112話 選ばれし者 その2
「お兄ちゃま、ご本、すごくたのちみね」
楽しみすぎて足をブラブラしているアリが可愛いー。
「うん、すっごく楽しみだねっ」
「ねぇ、マール、早くご本読んでっ」
はー、アリのおねだり可愛かよー。
うつ伏せで顎に両手置いてるのも可愛すぎる。
「はいはい、お待たせしました。アリアーナお嬢様が好きなお話だと思いますよ。」
マールの用意してくれた本は2冊。
出された本を見てボクは飛び起きる。
マールから本を受けとり、じーっと見る。
「あら、お坊ちゃまは《《またこのデザイン》》がお気に入りですか?」
「うん、ちょっと見せて…しばらく借りるよ」
きっとマールは予想していたんだろう。
マールはもう1冊の本を用意してて
「アリアーナお嬢様、カイトお坊ちゃまはあのご本のデザインが気に入ったようですよ。こうなるとしばらく眺めてしまわれるのでこのままにしておきましょう」
「お兄ちゃまはアリといっちょにご本読まないの?」
「そうですね。お兄様は別の本が気になるようですよ。アリアーナお嬢様、このご本マールが読んで差し上げますね」
「うんっ、早く読んで」
「昔昔、あるところに………」
ボクはマールとアリのお話が耳に入ってこなかった。それどころじゃないから。
ボクが釘付けになっている本。
《《また、日本語》》だ、またテンション上がるよね?ナップルの本以来だよ。
《選ばれし者よ、また、会ったな》
っておいっ!又ってなんで2回目って知っているの?ん?右上になんか書いてある。
《その2》
その2ってなに?その2って。ナップルの本は《その1》だったのー?
なんか笑えるんですけど!
ニタるボクは「カイトお坊ちゃまニヤニヤしていますよ」って訴えるマールの視線には気づいてない。
さ、続きを読もう。
《選ばれし者、そろそろ会えるだろうと思っていた》
っなに?なに、そろそろあえるだろーって。なに、君、本の人ってエスパーなの?予知能力者なの!?びっくりするけど?
《そう、驚くな》
いや、驚くからね。なに?今、ボクと会話してるの?
《選ばれし者よ、聞くが良い!選ばれし者、これは物語ではない。真実である。この言葉の意味を知る者には私から富をもたらそう》
始まったぞ!2回目もこの下りから始まるんだね。
《この文字を知らない者にはこれはただの飾りでしかない。選ばれし者しか知ることの出来ない真実である。選ばれし者よ、裏にあるもう1つのメッセージを読みたまえ!つづく》
?ほぼナップルの本と一緒じゃないか。違うのは《つづく》って。《つづく》ってなーにー?
ボクは本を引っくり返すと、また日本語が綴られている。
《さぁ、選ばれし者よ。私の導きに従うとはお主素直だな》
はい、はい、ちょっとウザくなってきたぞっ。
《まあよい!素直なものは好ましい。》
そーですかー!
《選ばれし者よ、求めるものはすぐ近くにある。見落とすでない。見間違うな。目を凝らして見よ。虫が列をなしているだろう。》
《虫に問いなさい。「この草は甘いか?」そうすると虫はこう答えるだろう。「この草は甘くないさ」虫が言うのは事実である。》
《この草は甘くない。よいか、食べられはしない。決して食べてはいけない。試しても行けない》
はいはい、分かりましたっ。
草食べたらダメなのね。




