103話 領民の男たちの会話
「おいおい、領主様、相変わらず女共の心鷲掴みでさぁ、こりゃ、1週間はずっと「領主様はかっこいい」って聞かされちまうな」
「ああ、うちの女房も、子ども5人も産んでんのによー、目が恋する乙女だぜ」
「領主様見た日にはよ、ヤケに甘えてくんだぜ。夜なんてお盛んだぜ、俺は嬉しいけどよ、絶対真っ暗じゃなきゃダメなんだぜ、なぜだ?」
「まあ、俺たちにも優しい領主様だから頭が上がらねーな」
「ああ、領主様がよ、あの10年前の戦ん時、5万の敵の兵士をひとりでなぎ倒したんだろ。」
「何言ってんだ、俺は10万って聞いたぜ。あの真っ赤な髪に、赤い目、赤い血を全身に浴びて仁王立ちしてたって聞いたぜ」
「あー、あのなんだっけか?えっとなぁー」
「あー、あれだよあれ、孤高の」
「「「「「「「「「大魔神!」」」」」」」」」
「そーだ、そーだ、しばらくみんなでビビりまくってたな。そーいやお前、あの頃な、領主様見た時小便ちびってただろー」
「やめろ、あれは、俺様の人生唯一の汚点よ」
「けどな、戦が終わってよ、なんも無くなっちまったこの領をここまで復旧してくれたのは領主様よ。」
「ああ、なんでもあん時の報奨金みーんなこの領を復興させるために、惜しげも無く使ってくださったって話じゃねーか」
「そだ、そだ、お貴族様はよ、税ばかり上げやがって、自分の懐からはちーっともだしやしねぇなんて聞いたことあるぜ」
「それに比べりゃ、なんて出来た領主様だ」
「あー、そうだな。」
「だからよ、女房が「あなた、今日は灯り消して」って言われたら真っ暗にしてやるさ」
「あ~あ、今夜もきっとそうさ。俺たち今夜は女房の《《オカズ》》だな」
「「「「「「「「「ガハハハハ、ちがいねぇ」」」」」」」」」
色々な声が混じってるけど、みんな歓迎ムードみたい。
パパがみんなに手を振ると、罪作りかな?女の人達はみんな頬を染めてクネクネしだしたよ。
男の人たちはみんな笑顔で「領主様ー」って野太い声を上げて手を思いっきり振っていたり、挨拶してくれたりだ。
「さぁ、カイト、皆が私たちを歓迎してくれてるぞ。カイトも手を振ってあげなさい」
「うん」
第一印象は大事だからね。
とびきりの笑顔で行くね。
ニッコニコしちゃうよ~、ニコッ
ついでにコテッ、トドメよ、お手振り。
こんな感じ?
あら、パパどーしたの?
「うちの息子が可愛すぎるっ、くーぅ!」
やっぱりお披露目は早かったか?
こんな可愛い息子、誰かに攫われるかもしれん、ずっと抱っこだな。
「みんな、私の息子のカイトだ。これからよろしく頼むな」
みんな、パパの一声に一礼し、拍手が溢れる。それは段々と広まり大きくなっていった。
パパは満足そうにみんなを見渡している。
パパは領民に慕われてとてもいい領主だって初めて知れた、嬉しい。
そして、そこのおじさん達。パパの武勇伝教えてくれてありがと。しっかり聞こえたよ。ボクのパパはすごいんだね。
孤高の大魔神だってー。
戦の事はボクが産まれる前の事だからよく分からないけど、ここまで平和な街を作ったのがたった10年って、凄いことだよ、パパって凄いんだね。
一通り落ち着いてきたかな?
「パパ、ボクを下ろして」
「いや、ダメだ」
え?なんで?ボク歩けるよ。
もう4歳だよ。赤ちゃんじゃないよ?
「こんなに可愛いんだぞっ、攫われたりしたら大変じゃないかっ」
え?心配するとこ、そこー?
過保護にも度が過ぎるー。




