116話 魚骨の肥料の驚きの効果
《《はい、ご主人様。この世にない肥料をご主人様が作り出したことにより食物、トマートゥが異常繁殖したようです。しかも、エグ味もなくなり、甘いトマートゥになってます》》
え?うそっ。エグ味ないの?甘いの?
え?ほんと?嬉しい、食べたい。
ボクは迷わず畑からトマートゥを採る。
洋服の端でトマートゥを拭き拭きして、そして、躊躇うことなくガブリついた。
いやー、もー、甘ーい。
全然ちがーう。これフルーツじゃん。
もしかして、もしかしたら…
ボクの思考を止めたのはママ。
「カイくん、なにしてるのかしら?」
え?怒られちゃうの?はしたないとか?
貴族がこんなことしちゃダメって?
「ママには、ないの?」
あれ、そこなんだねー。
なんだか、食に対してママの本性が出てきた気がするよ。案外ママって食いしん坊だねー。
「あるよ、ママにもあげるよ、食べてみて、驚いちゃうよ」
ボクはママにもトマートゥを採って、また洋服の端で拭き拭きして、ママにトマートゥを渡す。
受け取って、ママは少しだけトマートゥを眺めてる。
あれ?たべないの?あれかな?ナイフとフォーク必要だったかな?
おー、ガブって食べたよー。ママ、固まったよ。目が開いてるよ。口角上がってるー。どう?どう?美味しい?美味しいよね?
「なんて甘いの?このトマートゥってこんなに美味しいものなの?」
あ、そうか。ママは生のトマートゥの味を知らないんだよね。チキントマートゥスープで酸味やエグ味とかなくなった、あの味しか知らないからなー。
「違うよ、ママ。ボクが初めに採ってきたトマートゥはエグ味も酷くて美味しくなかったよ。それがこれは違うんだよ。魚の骨を使った肥料は、野菜の美味しさを引き上げてくれるんだよ。だからトマートゥも甘くなったんだと思うんだ、きっと」
「そうなのねっ。美味しいわ」
「あのー、坊ちゃん?オラも食べたいだす」
だよね?だよね?さっきから食べたそうにしていたもんね。
「うん、カマチョもぜひ食べてみて」
「ありがとうごぜーます。いただきます」
おー、大きなひと口じゃん。迷わずにたべたねー。カマチョはトマートゥ食べるの初めてじゃなかった?
あの時ね、チキントマートゥスープは、ボクの家族とセバスとマールの分位しかなかったはず。あとはゴードンが味見をした程度だったし。
きっとボクとママがさっき食べた様子とか、話を聞いて気になったんだよねー。
あ、パパが走ったきた。セバスと同じくらい早いけど?
「なんだ?カイト。話はセバスから聞いた。あれがさっき植えたばかりのトマートゥだというのは本当か?」
パパはめちゃくちゃびっくりしてるねー。
セバスもびっくりしてるみたい。
さっき見てるから衝撃はパパ程じゃないね。
「そうなの、パパ。肥料蒔いて、トマートゥ植えたら、すぐにね芽が出て、にょきにょき生えて、トマートゥがなったのよ」
「本当か?そんなことがあるのか?」
「あなた、私もこの目で見たわ。驚く速さで芽が出てあっという間にこの通りよ。」
「うむ」
パパ、眉間にまたシワ寄ってるよー。
「どうしてこうなった?」




