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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第三章
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琴乃の修行

 文化祭の開催が決まっても、太陽のやることはあんま変わんない。今日は週に一回の琴乃に修行を付ける日だ。朝早く彩の家へ、琴乃を迎えに行って。修行開始から使っている訓練場につくと互いに構えを取って向かい合う。


「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」


 互いに武道の心得はある。太陽はもともと住んでいたところの道場で習い、琴乃は彩のボディーガードとしての役割も任されているのでそれなりに近接戦ができる。ただ、琴乃は精神的には十五の高校生なのでテロリストや頭のおかしい誘拐犯への対応が遅れるのは仕方ない事である。

 太陽は琴乃にボディーガードとしての能力を高めてもらうための訓練を施してもらうように頼まれたので、黒帯の修行に合わせて、格闘技の手合わせなんかしたりしながら精神面も鍛えている。


「じゃあ、準備運動したら早速手合わせでもしようか」

「はい、お願いします」


 準備運動して体を温めると、早速構えを取って体を動かす。先ずは琴乃に攻めさせる、太陽は琴乃の拳や掌底を目でしっかり捉えて捌くなり、弾いたりしている。


「ふんっ」

「うん。大分、動きに無駄が無くなってきたね。四肢に攻撃を当てようとしなくなったのは良いよ、体の中心当たりを狙うと相手を素早く倒せるから何時でも狙えるようにね」

「はいっ!」


 琴乃は教わった通りに、太陽の身体を狙っていく。太陽も打たれても問題の無い所は攻撃を受けてやり、その時だけは反撃をして琴乃を何発か殴る。琴乃も反撃は予想していたので、上手く捌いて腕を掴んで関節技を決めようとする。腕を掴まれた太陽は側面に回って決められない位置に移動し、琴乃をしっかりと掴んで投げる。


「うっ!」

「動きが良くなってきたし、躊躇することも無くなってきたね」

「あ、ありがとうございます……」

「ちょっと、休もうか。水分補給もすると良い」

「はい、そうします」


 琴乃は太陽に有効打を与えられなかったのを気にしているようで、少し気落ちしているように見える。太陽はそこを見抜いて気遣うように声をかける。


「関節技への移行はすごかったよ。俺も結構うまくやらないと決められるところだったよ」

「そうですか? その割にはあっさり抜けていったような」

「そこら辺は指導役としての意地だよ。経験者は何とかするだろうけど、チンピラ位なら上手い事いなせるようになると思うよ」

「そうですか? えへへ、ありがとうございます」

「あと、俺は体格差が大きいので抑えきれないなら鳩尾を狙うのが良いよ」

「……頑張ってみます」


 苦笑いをして動きを改善してみようと琴乃は気を引き締める。が、今は休憩中なのでそれはそれとしてしっかり休むことにする。


✿  ✿  ✿


 黒帯の練習も忘れていない。琴乃にはかなりの才能があった様で、もう辰馬と同じ様に小物の生成位は出来るようになった。


「おお、上手い上手い」

「んんっ、上手く維持できない、です」

「一瞬だけでも維持できるなら、ボディーガードには十分だと思うよ」

「そうですね。でも、もっと頑張ります」


 琴乃は可愛らしくガッツポーズを取って、やる気を見せる。太陽もそんな琴乃に付き合って、体内の霊子の経路の流れを整えたり、霊子の放出量を上げる訓練を行ったりして琴乃が大量の黒帯を扱えるようにしている。ただ、急激に能力を上げると放出量が体内の貯蔵量を超えることになるので、最悪魔法が使えなくなるか、自分の魔法で自爆する。


「それとMAEには黒帯は注がないようにね」

「えっと、どうしてでしょう?」

「細かいことは省くけど、普通のMAEの能力じゃ黒帯は加工できない。だから、魔法を使おうとすると制御がしづらくなる。まぁ、一連の動きをマニュアルで制御できるなら必要はないんだけど」


 そう言って太陽は右手で自由自在に火の玉を操る。その様子を感心したように琴乃は見ている。

 魔法は発動後に自由に動かすのは難しい。魔導師が操作できるのは霊子だけであり、変換した後の火や雷は操作ができない。その為、テクニックとして魔法に使用した霊子を半分はそのままでもう半分はエネルギーの様な不安定な状態にすることで現実世界に出現した状態で火の玉が動くことになる。なので、太陽がやっている様に火の玉を自由自在に動かすのは魔導師にとっては高度な技術ではある。本来なら作用する点に火を出せばいいだけなのでハッキリ言って無駄である。


「今、黒帯に対応できるMAEを開発中だから出来たら試作品を渡すよ」

「……ありがとうございます」

「じゃあ、もう少し頑張ろうか」

「はい!」


 その日は日が暮れるまでジンは琴乃に付き合った。

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