表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生領主一代記──伯爵四男に転生したので辺境開拓したら、いつの間にか公国建国して連邦王国まで出来てた件  作者: 想いの力のその先へ
第三章 17歳 辺境領、フェネクス

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/79

四十七話

「……王都での工作はどうです?」

「はいな、問題ありませんとも。ウチの手の者が商談ついでに噂を広めとります」


 わたくし、マイア・ディオスクロイは屋敷でマーネン商会の頭取。ヴァン・マーネンから説明を受けていました。

 なにしろ、今回はわたくし自身、肝いりとしてマーネン商会へ指示を出しています。


 ――辺境領の金鉱。この情報をなんとしても秘匿せよ、と。


 彼、イオス公爵家嫡男のイクリルくんから、辺境領にて金鉱が複数発見された、と聞かされた時はさすがに耳を疑いました。

 まぁ、すべて本当だったわけですが。それはそれで救いがないのですけど。

 どうやら、アインくんは公爵家に報告を上げるとともに独自に動いていたようです。まさか、都市建設計画を見せられるとは、夢にも思いませんでした。そして、それが有用そうなのが、また……。


「大規模な都市建設計画など、財政が持つのですかね?」

「そのためのワイらとの繋がりかと。都市建設後、優先的な取引の契約も交わしておりますし」

「……ふぅ。前のめりすぎるのも考えものですわね」


 ですが、それをしないと時間が足りないのも事実。あの愚弟、アクラに嗅ぎ付けられる可能性もありますし、ダレスも気付いてしまうかもしれない。

 それだけではありません。噂ではヒアデス帝国が軍備増強を行っている、という話もあります。

 そして、おそらく。それは噂では終わりません。事実、ヒアデスの一部地域で鉄の商取引が盛んに行われている、という調査結果が届いています。近く、数年以内の軍事侵攻を企んでいるのかもしれません。


「……ふぅ、なんと愚かなこと」


 父王の、お父様が健在な時はこのようなことあり得ませんでした。パルサ王国は周辺国一の軍事国家。そのパルサが睨みを効かせることで平穏が保たれていた。

 しかし、お父様の病でそれにも陰りが差している。


 サルガス王のパルサ王国は威信があった。でも、ダレス、アクラには周辺各国を抑える威信がない。

 それに、アクラの周囲。帝国貴族の影が見えます。我が国の内乱を煽ろう、という魂胆でしょう。


 そして、帝国の狙いは我が国――ではなく、隣国。プレア皇国。なにしろ、いくらいずれ内乱に陥ったとしても、外敵が来ればひとつにまとまるのは道理。

 だからこそ、王国が内乱で動けないうちに皇国へ侵攻、併呑する。そうすれば、帝国の国力は王国に比肩する。そうなっては、一枚岩でない王国は……。


「それでもまだ、数年の猶予がある」


 その根拠はヒアデス帝国が食料を買い集めた、という情報が入ってないこと。

 鉄は軍事物資、早い話が剣や鎧などの消耗品を作製するのに使います。ですが、食糧は違う。あれは軍の屋台骨を支えるものです。

 むろん、装備が支えない、等というつもりはありません。しかし、一番の問題として食糧は腐る。長期的な保存が出来ないのです。


 もちろん保存食。干し肉などはその限りではありません。ですが、食糧。食事というのは軍の士気に直結する。半端なものは出せないのです。

 その準備をしていない。それはつまり、帝国はすぐに動くつもりはない、ということ。


 まぁ、こちらに悟られぬよう小規模な取引に抑えている可能性はあります。ですが、それでは紛争を収めることは出来ても、戦時動員は不可能。つまり、言い換えれば戦う意思はない、という宣言に他なりません。


 つまり、その間に辺境領。あの地を整備しなければならない。


「あそこは遠方であるけど、帝国との国境に近い」

「えぇ、物理的には森林という壁がありますが、それが開拓されれば……」


 むろん、目と鼻の先。なんて距離ではありません。ですが、王国の他地域より近いのは事実。本来、そんなところへライナを避難。預けたくありませんが。


「かといって、他に安全な場所というと……」


 正味、検討が着きません。なにしろ、一部の奴隷商のなかで王族。わたくしの縁者たちの姿をみた、なんて話もあります。


「ヴァン、調査の方は?」

「八方手を尽くしてますが……」


 いまだ、芳しくないと。

 あの愚弟。本当に愚かなことをしてくれたものです。


「金に糸目はつけません。探しなさい、そして保護を」

「その後はいかに?」

「そうですね……。あぁ、うってつけの場所があるじゃないですか。そこに連れていきなさい」


 わたくしの指示に、ヴァンの笑みが深まります。どこに連れていくかそれだけで理解できたのですから。


「はいな」


 そう、うってつけの場所。辺境領には色々な意味で隠れ蓑になっていただきましょう。

 金鉱、という意味でも。王族たちの保護者、といういみでも。そうすれば、ライナ保護のための布石にも出来ます。


 そうなると、イクリルくんとも早急に会合を開かねばなりませんね。今後の段取りを組まないと。


 わたくしは、今後の展望について考えを巡らしながら、いつ会合が可能か。スケジュールを確認するのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ