グローからも魔法を鍛えればあのように魔法酔いとか、魔法欠乏症にはなりにくいと聞いた。訓練としてやってみるか?」
「うん、パパありがとう」
ボクはパパに抱きついた。パパ大好きだよ、ありがとう。
「私は子どもに甘いな」
「カイト、今日はニコイチ魔法は使わないように。休みなさい。明日問題がなければ、明日試してみよう。パパが一緒にいる時にな。分かったか?」
「うん、パパありがとう。明日楽しみだね」
「そうか、では今日は何するんだ?」
「今から、鳥小屋見に行こうよ、卵を見たい」




