123話 パパの勘違い
「はぁぁぁ…あんっ」
ね、そろそろ私、限界だわ。
「ね、ダウニー、もうこれ以上は…はぁ、はぁ………ね、もう、ねっ」
はぁぁ、ふぅーっ、確かに、私もそろそろある意味限界だ。今日はもういいだろ。
私は満足だ。張り切って8回もっ。
アマナが甘すぎるのがいけないのだ。
私は、少しの気だるさと、あの独特の情事の香りがむせる部屋で、汗が滲む妻の頬の髪をかき揚げ、耳にかける。高揚とした赤に染る頬を撫でると、妻は目を瞑る。
ゆっくりと開く目はとてもキレイだ。
目尻にあるホクロもなんとも言えがたく庇護欲をそそられるものだ。
ベッドサイドの水差しに手を伸ばした。
水差しには、メイドが気を利かせて、果実水がヒンヤリとしている状態で入っている。半日は保冷ができる魔法らしい。
それは便利だな。
コップをひとつはアマナに。ひとつは私で、それぞれに喉を潤した。
ほんの少しの冷たさだが、ひんやりとした
果実水は喉越しに一息つける気がした。
乱れた衣服やベッドは、私とアマナが汗を流している間に綺麗に取り替えられていた。
さっぱりした私は、アマナをベッドに誘う。
「あなた、もうダメよ」
「あー、わかった、もう出んよ」
「んふふ」
そうはにかむ妻は妖艶で事後のせいか、ますます魅力が増すばかり。
私の息子はファイティングポーズを取り始めるが、今日はもうやめておいた方が良さそうだ。
「カイくんの事で相談があるの。いいかしら?」
「ああ、いいぞ。カイトがどうかしたのか?」
「あのね、鳥の卵が欲しいって言うのよ」
「ん?鳥の卵がどうした?鳥を雛から孵して鳥を飼うとでも言ってるのか?」
「違うの。なんでも卵を食べたいようよ」
「卵を食べるだと?産まれる前に雛鳥を食べたいって事か?少し残酷過ぎないか?」
「違うようよ。私も初めて話を聞いた時は、カイくんの残酷な所があるってショックだったわ。でも、よくよく話を聞くと鳥が卵を産んですぐ、だいたい2~3日はまだ雛では無いらしいの。なんでも卵の黄身とか、白身とか、そんなふうに話していたわ、それを食べるそうよ。」
「色々詳しく聞いてみたら、鳥は雄鶏が居なくても卵を産むようなの。その卵なら1、2週間は割らずに保管できるそうよ」
「卵は美味しいらしいわ。栄養というの?体にいいとか言っていたわね。凄く美味しいらしいのよ」
「ただ、食べる前に養鶏場を見に行って確認したいらしいわ。」
ダウニー、考え込んでるわね。
けど、ここで畳み込むわ。
ダウニーに甘えるように、たわわなふたつの乳房を両腕で挟み、軽く持ち上げるようにしてダウニーの目の前に晒す。
大体これで私のお願いは聞いてもらえるんだけど。ほら、ダウニー、目がずっと私の胸元に釘付けね。
「養鶏場ってところにカイくんを連れていきたいの。いいわよね?」
おぅぅ、またアマナの悩殺ポーズだな。
これをされると適わんな。
つい、なんでも許してしまうぞ。
ま、アマナの甘えるお願いは可愛いものだからな。
宝石や新しいドレスをお願いされる訳じゃないしな。ま、お願いされたらもちろん買うけどな。お願いされなくても買うな。
そうか、今度また買いに行くか。
デートもたまにはいいだろう。最近忙しくて買い物も出かけることができてないしな。貴族は基本屋敷に商人を呼び出すが、呼び出すよりは息抜きで出かける楽しさがいいな。よし、今度出かけられるようにしよう。そうしよう。
「わかった」
あら、今日はすんなり許可を出したわね。
「じゃ、護衛の手配をお願いね」
よし、ソルジュに頼もう。
「わかった、手配しよう」
後日。
アマナとデートに行けると張り切ったダウニーが、「なぜ、カイトが一緒に行くんだ?」となってちょっとした一悶着。
「あなた、1度許可を出したんです。今更ダメだとは言わないわよね?」
のアマナの一声で、カイトの養鶏場見学行きが許可された。
もちろん、パパ同行で。ママはお留守番で。
「パパありがとう。さぁ、早くいこーよ」
ボクは微妙な顔をしたパパの手を取り馬車に乗る。
卵が手に入るってワクワク感でパパの微妙な顔には気付かず。
ママに任せたらパパからの許可が得やすいっていう便利な技をひとつ覚えたよ、ンフッー、今後このママの技使わせてもらうねっ。




