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その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
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89/948

#87

――それからミックスたちは、歩いていけるテストチルドレンがいると思われる研究(けんきゅう)施設(しせつ)を回(まわ)った。


だが、アミノから聞かされていたように、現在(げんざい)テストチルドレンとなっている子どもというのは、隔離(かくり)させられるほどの病(やまい)の持ち主(ぬし)か植物(しょくぶつ)人間状態(じょうたい)の者、さらには本人(ほんにん)、家族(かぞく)が了承(りょうしょう)した子に限(かぎ)り、サービスはそれのどれにも当てはまらなかった。


そのため、当然(とうぜん)研究所で働(はたら)いている研究員たちにも、彼女のことは見覚(みおぼ)えはない言われてしまう。


わかっていたとは、さすがに何十もの施設を訪(たず)ねたせいか、彼らもすっかり肩(かた)を落としてしまっている。


「なかなか見つからないわね……。おまけに今日は晴れるっていったていたのに、雨まで降って来ちゃったし。泣きっ面(つら)に蜂(はち)とはこのことだわ……」


「でもまあ、こんなもんだよね……ハハハ……」


ジャズがボソッというと、ミックスがいつもの渇(かわ)いた笑みを浮(う)かべる。


ニコも雨が苦手(にがて)なようで、すっかり曇(くも)ってしまった空を見上げて憂鬱(ゆううつ)そうに鳴(な)いている。


そんな中、サービスだけはそんな暗(くら)い空を見て笑っていた。


彼女は、空から水の雫(しずく)が垂(た)れてくるのが面白(おもしろ)いのか、両手(りょうて)をあげて必死(ひっし)に雨粒(あまつぶ)を掴(つか)もうとしている。


「サービスったら、風邪(かぜ)ひいちゃうでしょ」


ジャズが雨の中をはしゃいでいるサービスを捕(つか)まえ、彼女にびしょ濡(ぬ)れになると体調(たいちょう)を崩(くず)してしまうと伝(つた)えたが、よくわかっていないようだ。


不思議(ふしぎ)そうにジャズを見ながら、その首(くび)を傾(かし)げている。


それからミックスたちは、とりあえず雨が落ち着くまで。


先ほど訪ねた施設の出入り口で雨宿(あまやど)りすることにした。


その間(あいだ)、ジャズが施設にあるトイレを借りに中へと入り、ニコも彼女の後について行った。


残(のこ)されたミックスは、すでにかなり濡れてしまっていたサービスを向く。


そして、びしょ濡れになっている彼女の姿(すがた)を見てあることを思いつく。


「そうだ、施設(しせつ)の人にタオルとか借(か)りられないかな」


このままではサービスが風邪をひいてしまう思ったミックスは、彼女にここでじっとしているようにいうとジャズたちに続き、施設内にへと入って行った。


少しの間(あいだ)ならサービスから目を離(はな)しても大丈夫だろう。


彼はそう思ったのだが――。


「おそらがないてるのは……どうして……?」


一人になったサービスは空に向かってボソボソと呟(つぶや)いていた。


両手(りょうて)を広げ、先ほどは笑っていたというのに、今度(こんど)は今にも泣き出しそうな顔をしている。


「だいじょうぶだよぉ……。あたしがいるよぉ……」


サービスは空へ向かってそういうと屋根(やね)のある出入り口から飛び出した。


彼女には雨を降らす空が悲(かな)しんでいるように感じたのだろうか。


まるで泣いている友だちを慰(なぐ)めるかのように言葉を続け、その小さな手を伸(の)ばしている。


「そばにいるの? ねぇ……ねぇ……」


そして、サービスは何か導(みちび)かれるように、そのまま空を見上げて歩きだしていってしまった。

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