第11話「VS 魔法使い」
本日、2話目です。
明日も、12時と18時頃に投稿します!
「ドリー!!」
「が、がはぁ……!」
よーしっ!
一人撃破ッ!
そして、血ッ、うんっっまー!
三日ぶりの新鮮な血に舌鼓を打ちつつ、追撃を加えていく。
「ドリーは死んだわ! それよりも、防御を!……ここはミミックの狩り場よ!」
「くッ! そうかミミックの──ぉぉぉおおおおお?!」
ガキーン!!
背中に負っていた盾を抜いた優男が、それで舌撃を回避&防御。
見事に追撃を防ぎきる。
「ちぃ!」
……思ったより、やる!
「いったん退いて! 巣穴の中ではこっちが不利よ!」
「おう!」
くっ!
オマケにこの女冷静だ──……ドリー君がやられたのに、ほとんど動揺していない。
それどころか、ドリー君はじつはまだ生きている。
だのに死んだと言い切るとかっ!
……しかし、致命傷なのは間違いないので、いつ死ぬかだけの違いなので、死体には相違ないが──……判断が早いッ!
「くっそー! お前から仕留めればよかったかー」
思わず漏れる本音にぎょっとする優男たち。
「な?! しゃ、喋った?」
「馬鹿な! 知恵あるミミックですって?」
ん?
そんなに驚くこと?
「なに? 文句あるの? それより、ほらほら、ドリー君まだ生きてるよー」
ぐさー……。
「ぎゃっぁああああああああああ!」
「ド、ドリー!」
瀕死のドリー君に追撃。
……グーリグリ。
もちろん、痛そうなところを狙ったよ、ゴメンねー。
あとで、ちゃんと締めて、食べるから許して。
「諦めてバイナル! ドリーはもう駄目よ!」
「ジナ、なんてことを!」
あぁ、はいはい。
バイナル君にジナちゃんね。
「私」覚えた。
そして、忘れると思う多分────……だって隙をみせただろ、バイナルくーん!!
「バ──」
「げふっ……」
「私」の狙いに気付いたジナちゃんだったが、一歩遅く。
わずかに動揺したバイナル君が足を止めてしまったのが運の尽き──。
彼の盾は簡単に刺し貫かれて、その背後にいた彼の肉体も串刺しになる。
……いや、なんなら貫通までして、後ろにいたジナちゃんの肩口まで貫いて、射止めていた。
おっほ♪
これはラッキーショット!
「なん、だと──……?」
貫かれた胸を呆然と見つめるバイナル君に、
肩に突き刺さったボルト弾を冷静に抜き捨てるジナちゃん。
「……くっ。これはドリーの!?」
はい、正解。
盾ごと貫いた攻撃の正体は、ドリー君の持ってたボウガンでーす。さっそく奪って活用してみました。
っていうか、馬鹿正直に装填して持ち歩くからそうなるんですよー。
「あっはっは! 命中命中。いやー危なかったー。さすがに3人は卑怯だと思うんですよねぇ、ボカぁ」
まぁ勝ったけどね。
はい、勝利ー!
「くそっ。まだよ……どきなさい」
ドンッ!
「ジ、ジナ……」
どうやら胸を貫かれたらしいバイナル君はすでに瀕死だ。
だが、最後まで前衛の任務を果たそうとしていたのか、身体全体でジナを守ろうとしたのだが、
なんとまぁ、あえなくジナちゃんに蹴り飛ばされてしまったー。
ひゅ~、やっるー!
「わ、私はこんなところで死ねない。……それに、ギルドに報告しなけれ、ば」
「わーお、それで仲間を捨ててくのー? おっにだー!」
ふっふーい♪
独り者の「私」にはわかんなーい!
「なんとでも、言え──くっ! ドリーの奴、なんの毒を塗ってたのよ?!」
「およ?」
なにやら脂汗が凄いと思ったけど、
どうやらジナちゃん、毒状態に陥った様子。
これはラッキー中のラッキーだぞ?
肩を貫かれただけにしては、なーんか動きが遅いと思ったらそういうことか。
「い、いけ、ジナ──」
「言われなくとも──!」
げしっ!
突き放そうとジナを掴んだバイナル君をさらに蹴り剥がすジナちゃん。
そして、懐からなにやら薬品瓶のようなものを取り出すと一息に飲み干……。
「──させないよ!」
「くっ!」
舌で妨害すると、
パリーンと澄んだ音を立てた割れる瓶。
中身は──……おそらく解毒薬かな。それかポーションってやつだろう。
毒を治すか身体を癒すかして逃亡する気だ。だけどそうはさせない。
だって、君が3人の中で一番おいしそうだしねー。ジュル~リ♪
「ひ、ひぃぃ!」
舌なめずりする「私」をみて、恐怖に濁った顔をするジナちゃん(うーん、美味しそう)。
だけど、もう諦めな。まずは邪魔なバイナル君にとどめを刺して──。
「げふっ!」
「はい、次は君────……って、そこまでするぅ?!」
なんとバイナル君を仕留めている隙に、ジナちゃんってば、地面に散らばった薬を舐めとっているではないか。
マジかよ。
土やらゴミやらあるし、なんなら冒険者の血肉が染み付いた決して衛生的とは言えない地面なのに、彼女は「じゅるる」と舐めるわ舐める!
「ひぇー……」
そこには割れたばかりのガラスだって交じっているだろうに──……。
いたそー。
「でも、その意気や良し!」
「舐めるなっ!」
いや、舐めたのは君ぃ。
……しかし、わずかでも回復したのだろう。
先ほどの汗が引き、
機敏に動く彼女は腕を抑えながらも部屋から逃げる!
「無駄ぁ!」
「がぁ!」
今度こそ足を刈る。
狙いは逸れたけど、おそらく腱を断ち切ったらしく、不自然に倒れるジナちゃん。
「ぐぅぅ……ここまで来てぇぇ」
無理に動くせいで、ブチブチと腱の切れる音。
あのままだと出血多量で死ぬのは間違いない。
だけど、彼女が他にどんな手を隠し持っているのかわからない。
なにより、ミスミス逃がすつもりはない…………けど!
「舐めるなと言ったぁぁぁぁ!」
うッそ!?
あれってまさか……魔法?!
半ば身体を半分ほど部屋の外に無理やり出したジナちゃんは、入口の壁を盾にして、短杖を構える。
どうやら魔法杖とかそういうのらしいが、
その杖の先端についた大きな宝石のようなものがギラギラしだし、眩い光が集まっていく!!
「あ、あはははは! 死ね!! 死ね死ね死ね!」
そして、それらが連続して放たれる!
「うわ! うわ、うわ!!」
慌てて地面に転がるバイナル君の盾を舌で拾うと、魔法を受ける。
すると、結構な衝撃が伝わってくるではないか!
オマケに熱いし、ボウガンが貫通した穴からチョロチョロと火が漏れるし!
「あちッあちッ、あちちち!」
「ミ、ミミックなんてねぇ……距離さえあければどうってことないのよ──あは、あははは! あはははははは!」
うーわ! この女、死なば諸共状態だ!
つーか、魔法使いつえー!!
「あはははは! 死ね、死ね、死ね、死ねぇぇぇえええええええぶぅぅうぐぶぶぶぶぶぶ……」
しかし、それが限界だったらしい。
もともと魔法なんて残弾制限があると思ったけど、予想通りだな。
どうやら魔力切れでも起こしたのか、突然泡を吹いて倒れるジナちゃん。
いや、
あれは毒が回りきったのかな?
ま、いずれにせよ、最後に放った炎は明後日の方向に飛んでいき、ボンッ! と破裂して──それで終わり。
あとには、カラ~ン! と、杖の転がる乾いた音が響いたかと思えば、かのジナちゃんは白目をむいてぶっ倒れていた……。
…………しょ、勝~~~~利♪
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