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その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
33/948

#33

それを見たジャズはナノクローンへ向かって走り出した。


ミックスもすぐに追いかけようとしたが、開いた傷口(きずぐち)から()()き出てその場でうずくまってしまう。


「ムチャだよジャズッ!」


「いいからあんたは早くこの場から()げなさいッ!」


ゆっくりと動くナノクローンに追いついたジャズは、(ひろ)っていた銃剣(じゅうけん)タイプのインストガンでその装甲(そうこう)()()す。


だが、ナノクローンは(まった)(ひる)むことなくそのまま進んでいく。


人間が(あり)()まれたようなものなのか、ジャズの攻撃(こうげき)などまるでなかったことのようだ。


「思っていた以上(いじょう)(かた)いわね。ならッ!」


ジャズは(きず)ついた身体(からだ)(いた)みに表情(ひょうじょう)(くも)らせながらも、ナノクローンに飛びついてその頭上(ずじょう)まで(のぼ)っていく。


そしてドローンの頭部(とうぶ)までたどり着くと、その(あたま)へインストガンの電磁波(でんじは)(はな)った。


しかしナノクローンは、()たれて損傷(そんしょう)した箇所(かしょ)など気にせずに歩き続けている。


「これくらいで(こわ)せないのはわかってる。だけど、これならどうッ!」


ジャズは(さけ)びながら、インストガンの先端部(せんたんぶ)に付いたナイフで、頭部の損傷した部分を突き刺した。


それによってナノクローンが(はげ)しく()れ始め、やがてその動きは完全(かんぜん)沈黙(ちんもく)


三体(さんたい)のナノクローンのうち、一体の止めることに成功(せいこう)する。


「これであと二体ッ! 絶対(ぜったい)に止めてみせるッ!」


自分に気合(きあい)を入れるように(さけ)んだジャズは、(のこ)りのナノクローンを追いかけて(ふたた)()け出す。


ミックスは傷ついた腹部(ふくぶ)を押さえながら(おどろ)いていた。


まさかジャズがナノクローンを止められるとは。


いくら軍人(ぐんじん)として(きび)しい訓練(くんれん)()んできているとはいっても、彼女は特別(とくべつ)(ちから)を持たない普通(ふつう)の女の子。


ミックスはそんなジャズに戦闘用(せんとうよう)ドローンを止めるなど、絶対に無理(むり)だと思っていた。


「やっぱ(あま)く見ちゃダメだね。女の子ってさ……」


安堵(あんど)ような(こま)ったような複雑(ふくざつ)な表情を()かべたミックス。


だがそのとき、(きゅう)に二体のナノクローンから、緊急(きんきゅう)事態(じたい)を知らせるようなサイレンの音が()り始める。


任務(にんむ)続行(ぞっこう)危機(きき)感知(かんち)しました。これより警戒(けいかい)レベルを引き上げます。()り返します。これより警戒レベルを引き上げます》


音声(おんせい)合成(ごうせい)――機械的(きかいてき)な声が聞こえたかと思うと、二体ナノクローンは突如(とつじょ)走り出した。


そしてそのまま進みながらも、追いかけてくるジャズに向かって、その手から高出力(こうしゅつりょく)のレーザーを放ち出す。


ナノクローンを開発(かいはつ)したエレクトロハーモニー(しゃ)科学者(かがくしゃ)が、ブロードに(ゆず)るとき自慢(じまん)していたスモールコーラスというビーム兵器(へいき)だ。


「ジャズッ! ()けてッ!」


ミックスが彼女のことを心配(しんぱい)して叫ぶ。


ジャズはスモールコーラスをなんとか避けてはいたが、先ほどのように近づけないでいた。


ナノクローンの進む速度(そくど)が上がっただけではなく、反撃(はんげき)もしてくるようになったのだ。


もはや止める(すべ)はない。


もう間に合わない。


だが、それでもジャズは――。


「ここまであたしを(たす)けてくれた人のためにも……あいつのためにも……、絶対にあきらめるもんかぁぁぁッ!」


放たれるビームを避けながらも近づいていく。


しかし、二体のナノクローンから(ねら)われれば避けきれるはずもなかった。


「ジャズゥゥゥッ!」


ジャズに向かって二方向(にほうこう)から飛んできたスモールコーラス。


このまま彼女は高出力のビームによって()かれてしまうと思われたが。


「お姉さんカッコいいッ! 私、()れちゃいそうですッ!」


そのビームはいきなり(あらわ)れた少女によって(はじ)かれたのだった。

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