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彩られる作品【仮】  作者: 三愛 紫月
待てを言われた僕達は…。
76/135

③

「もっと、もっと、凄い」


海斗は、母親が知らない男と寝室で、何かをしているのを目撃していた。


その何かをきちんと理解していたし、全く興奮しなかった。


母親は、モデルと間違われる程美しく綺麗な人だった。


海斗にとって、母親は幼い頃からの自慢の対象だった。


しかし、そんな母親は今、二人の男とベッドで交わっている。


「もっと、もっと」


「有希子さん、気持ちいいよ」


獣みたいな声をあげたり、息づかいが聞こえる。


母親は、一人の男の上に乗って狂ったように腰を振っている。


そして、もう一人の男のものを口に咥えている。


母親のスラリとした足に、キラキラと汗が光る。


「もっと、もっと」


目が合った。


ニコッと微笑まれた。


「したい?」


真っ赤な唇は、俺にそう言った。


ブンブンと首を横に振った。


「じゃあ、見てて」


そう言って、また腰を振り出した。


「こっちもして」


そう言われて、もう一人の男は背後から母に…。


「凄い」


母親は、よがり狂いながら俺をただジッと見ていた。


それは、父親が帰宅する二時間前まで続いた。


俺は、部屋に隠れた。


男達が、帰ったのを見届けて俺は寝室に行った。


「何してるの?」


「何って?」


母親のスラリと伸びた太ももの間から、白い液体がポタポタと垂れていくのが見える。


「それだよ」


「しっーだよ。かいちゃん」


「父さんは、知ってるのか?」


「知るわけないじゃん」


「何で、こんな事してるんだよ」


「だってね、つまんないから。父さんのセックスつまんないのよ。母さんはね、いじめられるのが好きなの。複数人に…。わかる?」


「触(さわ)るな!」


母親が、髪を撫でようとしてきてそう言った。


「かいちゃんも、母さんの子よ。きっと、大好きよ。セックス」


「ふざけるな」


「混ざりたいなら、してあげてもいいわよ」


「ふざけるな」


「かいちゃん、これは気持ち悪くないのよ。気持ちいいの。わかる?」


「わかるか」


「いつか、わかるわよ!海斗」


そう言って、母親はニコッと微笑んだ。


父親が、どのタイミングであれをしったかは知らなかった。


気づけば、二人は毎晩、毎晩、喧嘩をして、母親は出て行ってしまった。


俺は、長期の休みになるとあれを覗いた。


嫌悪感が積もっていきながらも、母親の気持ちいい気持ちを解りたくもあった…。


心と心が、複雑で…。


切り離す事が出来なかった。


別に、下半身に熱をもつ事もなかった。


ただ、人形のように思えていた。


もう、最後は下らなくて笑えていた。


頭の中に、母親の映像が流れては消えた。


俺の恋愛対象者は、男になった。


母親が、気持ち悪かったからか、男にされてる母親の気持ちよさを知りたかったからなのか…


神様、どちらでしょうか?


俺は、汚(きたな)く、醜い、存在でしょうか?


だから、罰があたったんでしょうか?


セックスは、汚(きたな)い行為なのでしょうか?


神聖な行為なのでしょうか?


誰か、教えてくれませんか?


.

.

.

.

.

.


「大丈夫?海斗」


「うー。寝てたか」


「疲れてるんだよ。お風呂はいって寝たら?」


「そうだね。最近、忙しくて。でも、まだ七時半だし」


「早くても、疲れてる時は寝る方がいいよ。晩御飯食べて寝たら?温めようか?昨日のカレーだけど」


「うん、やめとくわ。お腹すいてない」


「熱ある?」


「ないよ」


凛音は、海斗のおでこに手を当てる。


「大丈夫みたいだね」


「大丈夫。夏バテかも?」


「まだ、夏には早いよ。5月の終わりだし。」


「最近は、暑いよ」


「そうだけどね」


「ごめん。歯を磨いて休むよ」


「海斗」


「何?」


「悩みがあるなら、聞くからね」


「うん、じゃあ、おやすみ」


チュッ


俺は、凛音のおでこにキスをして歯を磨きに行った。


父親が、マンションを残してくれたお陰で、俺は凛音と高校を卒業してからずっと一緒にここに住んでいる。


俺への贖罪なのか、何故か家賃だけは払ってくれていた。


俺は、歯磨きを終えて寝室にやってきた。


ベッドに横になった瞬間、吸い込まれるように眠ってしまった。

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