④
あれから、3年が経ち。
私達は、結婚して13年目を迎えていた。
ピピ…ピピ…ピピ…
「ふぁー。」
「今日、婦人科行ってみるんだろ?」
「うん。生理きてないからさ!」
「出来てたりする?」
「それなら、ハッピーじゃん」
「あっ!やば、風呂入るわ」
「うん、朝御飯するよ」
生理がこなくなって、三ヶ月が経った。
妊娠、この歳で?
41歳、悪くないじゃん。
私は、ウキウキしながら朝御飯を作っていた。
お弁当も、完成。
「朝御飯出来たよ!はい、水」
「ありがとう」
「「いただきまーす」」
私達は、喧嘩もするけど仲はよかった。
「じゃあ、行ってくる」
「私も、今日婦人科行ってくるね」
「おめでただったら、いいな!」
「本当なら、検査薬するべきなんだけどね。癌検診もしたいから!それに、あの思いは嫌だから」
「いいんじゃない?病院で!じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
私は、慎太郎を見送った。
あの地獄は、嫌だった。
ストレスと無排卵で度々生理が飛ぶ度に妊娠したのではないかと浮き足立つ。
喜んで検査薬を使い、真っ白で絶望して、ゴミ箱に投げ捨てる。
空しい日々の繰り返し、排卵チェッカーも一度も線つかなくて…。医者が言うことは、本当だと実感した。
朝御飯の片付けを終えた。
朝イチ行かないと、妊婦さんばっかりなんだよ!あそこ…。
私は、掃除、洗濯をして、車で産婦人科に向かった。
朝イチは、人も少なくてよかった。
診察が終わり、項垂れた。
お会計を済ませて、家に帰った。
「ポム、ただいまー」
涙が流れてきた。
そんなに、上手くはいかないに決まってるじゃんか…。
また、ストレスと無排卵だと!!
二度と病院なんか行くか!!!
私は、もう一度外に出る。
肉を食ってやる!!
5000円もするけど、いいや!
ステーキ肉を、買って帰宅した。
「ポムー。一万も使ってしまったよ。アハハハハハ」
笑いながら、涙が流れてくる。
何で、何で、何で、何で、何で…
慎太郎をお父さんにしてあげれないの?
私は、お母さんになれないの?
何で、何で、何で、何で、何で…
期待させるのよ。この体の馬鹿。
泣いて、泣いて、泣いて、眠ってた。
「ただいまー」
ヤバ!慎太郎の声で起きた。
パチッ…。
「体調悪い?」
「ううん。」
「今日のご飯何?」
「してなかった。」
「そっか」
「ごめんね」
「謝る必要ないよ」
「ごめんね」
「何で、恵美子が謝らなくていいんだよ」
慎太郎は、私を抱き締めてくれる。
「頑張ったね。一人で、頑張ってきたね。」
「うん」
「お腹すいたーー。」
「ステーキ買った!一万」
「ヤバいな!それ」
「だって、私達、葬式代と老後の資金以外いらないじゃん。だから、使えるじゃん。お金いっぱい」
「それな!それが、俺達の強みだわ!ポム連れて、いろんな所に行こうな!」
「うん」
私は、ステーキを焼いた。
「うまっ!一口目から、うますぎだわ」
「わかる!やっぱ、美味しいわ」
「ポムにもちょっとあげた?」
「うん、喜んでる」
13年目も、私達は幸せだった。
変わらなかった
慎太郎は、私の同士で
一番の理解者で
ずっと、ずっと、変わらない。
私達は、馬鹿だから期待して、期待して、この頃は体の関係を週2、3回は続けていた。
それでも、まったく妊娠する事はなかった。
期待しては、裏切られる。
自分の身体が、だんだんと嫌いになっていた。
「恵美子、おやすみ」
「おやすみ」
慎太郎の腕に抱かれて眠る。
一つのベッドで、眠る。
それは、すごく幸せで
このままが、一生続くのも悪くないかもと思えた
それでも、私は慎太郎との子供を望んでしまう。
だから、駄目なんだよね。
慎太郎の寝息を聞きながら、私はゆっくり目を閉じる。
大多数がもっている当たり前を私と慎太郎は、手に入れられない。
どうして、願いは叶わないの…。




