124話 交わらない鳥
なんでこうなった?
なんだ?アマナは私と街にでかけるんじゃなかったのか?
パパは何故か思い悩んでいる様子。
養鶏場って汚れるよね?多分。
なのに、パパはお出かけするようなオシャレしてるねー、なぜかな?
今は、馬車に揺られ~、揺られて~、
ガダガダの道を進んでる~♪
さっきまでの街並みはだんだん遠くなり~♪
見えるのはあたり1面、緑な草原!
ヤシ並木、ハイビスカス、ブーゲンビリア、どこまでも続く~よ、なんごく~っ!
「なんだ、カイト、ご機嫌だな。その歌はなんだ?初めて聞いたな。」
「あのね、適当に歌ってるだけだよ。ほら外の景色を歌にしただけなの」
「そうか、そうか。カイトには作詞作曲の才能もあるのか?これもイカルダの女神様のプレゼント、ギフトか?」
この子は一体いくつのギフトを賜っているのか?
「違うよ、ほんとうにただ歌ってるだけ~」
だってそうまでしなきゃさー、この馬車のクッシュン性が低いからね、このでこぼこ道、おしり痛くなっちゅうんだよー。どーにかしてー。痔になっちゃうぅー。
そんなふうに気を紛らわせていると段々と馬車のスピードが落ちてきた。
馬車の中から外を見ると、さっきの景色からは異なり、大きな小屋がいくつかあり、それから大きく場所をふたつに分けて、大きな柵で囲いが見えた。
ひとつの柵には大きくて多分1mくらいあるかな?黒と焦げ茶の混ざった鳥がいっぱいいた。赤いトサカがあるのがオスで、少し小さくて丸っこいのがメスかな?
もうひとつの柵の中には、白と灰色の混ざったこれまた多分1m位の鳥たちがいっぱいいた。これも黄色のトサカが立派なのがオスかな?少し小ぶりでトサカの小さいのがメスかな?
それぞれの柵には作業をしている人がいた。黒と焦げ茶の鳥の柵の中の人はおじいちゃん。
白と灰色の混ざった鳥の柵の中の人はおじいちゃんていうよりはおじさんだ。
どっちの柵も、鳥の放し飼いをしているのか、かなり広く取られている。
ソルジュさんが、おじいちゃんとおじさんに声をかけなにやら話している。
2人とも帽子を脱いで、ボクたちの馬車に向かい頭を深く下げたから、ソルジュさんがボク達の話をしたんだね。
ソルジュさんがボク達の馬車に近づいてきた。
「ダウニー様、養鶏場の主人と息子さんが見学を引き受けてくれましたので、今、馬車から降りますか?」
「ああ、降りるぞ」
ドアが開いた瞬間、あの独特の養鶏場の臭い、けどあまり臭くない。多分草の臭いも混じっているし、何より風通しがいい。パパから先に馬車を降り、ボクが降りる。
「りょ、り、領主、さ、様に、お、お初にお目に、か、かれましては、」
あ、緊張のあまり噛みまくりだよ。
「あー、大丈夫だ。普通に話していい。少し見学させてもらうが、いいか?」
「へ、へい」
「では、ワ、ワシから説明しますだ。」
さっきのおじいちゃんが緊張しまくりだから、おじさんが話し出した。
「この黒と、茶色の鳥は8~10年生きるが、卵を5~7年産んだらもう卵を産まねぇから食用にまわすだ。味は淡白だけど、柔らかくていいんだ」
「あっちの、白と灰色のは15年~20年生きるが、卵はあれよりは少なく産むけども、長い年月10~12年ほど卵を産むんだ。卵を産まなくなったあとは長く生きてるから、ちと肉が硬いけど旨みがあるんだ」
「オスもメスと同じくらい生きてますが、番のメスが役目を終わる時に一緒に食用に回されるだ。黒茶色と白灰色は決して交わらないす」
「ダウニー様、私たちが食べているのは、黒と茶色の鳥です。」
「うむ、そうか。」
「ね、パパ、ボクどっちも欲しい。どっちもオス、メスを5羽づつ飼いたい」




