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彩られる作品【仮】  作者: 三愛 紫月
【心だけが繋がらない】
28/135

③

「お風呂、沸かしたで!何や、寝てもうたんか!」


俺は、風呂のスイッチを止める。


寝室から、毛布をとってきて夏に被せた。


「出会った時から、思ってたけど…。睫長いな。綺麗な唇やな!プックリしてて」


俺は、夏の唇を指で、なぞった。


barで夏に出会って、沢山話をして、半ばストーカーのように会いに行った。


落とせた時は、嬉しかった。


最初から、秋を忘れられる気がしてた。


話をして、同じ傷を持ってるのがわかった。


俺、夏を好きになれたら幸せなんやろな…。


人生、思い通りにいかへんな…。


こんなに、身体を重ねても何一つ心が動かへんっておかしいよな。


毎月13日は、秋の為に一日を使う。


夏も同じだ。春さんの為に使う日が、一日ある。


一緒に暮らしたらどうするべぎだろうか?


漫喫かカラオケにでもおるか…?


ヤバい、何かねむなってきた。


夏の寝息聞いてたら、アカンわ。


.

.

.

.

.

.



「冬、俺の彼女妊娠した。」


「えっ?」


動悸がするぐらい、心臓の鼓動が速くなる。


「結婚するって…」


「そっか」


当たり前だよな。妊娠したら、結婚するに決まってるよな。


「俺、もう生きていきたない」


「えっ?秋が、結婚するんやろ?」


「ちゃうよ。彼女が、別の男と結婚すんねん。」


俺は、喜んでいた。


秋が、結婚するんじゃないならよかったって…。


酷いけど、嬉しかった。


「そうなん。」


嘘つきだ。悲しそうなフリした。


「俺が、結婚したかった。志保を幸せにするんわ、俺やと思っとったから…。」


「秋………。」


「冬、俺もう死にたい」


「何で、そんなんゆうねん。」


「志保とおられへん、俺なんかいらんねん」


「そんなんゆうなや。新しい恋を探してみろや!秋、一人に縛られてたアカンで!今は、悲しくても、未来は笑ってるって」


「冬に何がわかんねん。恋愛もした事ない人間が、偉そうにゆうな。新しい恋なんか出来るわけないやろ」


泣きそうな気持ちをグッと堪えた。


秋の方が、俺の何がわかんねん。


お前を好きやのに、頑張って隠して生きてる俺の気持ちの何がわかってんねん。


秋がいなくなったら、生きていけないなんて言ったらひくやろ?


今、好きって言ったらいなくなるやろ?


気持ち悪いって、言うやろ?


「ごめん。俺、最低やな。別の人に相談してや!俺じゃ役に立たんから」


ここにいたくない。


泣いてしまう。


下を向いて、俺は帰ろうとした。


「ごめん。冬、言いすぎた。なあ、冬。何で泣いてるん?」


ヤバい、顔見られた。


「ごめん。俺、もう帰るわ」


「俺が、いなくなったら嫌なん?」


「あ、当たり前やろ」


「俺ら、親友やもんな」


「うん」


「でも、俺……。生きれるかな?」


「俺が、おるやん。いっぱい会って、いっぱい話聞くから。せやから、せやから、生きとってくれや。秋」


「わかった。もうちょい頑張ってみるわ」


秋は、ニコッて笑って俺を抱き締めた。


そうゆうとこが、ズルい。


好きな気持ちを離してくれない。


でも、俺はあの女とは違う。


秋を絶対裏切らないから、だから生きててくれ。


暫く、秋は落ち込んでいた。


あの日から、10日後。俺は、秋の家に呼ばれていた。


「ごめんな」


「ううん」


「おかんとおとんと妹が、旅行いっとってさ!寂しくて」


「うん」


秋の家は、マンションの五階やった。


「冬、好きな人は?」


「おらんよ」


「イケメンやのに、彼女作らな勿体ないで」


ヒヤッとした手で、頬を撫でられた。


「イケメンやないし、モテへんし」


「高校の時、冬を好きなやつ。いっぱいおったで」


いれてくれた、珈琲をおかれる。


俺の横に座った秋の様子が、おかしい。


俺の頬を冷たい手で、また触る。


「冬、幸せにならなアカンで」


「ええよ、秋とおれるだけで」


「なあ?もしかして、男が好きとかなん?」


「はあ?何、ゆうてんねん」


誤魔化すのに、必死だった。


うんって、言うのが怖かった。


「そうよな。そんなわけないよな。もしそうやったら、一緒におるわけないもんな」


秋の言葉に、心臓がチクりと痛む。



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